最終話 虹の想いが還る場所
気付けば
もう何度も一緒に
虹を見上げてた
今も、そしてこれからも
あの空にかかる虹のように
この手があなたと繋がっていますように
空色の傘を渡されて
あなたを初めて意識した
あの雨の日からもう何度
虹を一緒に見に行ったかな
虹を見に行くその時だけが
あなたと一緒に過ごせる時間
もっとあなたの傍にいたい
そう思っても告げられず
虹の出る日を待つだけだった
時折同じ時間を共有できたそんな日は
その日一日幸せだった
今も虹に願いを届ける
あなたと一緒の幸せが
いつまでもずっと続きますように
あなたと二人で手を繋ぎ
同じ虹を見て祈る
二人を結び、隔ててた
虹のアーチの繋がりは
今でも変わらず弧を描く
でも、時折アーチは重なって
絡んで一つになることもある
そんな時はあなたの温もりが
私を幸せで包んでくれる
あなたと二人 一緒でいるなら
あなたが傍にいてくれるなら
どこへだって
きっと行ける
そんな風に思ってた
今でも思いは変わらない
あなたが傍にいてくれるなら
どこへだって
きっと行ける
だけど今は、この瞬間は
あなたがここにいてくれる事を
あなたとここにいられる事を
大切にしたい
そう思う
辛いことも
悲しいことも
楽しいことも
幸せなことも
一緒に分け合えていけるなら
一緒に感じていけるなら
大丈夫だって思うから
どちらともなく手を離し
虹に向かって手を合わす
そして小さくお辞儀をして
あなたと顔を見合わせる
あなたの笑顔に幸せもらい
胸の内で小さく呟く
今はまだ伝えられない
けれどいつか伝えたい
これは虹への願いじゃなくて
私の内に秘めた気持ち
大好きだよ
無音で呟き
あなたの右手をぎゅっと握った
最後までお読みいただきありがとうございました
これにて、虹、終幕です。