プロローグ
プロローグ部分を除いて1話を掲載してしまいました、後から割り込み投稿していますm(_ _)m
「どうやら自分は乙女ゲームのヒロインに転生したらしい」
そう勘付いたのは父親であるメイデン男爵に引き取られた時。
若くして儚くなってしまった母は、どうやら男爵の愛人の一人だったらしい。
愛人の一人__つまり、愛人は一人ではなかったらしいのだ、引き取られた家には腹違いの姉と妹がいた。
つまり、愛人は三人いて、亡くなった正妻との間には子供は出来なかったらしい。
ついでに父であるジャック・メイデンは情のない色情狂ではなく、それぞれわけありであり、ついでに民にも使用人にも良き主であり、娘に甘い父親だった。
そんな家で九歳から育った私は、男爵家のお嬢様として何不自由なく暮らしてきた。
ストーリー通り十四になったら魔法学園に入学したが、そこはゲームよりも階級制度に厳しく、上級貴族でない自分にもその洗礼は当然の如く降りかかった。
攻略対象のフォローもあるにはあったけど、元々特権階級の頂点にいる彼等のやり方はあまり根本の解決にはなっていなかった。
前世ではそれなりに憧れたキャラもいたけれど、学園での彼等とお近付きになって攻略しようとか、それ以前にお友達にもなれなそうというか?
__けれどやはりイベントは起こった。
「ゲームの強制力ってホントにあるんだ……」
これは__不味いかもしれない。
私がそんな気ゼロでも、勝手にイベントが起こり、ストーリーが決められた方向に向かうとしたら___
私は将来、彼等のうち誰かと結婚しなきゃいけないってこと?
現状、好いてないんですけど。
私は国を出る決心をした。
乙女ゲームの舞台となるのはこの学園、ひいてはこの国なわけだから__要は、この国、出て行っちゃえばいいんじゃね?と。
そこからの私は早かった。
地図を広げ、情報を集め、この国の干渉の効かない国を探した。
この計画を学園で知り合って親友になったジュリアにだけは話したら、
「一緒に行くわ」
と言い出したので、
「でも、ジュリアは侯爵令嬢なのに」
と止めたのだが聞かず、結局二人で来ることになった。
プロローグもノベリズムの方が長いですm(_ _)m。