もう迷わない
同じ日が何度も訪れる
俺だけが彼らを知っている
気づいたら死んで横たわっている彼らを俺は知っている
今まで話していた奴が次の日になれば何もかも忘れて俺を罵倒する
出来るだけ犠牲を増やさないために尽くした
それが俺のためになると思った、少しでも標的が生きていれば彼らが動くと思った
助けた奴は俺を蔑み、見ていた奴は俺を罵倒
『人殺し』
『殺人犯』
そんな罵倒が飛んでくる
殺そうとしていた相手を介抱し助けたはずの俺を罵倒する
おかしい、絶対に間違っている殺されそうになっていたのはお前らの方だ、それを俺は救ってやったんだそれなのに何で俺の方を責めるあのクソガキ共から救ってやったんだぞ
『なんて事を!』
『嘘をつくな!この人殺し』
何で俺が責められる
ただそうするしかなかった
自分のためにもお前らを救うためにもこれしか方法はなかった
このループから抜け出すためにはもう方法はないんだ
『何を言っている』
『こんな子供殺してまで助かりたく無い』
ふざけるな
俺は知っている
お前が喚きながら殺されたのを、叫びながら恐怖に滲んで死んでいったのをこの目で見たんだぞ!そんなセリフが出てくるはずがない
ただ程のいい憂さ晴らしに使ってんだろ
何でこんな奴らが生きてんだよ、何でこんな周りに流され人を蔑む事しかできない奴らがのうのうと平気な顔しているんだ
くだらない正義感ぶら下げて何が楽しい
『馬鹿にするな』
『初対面の奴に自分の事とやかく言われたくない』
黙れ黙れ黙れぇ
何も知らないくせに知ったような口聞いて
命は大事だから?ふざけんなそんなもんが役に立つか
何度も何度もお前ら全員死んでいったよ
助けたくても死んでいった
手を伸ばしても掴めなかった
俺に何を望んでいる
全員助かるわけないだろ
綺麗な内側の平和を守るために汚い外側がどれだけ血生臭いことしているか知らない奴らが一般論とかほざいてただの理想を振りかざして何かが救えたのか
もう分からなくなる
何が正しくて何が間違っているのか
人が死んだのを見て可愛そうだと明日には忘れてしまう言葉を吐きたくなかった
大切なものが目の前で失われていくのが嫌で誰も傷つかなくていい世界が欲しかった
その為なら何だってすると決めたはずだった
だけど俺が何かをする度に大切なものは敵に回る
救ったものは全て向こうに行く
当たり前なんだよ、これが世間で現実だ
俺はもう
「何のために戦っていたの?」
声が聞こえた
はっきりしないだけど聞いたことのある声
それでも俺を責める奴らとは違った
「俺は……」
何のために
目的のため?
自分のため?
世界を救う?
どれも違う
何のために戦っていた
俺は何のためにこのクズ共を救おうとしていた
見捨てればいいんだこんな奴街ごと破壊すればあの忌々しい魔術師たちだって死ぬんだ、何を迷っている初めからそうすればよかったんだ
「前のお前はたった一つの物のために全てを犠牲にする覚悟があった」
「しかし今では多くのものを抱え過ぎた、自分だけが取り残され誰も覚えていないのに暖かさを求めた、記憶も思い出もない彼らからすれば不審者だ」
そうだな
無意味だった
「失った悲しみを味わいたくないから、もう二度とあんな思いをしたくないと思い人々を遠ざけ自分だけで生きて行くと決めた」
「だがお前はできてしまった自分の命以上に大切な存在が」
必要以上に抱えすぎたのだ
大切なものが向こうの世界の時より多くそして新しく、心を許せる存在が
「今のお前は戦う理由を無くしている」
「大き過ぎた物のせいで何も見えなくなっている、ただ何も感じることなく戦っているだから弱い」
俺は見失っていた
戦う理由が目に見えていなかった
「答えろ!さもなくば今すぐ殺す、今ここで命を賭ける理由は何だ」
理由
誰かを助けたい
世界を良くしたい
自分を認めて欲しい
違うだろ
俺はそんな物のためにここに立っているわけじゃ無いだろ
もっと単純で心の奥底からこぼれ落ちる一言
失いたくない
みんなをここで出会ったみんなを繋がりを
人との繋がりくらいは大事にしてもいいじゃないか
どんなに人々から蔑まれようとも手を差し伸べてくれた少女がいた
知らないはずなのに初対面のはずなのに
『人に優しく』
ああそうか
俺はもう救われていたんだな
ただ似ていたというだけで共感して
彼女から俺と似ているところを見て何かを感じた
それは歩み寄ろうとしていた俺と似ていた
でもあいつは昔の俺だ
まだ救われていない
俺は誰かに背中を押されないと前に進めないようだ
ウジウジして進んだように口走って結局何もしていない
でもな
「正しさなんて、正義なんてわからない」
この世界に生きていくと決めた
それは今まで以上に辛い事だし逃げ出したい気持ちでいっぱいだ
「今の事もこれからの未来のことも俺には何もわからない」
これからどうなるのか予知なんてできない
「全部幻だったとしても、誰も覚えていないけど」
たった一人だけ取り残されて忘れ去られたとしても
「俺にとっては未来なんだ、みんなにとっては何も無いただの点だとしても俺にとっては紛れもない未来で道で、そして明日なんだ」
答えは出ている
「俺は明日が欲しい」
「みんなで笑い合える明日が約束したその時が」
「もう叶わなくて無理だとしても」
そんな日はもう来ない
「足掻いて足掻いて無様でも吠え続ける、それが俺なんじゃ無いのか」
「前に進むしか出来ない、ただまっすぐに突き進む」
そうだったな
俺は
「貫くよ、最後まで」
「この命が燃え尽きても、この志が折れようとも変わらない」
ああこれだ
俺は最初からこういう奴だ
ようやく元に戻れたのかな
「いつかで良い、これが終わってそしたら未来で過去のことを嘲笑おう」
「その時はお前も一緒だ、ありがとう」
俺はそいつの頭に手を置いた
こちらを見ることはないただ下を見ている
「向こうで会おう!いつでも来い」
最後のループに突入した
俺はもう一人じゃない、ここに沢山のの人たちがいる
絶対にみんなの未来と俺の明日を取り戻す
もう二度ど同じ日は登らない
ここで終わりだ
最終決戦開始
ようやく話が始まった




