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未だに玄関先


魔族との全面戦争から帰還し一ヶ月が経った


ひと段落しまた新しいことをしなくてはいけなくなり戦闘力の増加に努めた

そしてこれからもやることは変わらないむしろ増えた

勇者の武具をの回収に向かうにあたって俺は新しい技の開発を行った

完成したのは複数あるが実戦で使い物になるかどうかは未だ分からずのまま


そして俺の戦闘服、前回未完成だった装備が完成した

鎧のようなものではなく見た目は普通の服だか防御力は桁違い

だからといってそれだけで戦うのは心もとない


凱殻を纏っていてもユノの攻撃で死にかけるしあの固有魔術師攻撃で斬られるだろう。細かいものは大したことないが熟練の剣士の一撃はまともに食らえば中身がぶちまけられる

あくまで服だと認識して欲しいと言われた、全くその通りだ装備に頼っていてはいけないのはよく知っている


それと専用の武器は持たないことにした

剣を持たせることもできると言われたが断っておいた、近くに武器があればと思った事があるが今回で学んだことがそれを止めた


もし俺がめちゃくちゃ強い剣を持っていれば剣を操る魔術師にさっそく殺される

現にそんな固有魔術師がいたから念のためやめておく、固有魔術は遺伝こそしないものの似たようなものが出ることはよくあるらしいから


中に黒い服を着てその上から前の強化版である白いコートもどきを着る

白いコートに内ポケットや袖あたりにスペースがあり道具を隠しておく事が出来る


せっかく覚えた魔力放出をどうにかするために訓練も重ね

同時に放つことや凱殻もどきを作って足場を作ることもできるようになった

しかしこれらは魔力消費が激しく乱用できない、魔力放出はむやみに使えないことになる


結局のところ今までとそう大して変わらない

メインは物理で解決できるとこまでやる、無理そうなら考える


今後は開けた場所以外に狭い空間で戦うことも増えるだろう

市街地や洞窟内部夜目がきくようにはなったはずだが光らないからよく見えん


実際、国が所有していた場合どうするか

話つけて終わることでもないし門前払い食らうこともある

その点に関しては放置でいいとか、魔力をぶち込んで壊れなかったら放置

壊れたら仕方ない


どこまでがどうか


もう一度最終確認をしようと思い紙を取った

最初に国境を越えてハドラム共和国へ向かいそこで勇者の武具であろう物の回収、国境を越えるための身分証のようなものはいらない金を払えばなんとかなる


その後多数の国を回り回収

目星がついているのだけで四つあるのだ


最短で走る

とはいえ俺にはアイテムポーチという凄い袋が



ないんです


ユノいわく勇者の武具にそんなものがあったとかなんとか

今の力でそんなもの作れないと怒られたため馬を買いに行かないといけない

荷物が多くなる今回の任務だ腕が二本しかない俺が持てるわけもなく

馬に括り付けて移動しようという算段


金に関しては売っぱらえば用意できる

しかし問題発生、ハンターにはなれないので買取額が落ちる

やりくりしようぜとなった


ハンターになれば良いことたくさんだが街の防衛に駆り出されるし

指名依頼とか戦争にぶち込まれるおまけが付いている


混乱に乗じてなんとかする俺とは正反対のことだ

それに変なもん集めているとストップかかったり国に雇われたりするのだ、ちなみに拒否権はない


てな訳で無職で冒険に出ることとなった


必要なものを揃えて大きめのカバンに詰め込む

もともと持っていくもの自体少ないしこれから買う予定だから軽い

出発まで後僅か、何かできることでもするか



もう時間だ


今からどれくらいで戻れるのか果たして帰ってこれるのか

必ずと言ってもいいくらい衝突は免れないだろう


誰が所持しているのか場合によってはそのまま持ってもらうこともあれば

殺してでも奪い取る手段も視野に入れなくてはいけない



「人に優しくか」


ユノから忠告を受けたことを思い出す

このままじゃいけないとわかっている、破綻するのは目に見えている


自分が信じられないだけなんだ


誰かに優しくできれば


考えても仕方ない、無理なものは無理だ

現実を受け入れて前に進むしかない、たとえどれだけ残酷でも

人は変われるが元には戻れない


俺はどうなるのだろう

この戦いが終わって向こうの世界でどう過ごしていくのか

この世界の人々はどんな風に過ごしているのか


わからない

答えは出そうにないな


扉に手をかけて開いた

こっから先はほぼ全ての生物が敵だと思っておいたほうがいいのかもな

でも優しさを忘れてはいけない、難しいことだ


必ず成し遂げる失敗は死


「行ってきます」


「行ってらっしゃい」


俺の新しい戦いが始まった

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