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悪い

題名変えました




領主邸についた


ここは魔族が占領している

彼らはここに我が物顔で跋扈している


「報告はどうすればいいか」


近くにいた奴に聞く


「三階に分隊長がいるそこに行けばいいんじゃないか」


「そうか」


分隊長


必ず殺す

俺は階段を上がる


廊下を歩いて扉の前まで来てノックする


「なんだ」


「お耳に入れて欲しい情報が」


「入れ」」


扉を開けて中に入る

分隊長と思われる男が椅子に座っており、その周りに数人の兵士が待機している

こいつらが相手するのか


どうする

奴らが持っている槍でも奪って投げるか

避けられたらその時は机を盾にして窓付近に押し込んで突き落とすか


やめとこう

この手で殴ると決めた




踏み込む

この床が耐え切れる限界まで力を入れろ

こいつの顔面に拳を叩きつける


しかし予想はしていた


「正面からやり合うのは趣味じゃないかできないともいってない」


分隊長の男は剣で俺の拳を受け止めた

男は力ずくで振り切る、俺は剣の腹を蹴って後ろに飛んだ


「ガキが年期の差がありすぎんだ」


俺の着地を待たずに前に踏み込む

剣を上段に構え上から振り下ろされる刃


それを無理やり体をねじって躱す

地面に剣がめり込んだ、大ぶりな動作の後にできる硬直

その隙に男の横腹を蹴り飛ばした


男は器用に腕をついて体を反転、回転の勢いで跳び着地

懐からナイフを二本取り出して構えた


変則的な軌道

突きと思わせてから横に振るう

予測されないようにフェイクを練りこんだ動きだ

ここまで洗練されるのはどれくらいの時間がいるのか



だか今はどうでもいい


ナイフによる斬撃も身を固める防具による防御すらも貫通する無慈悲な一撃が顔面に放たれた


男はぐちゃぐちゃになった顔面のまま壁を貫いて飛ぶ

二部屋分貫いてようやく止まった

壁にもたれかかり鼻血と身体中から血を吹き出し意識は途切れそうだ


「がっがあっ」


男の前まで歩いていく


周りにいた兵がようやく動いた

倒されないとでも思っていたのか、勝てると思って見ていたのか

だがもう遅い、槍や剣を構えた兵士達が一斉に迫ってくる


そいつらにも打撃を食らわせる

体制を崩し倒れそうになる



「今からお前を殺す」


俺は両手を広げ魔力を放出した、周りに構えている兵を吹き飛ばすほどの圧力

全身から溢れる魔力が自分の周りに漂う


「凱殻」



「今から教えるのは凱殻という技、これは魔法では無くて技術」


「これは元々収縮型魔法の際に圧縮の過程で核の表面部が硬質化することを人間に応用できないかという理論」


凄い人がいたもんだ


「それがあれば鎧を着なくても良いし視界が塞がれることもない」


いいな便利だな、鎧だど動き辛そうだし兜を被ったら前が見にくそうだ

そんなので動ける奴はスーツアクターできるだろう

なら防具無しでやるかと聞かれれば無理だ当たったら死ぬなんて絶対いやだ



それじゃなんでみんな使わないんだ

便利なものは使ってなんぼだろ


いや待てよ

先人たちが使わなかったってことは


「結果的に実験は失敗、四肢は飛び散り人体は潰されてお終い」


だろうな

圧縮の過程でできた産物だ、中のものが無事なわけない

人体を魔力で押し潰してるのと変わらない、むしろ攻撃に使える


「理論上は身体強化魔法より優れているけど実用性はない」


「人間の強度の都合か」


いくら最強の防具があっても使ったら死にますでは話にならない

そんな呪いの装備つけるなら普通に鎧着たい


待てよ

さっき教えるといったよな

そんな死ぬかもしれないものを俺にやらせる気か


「そう、強度に見合う肉体があれば話が変わる」


そのためだけにあんな地獄みたいな訓練させたのか

毎日毎日走っては不気味でやたらと重い棒持って

スクワットや腕立て伏せ、過激すぎる肉体行使させたのか


「あなたに毎日魔力操作をさせたのにも意味がある」


魔法使えないのにと思いながらやらされたアレか

一応真面目にやったけど意味あったんだ、魔道具でも拾ったら使えって事だと思ってた


「魔力の硬質化だけでは心許ないので魔力操作の応用を使う」


魔力操作の応用か

確か糸にしたりスライムを形作ったりしたな

それを使うのか


「人体を核として表面に筋肉組織に見立てて魔力を出す、流れをコントロールしながら自身の肉体と同期、そして上から魔力硬化の鎧を纏い圧縮」


「硬化した時の関節部分はどうしますか」


「細かく分けて硬化するしかない、それに本人の操作で硬度を変えられるから大した問題でもない、普段は薄くしていればいい戦闘時に展開すればいいから」


それならいいのか



「それともう一つ、心眼も教える」


まだあるのか、あって悪いとは言わないが凱殻で十分な気がする

攻防一体の武器になるものだから




「これは魔力を霧状にして周囲に飛散させ、触れたことを感知して敵の位置や動きなどを察知する技術」


いわゆる感知とか探知魔法みたいなものか

敵がどこにいるのか、次の動きがかけら程でもわかるのはいいアドバンテージだ

姿が見えなくても攻撃できるってことだしな



しかし問題がある

放出した魔力が動かせない、魔法は初めから詠唱という型にはまった動きをするからなんとかなる

しかしこれは魔法じゃない、あくまで近づく技術

大部分は自分でしなくてはならない


「放出した魔力は操れますか」


「魔力弾を曲げるのとは訳が違う、これは実際は細かく触れ合っているからなんとかなる」


ならどうにかなるのか?

仕方ないやってみるしかないか




水成は瀕死の男の顔面を掴み持ち上げ床に向かって叩きつけた

衝撃に耐えきれなかった床が崩壊する、木造建築だとしてもここは領主邸だ

やわな造ではないが圧倒的な力の前では無力


崩壊し崩れ落ちる建物の中で決して離さず瓦礫に叩きつける

分隊長の男は魔族の中でも鍛えている、そのせいでなかなか死なない

そのため水成は死ぬまで叩き続ける

地面に到達すれと拳を振り上げ砕いた


人間が発する音ではない

人間がする所業ではない


それが自身の上司が目の前で殺され原型も留めないほど殴られた事よりも恐ろしかった

纏う空気は覇者のもの、発する言葉は怪物、そして何よりその表情


彼は泣いているのだ、涙を流しながら怒っている

充血した眼球は敵を見据え今にを殺せそうに見えるだろう


魔族の彼らは思った、いや本能が感覚が死を予測

先ほどまでほんの五分前までは自分たちが勝っていた、人間なんて弱い

自分たちに歯向かったハンターなどという者たちもすぐに倒された

特別な訓練に名誉ある行動、彼らはエリートだった


しかしエリートだろうが一般人、ゴロツキでも死は等しい

人が一番関心を持っていないのは自分以外の人だ

彼らがどれだけ死のうがどうでもいいのだ


そう兵士の全てが思っていた

自分が殺されるこの状況が来るまで


「うあああああ」


勝てるとは思っていない

ただ何故か足が敵に向かって進んだ

心では嫌だと逃げ出したいと思っていても、訓練によって染み付いた行動と彼ら自身のプライドが勝手に突き動かした


「どけ」


水成は力強く拳を握る

向かってくる的に正拳突き


外部衝撃、内臓破壊


骨は砕け皮膚は腫れ上がる


「がぁぁぁああああ」


水成は止まらない

敵が死ぬまでそう彼が誓ったから


顔面を腕を腹を足を向かってくる敵の顔すら認識せずに心眼に反応した物体を作業のように


叩く、潰す、捻る、殴る




水成の避けた兵士の腕を掴み横に振った

向かっている兵士の横からあたり纏めて投げる


壁に打ち付けられた彼らはシミになった



ただただ作業のようにこなした


殺人を



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