街に到着
俺は街まで全力疾走だ
馬なんていないし乗れそうな動物もいないから走る
それに走った方が早かったりするのだ
こっちに戻ってきてから一時間くらい走ったか
なかなか街が見えないし景色もそう変わらないから進んだか分からん
方角はあっているはずだからいいと思うけど
「ぎゃあああ」
とんでもない悲鳴だな
音のした方へ駆けてみるとそこには一台の馬車とそれを取り囲むあの忌々しいクソ狼だ
また馬車襲ってんのか、頭いいのか悪いのか
結構前にあいつらに殺されかけたことがあるのだ、腕を飛ばされ満身創痍で転がっていた
今となっては戦えるがあの時は酷かったな
ここで会ったが百年目あの時の恨みはらさせてもらおうか
拳を握り全身に力を入れ地面を蹴って狼の背後に迫る
気づかず呑気に吠えてる奴の頭部をけりとばす、首元から脊髄ごと頭が飛ぶ
仲間がやられて襲いかかってくると思っていなかった狼は理解しきれてなくただ突っ立っていた
しかし俺はそんな隙を見逃すほど優しくない
あの時の恨みで戦ってんだ全員まとめであの世行きだ
かかってくる狼を殴って蹴って
いろんなものを飛び散らせながら撲殺した
■
「ありがとうございます」
馬車の中から一人の男が出てきて頭を下げた
茶色いチョッキを着て帽子を被っている
「危ない所を、私はオルマと言います」
「俺は…水成です」
よくわからない商人風の男に礼を言われた
別に助けたかったわけじゃないんだよな、憂さ晴らしが目的だったから
仕方ない、名乗られたから返しておく
「何かお礼ができれば」
うーん
服とか金とか貰えれば嬉しいけどそんなの積んでなさそう
第一そんなもん運ばないだろ糸とかなら別だけど、特産品は無いな
この馬車あんまり大きく無いし
せいぜい積荷がそこそこ入るくらいだし
どうしようか見定めているとオルマが提案をした
「乗って行きませんか?歩きだと辛いでしょう」
そうだな
歩かなくていいのはいいかもしれないが走った方が速い
メリットがないような気がするが
この馬車に乗っていれば堂々と街に入れるんじゃないか?
一人で行くと怪奇の目線を向けられるけど中に居座っとけば何も言われずすみそうだ
「そうします」
俺は馬車に乗り込んだ
いい思い出ないからまた転落するかと思いながら
■
「お腹空いてません?これどうぞ」
オルマはそう言って奥の袋からあるものを取り出した
四角い何か、少し硬いななんだろう
「携帯食品です、私たちの商会の商品ですよ」
携帯食品か
こんなんで大丈夫なのか、飢え死にしないか
栄養が取れればいいんじゃないんだ空腹を満たすのが食事だぞ
そこんとこわかってんのか
「ささ食べてみて下さい」
勧められるがままに仕方なく
俺はそれを投げ口に向かって落ちていった
「これってどこに向かってるんですか」
乗ったはいいが変なとこに連れていかれても困る
「向こうにある街に向かっています」
オルマは指をさして言った
確かあの方角なら行き先は一緒か、乗っていればつくな
そうだなこいつがなんか知ってるかもしれないし情報を集めるか
「街でハンターギルドってありますか」
「ありますよ。噂によれば中央部あるらしいですが」
中央部か…やだな
この格好で真ん中まで歩くのか
できれば入り口付近に作っとけよ、そこまで恥晒さないといけないのか
ダッシュで行ってダッシュで服の準備だな
「なんかいい店はないか?こんな服だから」
■
そんな話をしていると
「これは」
「なんかあったか?」
急に馬車を止めたため不思議に思って顔を出すとそこには
巨大な城壁と閉じられた門だった
「これでは入れませんね、裏ルートで入れるのでそちらを使いましょう」
城壁で中は見えないが黒い煙が上がっている
火事でもあったのか、木造建築が主なこの場で家事なんて起こったら最悪だぞ
すぐに燃え広がるだろう
オルマは馬車の進行方向を変え林に入っていく
「中に行ったらどうする?」
こんなもん異常事態だからな
手慣れている人の意見も聞きたいな
「穴蔵に向かいましょう、そこならみんないると思います」
「穴蔵?」
「ええ、ほら魔物とかが襲ってきた時隠れるとこですよ」
防空壕みたいなもんでいいのか
入られた時の事も考えてあるのか、地下とかにあるのか?
それとも特定の建物の中にあったりするのか、例えば領主の館とかの下かな
まあいいや、ついていけばいいか
城壁から少し離れた場所にある建物に入り
そこにあった地下への入り口に入ったら奥へと続く通路があった
先は真っ暗で見えない
オルマはカンテラに火を灯し持った
このジメジメした通路を彼の後ろについていった
■
「こっちです」
オルマの背後をついていく
「もう少しでつくので」
「わかった」
黙ってついていく
真っ暗な通路を歩いていく、少しカンテラの灯りがあり完全な闇ではなくても足元が見えないくらいは暗いのだ、どこまで続いてるのかあんまり歩いた気はしないが
それにしてもつらいな
暗いと体力消耗するもんなのか
「一旦休憩でもしますか?俺は別にいいんですけど少し辛そうだなと思い」
「そうだな」
一旦地面に座り込んだ。一息ついているとオルマが荷物を整理していた
「無くし物か?」
「いえ、ちょと」
そう言ってから袋から何かを取り出す前に
俺はオルマの直ぐ後ろまで近づき
背中から貫いた
「何で…毒が!」
腹を貫通したまま声を絞り上げ発した、オルマが手に持っていたナイフが地面に落ちる
手に伝わる失われていく体温を感じながら引き抜く
鮮血を辺りに撒き散らして壁にもたれる
穴の向こう側の景色は吹き出す血で見えない
オルマは地面に倒れるが這いずって近づいてくる
「悪いな、俺は用心深いんだ」
俺はその手を踏みつけた
手首や甲の部分から音が聞こえるくらい強く力を入れる
「そんな事で私の…がぁぁぁああああ」
「当たり前だろ、変な人から貰ったものは警戒して当然だお母さんに教わってないのか?」
両手とも砕いてからアキレス腱を引き剥がし蹴り飛ばす
地面を跳ね転がりオルマは口から血を吐き出す
まだ生きてんのか、魔族はしぶといって聞いてたが本当らしいな
俺はポケットから先ほど貰った乾燥した携帯食を出しオルマに投げつけた
顔に少々当たり落ちた
吹き出す血に浸り泥と一緒に踏み潰し地面に擦り付ける
「それにこいつが出てきた袋、お前らと違ったし何かあると警戒されて当然だ」
「馬鹿な!今までどいつもこいつも引っかかった、お前ら全員マヌケのはずだ」
鳥の首絞めた様なしわがれた声で発する
今にも殺してやると言いそうな目で睨んでくる
「言ったろ、用心深いってでもお前らとの馬車楽しかったと思うよ、だけどこれっぽっち信じてないさ赤の他人なんだから」
「信用欲しかったら家族にでもなっとけばよかったな」
俺はそう言ってからオルマの頭部を踏み潰した
ここまで来たけどどうするか
街の内部に入れたのはこの残骸のおかげって言ってもいい、裏ルートから来たからまだ見つかっていないと見ていいだろう。オルマのことだ俺を殺して楽しみを独り占めにしようと考えただろうから現在地はバレていない
今やる事は
街にまだ人間いるかもしれないから探すのと出会った魔族を殺す
確か殺すより歩けなくした方が戦力が削れるってユノが言ってたからなギリ生かすか
殺せば見捨てるけど生きてたら連れて帰んなくちゃくけない
同時に二人消えるのは嬉しい話だ
ここの制圧は無理でも逃げ道くらいは作ってやらないとユノにどやされる
この建物から出てまずは衣服にしようか、武器はわざわざ取りに行かなくても奪えばいい
ハンターギルドなら誰かいるか、いたら戦っているか
それでも仲間を集めないと俺一人じゃキツそうだ
その後にさっき言っていた穴蔵とか言うものを探す、そこに居るらしい
場所がわからないから手当たり次第回るかな地図があればいいんだけど置いてあるとは思えない
現在地は門を通っていないが壁付近からそんなに歩いていない
端っこの方だと思う
まずはここから出るしかないな
壁にかかっているカンテラを取って照らしながら進む
長いトンネルのような場所を通りついに光が見えた
建物の壁を一度切り取って外した後にはめ込んだようになっているので外して外に出る
出たところは酒場なのかビンがたくさん置いてあった
カウンターはいくつか壊れておりテーブルもイスも散らばり無残な姿になっている
まさに廃墟と化した空間だった、この街の店全てがこんな状況だったら大変だな
棚に置いてあるビンに映る虚像で敵の存在を確認する
窓から見える範囲と映る景色にはいないようだ
扉を半開きにして少しだけ押す
音もなく静かに扉が開く、直ぐ横にかがんでいるが誰も現れないのを確認してから
走り出した
■
なかなか居ないな
街も中心部になってくると魔族が徘徊している
1組何人かで固まりパトロールしてる
まずいな
人間は一人も見つけていないのに魔族だけたくさん見る
徘徊しているせいでまともに身動き取れなくなっているのだ
さっきからずっと同じ民家の中で出方を伺っている
窓から敵を確認して過ぎ去るまでじっと待っている
よし行った
窓から屋根に飛び
屋根から屋根へ伝って走る
何メートル進んでから民家に入り休憩を取ろうとした時
「誰だ!」
勘付かれた!
どうするか、この距離なら窓から飛べば背後を取れる
しかしほかの奴に見つかる可能性が出てくる、なぜならここから見えなくても今奴らがいる背後に回ってしまえば大通りに出てしまうのだ
ここで隠れてやり過ごすか、まず無理だろう、魔族からしたらここは敵陣の中だ
少しの違和感でも当たってみるだけでも価値があるはずだ
なら仕方ない
こちらに来る前に死んでもらう
魔族の兵は周りを見渡しながら歩いてくる
扉を開けて玄関に侵入してきた、途中に扉を全て開けて確認してくる
そして俺のいる二階へと歩き出した
階段を一つ一つ上がってくる、ギシギシと音を立てて登る
隠れられそうなところはないだが今出て行く方が危ない
ならこれをやるしかないか
魔族は勢いよく扉を開けて剣を抜いた
「ここか!」
しかし中には誰もいない
部屋の中にあるクローゼットを開けてもベットをひっくり返しても何も出てこない
「どうした?」
「いや誰かいた気が…」
部屋の中を全て確認している時に俺は天井から逆さ吊りになり
魔族に俺の存在を気づかれる前に首をへし折っておく
ゴキッ
ほんの一瞬で絶命した魔族は力なく倒れた
動かなくなった魔族をクローゼットの中に押し入れておく
身ぐるみを剥いで服を着る
魔族の兵士の格好だ、黒い隊服を纏い剣を剣帯に通して留める
幸い彼らは帽子を被っていたためツノは識別できない
人間の街に入る為だろうが使わせてもらおうか
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