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9.弓

文章量が前後してしまい、申し訳ないです。もう少ししたら安定してくると思います。


「なんだこりゃぁぁぁ!!!」



気さくな受付の男が大声で叫んだ。


「ちょ、セヌさん、声が大きいですよ、ってなんですかこれぇぇ!!?」


阿鼻叫喚、大声を注意した周りの職員がまた大声を上げるの連鎖が起きる。



もはや建物内がパニックに陥っていた。








遡ること数分前。





俺たちは地上に帰還した。


約2日ぶりの太陽が身に染みる。

人間、太陽がないと生きていけない。長い長い進化の過程でそうなったのかは知らないが、そういうシステムで身体がそうできているのだと、身をもって理解した。



2週間潜ったのは危険だったな。

あの時のテンションは割と危険だったし。




「さて、換金するか」


「素材はいかがなさるのですか?」


「めぼしいやつを売るだけでいいかな。変に目をつけられるのもめんどいし」


「そうですね、無尽蔵に入るバッグというのは国が欲しがるアイテムですから、なるべく隠した方が良いかと」



そんなやばい代物だったのか。


確かに、無尽蔵に物が入るなら輸送手段に革命が起きるな。


力のある商人ならそれ1つで巨万の富を何世代に渡って築き上げるだろう。





そう考えると、召喚スキルはセフィみたいな人間がいたら剣聖に聖剣みたいな感じだ。



ポイントさえあればなんでも出来るのだから。

それも地球の兵器だろうが異世界の伝説の魔剣だろうが、手に入ってしまうのだから。


まぁ、セフィがいる分、衣食住に充てることにする。



「お、兄ちゃんじゃねえか!今回は早かったな!」


「ええ、順調に、事が進みまして」


順調に、の部分はセフィを見ながら言った。


このクソ奴隷は後でしばく。絶対。


「なんだぁ、迷宮内でおっぱじめたとは若いねぇ!」


「違います」


あらぬ誤解を受けた。



「さて、換金か?素材の引き取りか?いつも言ってるが人が少なくてねぇ、素材不足でたまったもんじゃない」


いいことを聞いた。これなら多めに売っても問題なさそうだ。



「まず、換金を」


「全額かい?」


「ええ」


「あいよ。羽振りがいいねぇ、俺ならちまちま貯めとくけどな」


そう言って。


「なんだこりゃぁぁぁ!」


はじめに戻る。



✴︎




「に、にに兄ちゃん、これって本物かい?」



に、にに兄ちゃんですが、正真正銘モノホンです。




「勿論です。そもそもそちらの機械で判定できますよね?」


「あ、あぁ、できるが・・・」


気さくな男は戸惑っていた。

確かに、先日稼いだ金貨三枚とは比べ物にならないし、今回はたったの2日しか経っていないのだ。訝しむのも当然だ。



それにカードの偽造は重い罪が待っている。

領主のメンツにも関わるしな。

それを気にして確認してくれたようだ。


「本物だな、疑って悪かった」


「いえ、それでは換金をお願いします」


「悪いんだが、ここにある金じゃ足りそうにねぇ、領主様に報告するから少し待っててくれるか?」


「いいですよ、大体どれくらいかかりますかね?」


「ざっと2、3時間はかかるな。なんなら明日にしてもらってもかまわねぇが、どうする?」


「なら3時間後にまた来ます」


「あぁ、そうしてくれると助かる」


ぶっきらぼうながらも丁寧に対応してくれた受付に礼を言ってから、街に向かって歩き出した。


大迷宮といっても街からそう離れてる訳ではなく、歩いて15分と言ったところだ。これは俺が暮らしている街が元々大迷宮を中心に発展していたことに起因しており、昔は歩いてすぐに迷宮の入り口があったらしい。けれど、迷宮内のモンスターが溢れ出すスタンピードが発生したことで入り口から離れたところに街の門を作ったと言うのが、酒場でよく聞く昔話だ。


「セフィはどこか行きたいところとかあるか?」


「そうですね、特にはないのですが、武器屋に行ってみたいですね」


セフィは思案顔を作って小首を傾げながら、そう答えた。

こいつ、目を瞑っていても可愛いとか最強かよ。


「俺の召喚スキルじゃダメなのか?」


「正直に申しますと、ユキ様のスキルは異質すぎます。品質が最高のものばかりで、余計に目立ってしまうかもしれません。ユキ様の属性が付いた短剣も業物とは行かずとも、使用者の技術を最大限発揮できるようなものでした。今後それに目をつけてくる輩が出てくるかもしれませんし」


「あー、俺の短剣君が持ってたの?」


「えぇ」


セフィはそう言うと、腰からあの短剣をすらりと抜いた。


「もしかして、まだトラウマが残ってらっしゃるのですか?」


「い、いやいやまさかー」





俺は冷や汗をかきながらそっぽを向く。

こいつに弱みを見せたらいけない。もし見せたら最後、どこまでも追い詰めてくるように感じたからだ。なんとも皮肉なことだが、魔物に対する恐怖心というのはかなり薄れた。



 ーーーーー本当に遺憾だが。



ただ、かつての仲間に対するトラウマは無くなっていないし、なんなら軽い人間不信だ。

これはセフィには分からないだろうが、これから一生、他人を信頼しきることはできないだろう。それは仕方ないことだ。





だが、確実に罵りコンボを繰り出してくるとあう俺の予想に反してセフィリアは悲しげな瞳でこちらを見てから、いつもの無表情に戻って俺の前を歩き出した。



「そうですか。一応この短剣は私が預かっておきますね」



「あぁ、よろしく頼む」



俺セフィに追いつくよう、早足になって後をついて行った。



今の表情はなんだったのか、妙な引っ掛かりを覚えながら。




✴︎



武器屋に着いた。ここは100年ほど前にとある鍛治好きなエルフが打ち立てた高級武器屋である。そのエルフはまだ現役らしいが、ここ数年は武器作りではなく店の運営や後進の育成に精を出しているようだ。セフィはまず何本もの剣を見た後、受付に言って見るからに高級であったり業物であるような剣を奥から持ってきてもらっていた。 


ここ、俺が冒険者時代に高すぎて来れなかった店じゃねぇか。


置いてある武器の一つ一つがおいそれと触れないような代物ばかりだ。


値札を確認して見ると、小さなナイフが金貨1枚もしていた。



金貨1枚だと!?こんな小さな短剣が!?


俺はこの世の終わりかのような百面相をしながら商品を流し見していく。



銀貨3枚の弓矢、銀貨80枚の戦斧、金貨5枚の杖、金貨100枚の長剣。うげっ、これなんて白金貨200枚もするのかよ。目の前には縦長のショーケースに入った大きな弓が置いてあった。値札を探すと説明欄の横に白金貨200枚と書いてある。


白金貨というのは、たった1枚で金貨100枚にもなる恐ろしい貨幣である。そもそも、めったなことでは鋳造されず、王国の節目の年や王の誕生など、余程の事がないと市場に出回らない。そのため、白金貨200枚というのは単に金貨20000枚を集める以上に至難の技なのだ。まぁ、貨幣なのに互換性が悪いというのは、おかしな話ではあるが、白金貨を利用するのは大規模かつ遠距離な商談であったり、武勲を挙げた人物に王が下賜する場合、または今回のように高級な武器などに使われるくらいなので、そこまで問題が発生しないのだ。そもそも俺みたいな庶民には雲の上の存在だから、到底縁遠いものだと思っていたが。



ともかく、ショーケースに入っている大きな弓は日本で200億もの価値があるようだ。俺は恐る恐るショーケースに近づいて、その大きな弓をまじまじと観察する。

確かに、一見無骨ながらも、持ち手の部分などに細やかな意匠が凝らされていて、どこを見ても一級品なのが伺いしれる。なにやら呪文らしきものが刻印されており、説明の欄によると風の属性がついているらしい。それに高級そうな木を使っているのか、見るだけで人を惹きつける魅力が感じられる。



「鑑定」



ーーーーーーーー

世界樹の風弓

クラウスの木を材質とした長弓。持ち手の部分には世界樹の枯葉を使用した加工がされており、風属性が付与されている。効果は使用者の魔力に比例し、一矢で海を割った伝説がある。

ーーーーーーーー


わーお。見ていた以上にすごい代物だった。これなら200億というのも納得なのかもしれない。いや、でもなー。武器に使う金額じゃないよなー。


「この弓が気になりますか?」


俺が頭を捻っていると、横から超絶美人に話しかけられた。耳がとんがっているから、エルフだろう。この武器屋はエルフが運営している流れで店員もエルフが多い。この美人エルフと店員だろうか。にしても顔が整いすぎてるが。陶器のような白い肌に綺麗なエメラルドの瞳が印象的だ。


「えぇ、まぁ」


「もしよかったら、お手に取られますか?」


「いやいや、遠慮させてもらいます。間近で見たいのは確かですが、怖くて手が震えそうで」


俺がへらへらと笑うと、美人エルフもくすりと笑った。


「確かに、少々値段が高いかもしれませんね。もう少しお手頃価格の方が良いのでしょうか?」


「いえ、別に値切っている訳ではないですからね?」


「分かっていますよ」


「なら良かった」


互いに冗談を言いながら、笑い合っていると、なんだか穏やかな空気が流れた。


「どうして、こんな高級なものを見せてくれようとしたのですか?」


「失礼ながら、先ほど鑑定されていたようなので、お声をかけさせていただきました」


「あぁー、なるほど」


俺はぎくりとしながら視線を泳がせる。

実は鑑定スキルも召喚スキルと同様にセフィによって秘匿するようきつく言われていた。鑑定というのは俺の召喚ほどではないものの、かなりレアであり、さらには鑑定スキル自体の知名度が高く、それだけで宮廷魔道士の片道切符にすらなると言われている。何故今までの俺はそれに気付けなかったのか頭を抱えたいところではあるが、ともかく、セフィですら初めて聞いた召喚スキルよりも知名度が高いレアな鑑定スキルは悪質な人間に狙われる確率が高いのだ。もし見つかったら最後、奴隷にされてどこぞの商人のいいように使われて一生を終えるだろうとセフィ脅された。

ただ、人にバレることはあまりないから気にしなかったが、迂闊だったようだ。


「何故鑑定スキルを使ったと?」


「私は看破というスキルがあり、他人の使用したスキルがわかるのです。なので、お客様の使用スキルも判明した訳です」


「な、なるほど」


俺はしどろもどろになりながら、美人エルフに目を向けた。


「その、申し訳ありませんでした。勝手に商品を鑑定するのはマナー違反ですよね」


「いえいえ、こちらこそ勝手にスキルを使っていたのですからお互い様です。」


「そう言ってもらえると、ありがたいんですが、その、えっーと、鑑定スキルの事なんですが」


「ええ、分かっています。誰にも言いませんよ。こう見えて、口は硬い方なんです」


美人エルフはこちらの意図を察してくれたようだ。本当にありがたい。ここの店は武器だけでなくて、接客も最高レベルらしい。


「ただ、代わりにと言ってはなんですが、この弓を持っていただけないでしょうか?」



ーーー前言撤回だ。

何やらしたり顔の美人エルフの顔を見ると、俺はどこぞのセフィを思い出してげんなりした。エルフというのは他人を困らせるのが得意な種族なんだろうか。


「本気で言ってるんですか?何か目的があるように思えてしまいますが」


訳がわからない。俺のような雑魚に弓を持ってもらうメリットなどあるのだろうか。どこか茶目っ気を出してきた美人エルフは美人局なのかと疑ってしまう。


「いえ、目的などありませんよ!まぁ、強いて言うならいつまでもショーケースの中で埋もれているの姿がとても寂しそうで、お客様に持ってもらった方が、この子も喜ぶかなーと思っただけです」


「なるほど、そう言うことなら一度見せてもらってもいいですか?」


仕方ない。持つだけなら注意しておけば大丈夫であろうし、何かあったらセフィに頼れば万事解決するだろう。



美人エルフがショーケースに手をかざすと、がしゃり、という音とともにケースが開いた。どうやらこのショーケースの鍵は魔法によって管理されているようで、彼女はマスターキーを持っているらしい。こんなに高い武器を気軽に置いて大丈夫なのかと疑っていたが、もしかしたらショーケースが特殊な魔道具になっているのかもしれない。


「では、どうぞ」


そう言われて、ガラス越しに見てきた長い弓を手に渡される。


すごい重さだ。一言で言うと、圧巻。

まるで大きな大樹がそこにあるかのような錯覚を受けるほど存在感が溢れている。持っているだけでどんな敵でもなぎ払えるかのようなずっしりとした重量感と迫力がこの弓にはあった。



「かっこいい」


自然とその言葉が出ていた。

俺は心の底から感動していたのだ。こんなにも心を動かす武器が存在していたのか。

前世ではゲームやアニメといったものに疎かったし、映画などで弓や銃などの武器を見ても特に関心が引かれなかったが、この弓は素直に憧れた。弦を引っ張ってみてもびくともしない。それほど腕力がいるだろうし、その分威力も出るのだろう。俺には絶対に引けないと思いつつもこの弓で数多の魔物を倒す自分を想像してしまった。


「ありがとうございます」


美人エルフが少し恥ずかしそうに反応すると、俺の想像はすぐに立ち消えて、恥ずかしさが込み上げてきた。

自分もまだまだ冒険をしたいお年頃なんだと、そう自覚してしまったからだ。


いやいや、冒険者だった頃ですら、そんな自分を想像したことないぞ。それに俺は短剣使いだったし、弓など使えるはずもない。


俺が必死に内なる自分の少年心を抑えていると、美人エルフが自嘲気味に呟いた。


「ですが、少し笑えてしまいますよね、エルフが武器作りなど」


「どうしてですか?」


俺がそう答えると美人エルフは少し狼狽しながら、戸惑ったような表情を見せた。


「どうしても何も、武器作りと言ったらドワーフの方が有名ですし、実際彼らの作る武器はどれもこれもが最高級のもので、お店側の私が言うのもなんですが、我々の武器はどうやったとしても彼らを超えられないのです。元々エルフは世界樹の守護者。適性は森や自然と調和するものに偏っていて、生来より風魔法の才に富んでいるためか、ドワーフのように火魔法を使った鍛治には向いていません」


彼女は自分の感情を吐露するかのようにそう語った。けれど、俺はそれに疑問を呈したいところだった。この圧倒的な弓を前にして、何故そのようなことを言えるのか。ドワーフの武器を見た訳ではないが、少なくともこの弓が間違いなく最高傑作の部類であることは確かであるし、なによりこれを作ったであろうエルフに尊敬の念すら抱いていた俺としてはこの美人エルフの言い分を素直に受け止めることはできなかった。


「そうでしょうか?」


「そうなんです」


「俺は素人なので、武器の良し悪しを見極めることはできません。ですが、この弓がとても魅力的で、今まで見てきたどんな武器よりも鍛え抜かれていることだけは言い切れますよ。それに、鑑定で確認したのですが、持ち手の部分には世界樹の枯葉が使用されていますよね。世界樹というのはどの種族にとっても神聖視されているもので、例え枯葉であろうとも入手は困難なはず。しかし、世界樹の守護者としてその恩恵を受けることができるエルフなら入手できるでしょう。むしろ、エルフでなければそう簡単には手に入らない。」


俺は大きな弓をゆっくりと動かして細部を観察しながら美人エルフに向かって続けた。



「つまり、この弓はエルフの強みを生かした、エルフでしか作れない最高傑作だということです。エルフはエルフ、ドワーフはドワーフでしょう?鍛治が得意なエルフもいれば風魔法が苦手なエルフもいる。逆に火魔法や鍛治が苦手なドワーフがいるかもしれない。種族が違うからって優劣を決めつけるのは、なんだかもったいなくないですか?」


「もったいない、ですか」


「えぇ、だってこんなにすごい弓を作れるエルフが、種族が違うってだけでドワーフを超えられないなんて道理、ないでしょうから。どうやっても超えられないと思うより、才能を磨いていつか超えてやるって思った方が、楽しそうですしね」


そう言うと、美人エルフはぽかんと口を空けて若干頬を赤く染めながら、こちらを見てきた。


「あ、あなたは変わってらっしゃいますね」


「よく言われますよ。こっちとしては遺憾の念を感じざるを得ませんがね」


「エルフがドワーフ以上の武器を作るなんて言う人、あなた以外いませんよ」


「つまり俺以外の人の目は節穴ってことですね」


「ほんとに、おかしな人です」


「まぁ、変わっている心当たりは無きにしもあらずと言うか、ゴブリンのせいというか」


「ゴブリン?」


「いえ、なんでもないです。気にしないで下さい」


何だか変人扱いされる羽目になったのでつい口が滑ってしまった。


「そんな言い方をされても気になります」


「まぁ、いいじゃないですか」


「えぇー」


あれも割と黒歴史なので人には話したくない。なんだったんだろうね。深夜テンションならぬ迷宮テンションみたいなものに惑わされていたようだ。ゴブリンと肩を組むとか正気じゃなかった。


たが、美人エルフによる追求の目が止むことはなく、俺は必死にそれを躱していく。



「ご主人様、その弓を買われるのですか?」


丁度セフィリアが出てきて、ナイスタイミングで声をかけてきた。


「残念ながらそれはできないんだよな。値札見てみ」


「・・・白金貨200枚、ですか」


セフィは特に驚いた様子もなく、説明欄に目を通していた。おいおい、白金貨に驚かないって感覚おかしいんじゃねぇの。


「そちらの方を持ってみますか?」


「よろしいので?見ての通り私は奴隷ですが」


「もちろん構いませんよ、あ、受付の人には内緒ですよ?」



内緒だったのか。なんだか軽い犯罪をしている気分になってきたので、いそいそとゆみを渡した。


「これは、いい弓ですね」


「だよな」


「えぇ、曲線が滑らかで持ちやすい上に軽くて丈夫です。見たところクラウスの木を材質にしているようですが、加工技術のおかげで更に何倍も効果が上がっています。それに世界樹の加護がついていますね。使い手によれば、たった一つの矢で大規模魔法に匹敵するほどの威力も出せるでしょう」


「分かるもんなのか」


「分かるものなのです」


セフィは軽く弦に触れながら実用的な感想を述べていた。俺なんてかっこいいとか月並みな表現しかしてないぞ。


「ありがとうございます。きっと製作者も喜ぶでしょう」


美人エルフがペコリと礼をしてから、セフィから弓を受けとった。同じエルフなせいか、セフィと美人エルフが姉妹のように見える。セフィは切れ長の目をした美人系でお姉さんに見えるし、美人エルフの方は垂れ目をしていておっとりとした雰囲気なので妹に見える。どちらも圧倒的に美少女なので並んでみると別次元の存在のようだった。


「では、そろそろ行きますね」


「えぇ、またのご来店をお待ちしております」


美人エルフに見送られながら店を出る際に、金がなかったので何も買っていないと言うセフィの報告を受けて、とんだ冷やかしをしてしまったと頭を抱えた。



早く金銭を手に入れなければ。そう思いながら大迷宮の受付に向かうのだった。


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