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1.雨

なんとなくの投稿です。お気軽に見てもらえると幸いです。

偶々いつもより早く家を出て、いつもと違う通学路を使ってみたら。




道路の真ん中に子供が倒れてて。



いつもは車通りが少ないはずが、その日は雨のせいでいつもより多かったようで。



もしかしなくてもやばいと思ってたら

トラックが子供に迫ってた。



俺は傘と荷物を捨ててすぐに走り出した。





火事場の馬鹿力か、子供を放り出す事は出来た。

ガードレールがなかったのは幸いで、子供は脇道に飛ばされていた。多少怪我はしても命には変えられない。

そしてこのとき咄嗟に動けたことを、俺は生涯忘れない。




が、運動神経のない俺の肉体はトラックを避けきれずに、どーん、とあっさり跳ね飛ばされた。





何メートルか吹っ飛んで、地面に転がって、体が動かなくなった。









そうして俺の人生は終わった。


冷たい、雨の日の事だった。









「お目覚めですね、雪さん。」


「へ?」


意識が、覚醒した。

何故?俺は死んだはず。他でもない自分のことだからわかる。あれで助かるほど人間の体は強くない。




だが、確かに意識があって目の前には人がいる。


「ここはどこですか?」


「ここは無の世界、私が作り出した生も死もない世界です。」



無の世界か。言葉通りだな。

今俺がいる空間はどこまでも真っ白いだけで何も無い。


「ところで、あなたは?」


「申し遅れました。天使です!」



にっこり笑う天使?様は、見たことないくらい綺麗な金髪の少女だった。

幼げな顔立ちで、庇護欲を掻き立てる。



「天使・・・様ですか。」



天使、神の使い。そもそも神がいたことにも驚きだが、俺が呼び出される理由が分からない。



「何神の使いなのでしょうか?」


「シスト神です。死と愛を司るお方で、現在はとある事情で長い眠りにつかれています。」



シスト神、聞いたことがない。

日本の神じゃないとは思うけど。




「それで、天使様が何か用でしょうか。」


「えっ?」


「えっ?」



天使は急に顔を引きつらせた。

え?何か変なこと言った?



「あの、その、テンプレ?ですよね。

最近の人は異世界転生とかに造詣が深く、説明はいらないと聞くのですが。」


「異世界転生?あまり聞かないですね。」





異世界に転生する?よく分からない、というより意味が分からん。

そもそもテンプレ?も分からない。


なんでか天使はこちらの世界を誤解しているようだ。



「アニメとか、ゲーム、ラノベという娯楽の題材になっているそうですが・・・・ご存じない。」


「申し訳ないですが、俺はそういう娯楽には興味がないんです。」


「成る程。人の趣味は万人共通ではないですよね。」


「そうですね。」




天使は一度肩を落とし、顔を上げて頷いてから辿々しく説明を始めた。



「ええっと、雪さんは自分のいた世界で善行を為されたので、人間に生まれ変わる権利と、さらに来世に対するわずかな配慮が得られます。」




善行、子どもの命を助けたのが、そう見なされたのか。


「配慮とは?」


「わ、私の主のシスト神と他4柱の神が治める世界に生まれ直す権利を差し上げます。」



天使はフンス、と言った感じでどや顔をした。

可愛いけど、残念な感じが否めない。



「それは、なんの得があるので?」


何故によく分からん世界に転生するんだ?

住み慣れた地球に転生した方が楽だろ。



「そう、ですよね、そんな冷たい反応が普通なのかもしれません。」



今度はさっきより深く肩を落とし、ジトーっとした目をしてきた。



「魔法が使えます。特にエルフは絶世の美男美女ばかりで、強大な魔力を持ちます。」




魔法、か。

成る程それは面白い。アニメは見ないけど、映画は好きな俺からすると杖でドンパチかますのは夢だな。

エルフ、も名前は聞いたことがある。


「あとは?」


「あ、あとはえ〜と、チ、チートが使えます!」


「チート?不正ということですか?天使様が自信満々に仰ることではないような気がしますが。」



「違います!強い能力で周りをあっと言わせることができます!」


「それは良い事なんですか?貰った力で悦に浸るのは抵抗がありますけれど」



うん?何がしたいのか、この天使。




「あぁもう、つまり、雪さんは亡くなりましたが、人間のまま違う世界に生き返るか、同じ世界で記憶をリセットして生まれ直すか選べるって事です!どちらとも平均より生きやすい世界になれます!」



成る程、早く言えばいいのに。

この天使、見た目は隔絶しても頭はもう少しのようだ。



「違う世界なら記憶を引き継げると?」


「はい。さらに生まれ直しか、ある程度成長した肉体に蘇るか選べます。ただし、容姿はそこまで変わりません。」



もっと世界を満喫できるのか。だったら、そっちを試してもいいかもしれない。



「じゃあ、肉体が成長してある異世界転生で。」


「了解しました!」



天使はそれはもう嬉しそうに微笑んで、手をかざしてきた。


「では、お好きなスキルを三つ選んでください。」



そう言うと、目の前に物凄い数の文字の羅列が並んだ。

液晶が宙に浮かんでる感じ。けど、触った感触はある。


なんだこれ、近代的すぎる。


「スキルとは?」


「・・・技能を予め与えます。例えば炎魔法のスキルがあれば練習なしで炎が放てます。」


「練習すれば放てるのですか?」


「はい、ただスキルを持っている人にはどうしても届かないと思います。神様が与えるものですので。」




だったら慎重に選ぼう。ドンパチも楽しみだけど生活に困っては世話がない。




俺はひたすら液晶画面をスクロールして、天使に聞きながらもスキルを選んでいった。



「そういえば、善行を積むと、毎回こんな感じになるんですか?」


「いえ、今回はとある事情がありまして。

詳しくは申し上げられないのですが、全ての人がこの場に来ることはありません。」




事情、か。そもそも子供があの場にいたのも疑問だ。家出か、事件か、迷子か。雨の中で一人で居るような年ではなかったようだけど。



「この、薄暗くなっているのはなんですか?」


「戦闘系のものです。以前、転生者に戦闘スキルを与えたら、シスト神に剣を向けまして。かなりの激闘の末シスト神が勝利したのですが、それ以降は戦闘スキルは無しになりました。」





ドンパチはできないのか。

まぁ、しょうがない。地球にないものを見ていくのも楽しいだろう。



俺は何時間もかけて、スキルを選んでいった。





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