【聖なる夜に、導かれて】 [前編]
あらすじと同内容です!
よろしくお願いします!
声劇台本【聖なる夜に、導かれて】
[登場人物]
【本城圭吾】:18歳。明るく真面目だが、残念なイケメン。ほぼツッコミ。黒髪、普段は本を読むのが趣味。部活動:演劇部
【柊彩華】:17歳。圭吾の後輩で、現実主義。圭吾が好き。ポニーテール。部活動:演劇部
【神埼陽平】:18歳。圭吾の同級生。成績が悪く、不良気味。だが頼れる奴。茶髪で見た目不良だが、温厚な方で相手を気使うことが出来る。部活動:サッカー部
【香坂美月】:16歳。高校デビューしたばっかり。人見知りで、物静か。仲の良い相手には話せるが、初対面だと緊張してキョドッてしまう。部活動:演劇部(仮)?
【葛城澪】:16歳。美月と同級生。相談役。男嫌い。パパっ子で、手癖で髪の毛の毛先を弄る癖がある。部活動:演劇部
【先生①】
[配役]
圭吾♂:
彩華♀:
陽平♂:
美月♀:
澪♀:
※先生①は、兼役でも大丈夫です。
――――――――――――――――――――
SE:キーンコーンカーンコーン
圭吾「ああー、疲れたぁ(汗)」
陽平「圭吾ー、お疲れさん」
圭吾「……おーう。」
陽平「どうした圭吾ー?今日は、いつもよりだらけてるじゃないか(笑)」
圭吾「今日はこれから部活なんだよ。授業で力入れたから、肩凝っちゃってさ」
陽平「おお、相変わらず真面目だなぁお前は。肩揉んでやろうか?圭吾じいや」
圭吾「――誰がじいやだ!!」
陽平「お前だよ(笑)たまには部活なんてサボって、息抜きしろよ」
圭吾「陽平に言われると、ちょっとむかつく。俺はお前と違って、サボったりしないよ。あと少しで卒業だしね」
陽平「卒業かー。卒業した後に、俺ら……何してるんだろうな。全く想像できねぇな。」
圭吾「陽平は想像できないなー。まぁそれは俺も一緒だけど。少なくとも、俺はまともにしてるとは思うけど。でも確かに、想像できないかなぁやっぱり」
陽平「あ、そうだ。ちょうどクリスマス近いし、彼女でも作ったらどうだ?」
圭吾「彼女って……。そんな簡単に作れるのか?てかそもそも、作れって言われて作るもんじゃないでしょ彼女って」
陽平「真面目だなぁ、お前」
圭吾「悪かったね。じゃあそろそろ部活にでも、行こうかな。」
陽平「おう」
圭吾M「彼女なんて出来るわけないだろ?恋愛した事はないし、第一に好きな子とかいないっつうの」
(廊下を歩く圭吾に、近づいてくる足音)
彩華「……どいて!どいてくださーい!(汗)」
圭吾「え?――どわぁ!?」
(間を置く)
圭吾「……痛てて(汗)」
彩華「ごめんなさい!大丈夫ですか?」
圭吾「……ああ、うん。大丈夫だけど、廊下を走ったら危ないぞ?」
彩華「ご、ごめんなさい。……って、何で他人行儀にするんですか、圭吾先輩!」
圭吾「いや、ただの他人でしょ?」
彩華「ひどいなぁ、先輩は。私とは、仲良くしてくれないんですか?」
圭吾「誰もそんな事言ってないだろ?っていうか、えっと、柊……」
彩華「(遮るように)そう!そこですよ!先輩!何で私の事、名前で呼んでくれないんですか!?」
圭吾「いや、呼ぶ理由ないじゃん!……てかいいじゃん、苗字で!」
圭吾M「……恥ずかしくて、名前で呼べるわけないだろ!……」
彩華「だって先輩、同じクラスの人は名前で呼ぶじゃないですか。それと同じように私の事も、名前で呼んでくれたって良いじゃないですか!」
圭吾「……いや、だから(汗)……ああ、もう!わかったよ!彩華、これでいいか?」
彩華「…………」
圭吾「おい、何で黙るんだよ?なんか言えってば(汗)」
彩華「な、なんでもないですヨー?」
圭吾「あー、はいはい。これから部活なんだから、行くぞ」
彩華「あ、待ってくださいよ!圭吾先輩!」
彩華M「何でも無い訳、ないじゃないですか。本当は、恥ずかしいですよ。でも本当は……」
(部活が終わり、夕暮れの帰り道。その帰路を歩く、陽平と圭吾と彩華)
陽平「いやぁ~~!今日も結構動いたわぁ!」
圭吾「部活動だけは、お前しっかり行ってるよな」
陽平「あったりまえじゃん!サッカーだぜ?サッカー!」
彩華「え?神埼先輩、サッカー部なんですか?」
陽平「……あ、そうだけど。意外かな?」
彩華「いえいえ、全然。むしろぴったりですよ!ねぇ、圭吾先輩♪」
圭吾「何で俺に振るんだよ。まぁこいつは確かに似合ってるよ、スポーツ馬鹿だからな」
陽平「褒められてる気がしねぇのは、何でだ」
圭吾「気のせいだよ」
陽平「あっはっは~……嘘だな?」
圭吾「……ちっ、バレたか」
彩華「まぁまぁ。圭吾先輩も、ちょっと馬鹿入ってるじゃないですか?」
圭吾「何でだよ!」
陽平「……えっとさ?一つ気になったんだけど、良いかな?圭吾先生」
圭吾「誰が先生だよ!……で、何だよ?」
陽平「……ん?」
圭吾「何だ?その小指は?」
陽平「お前の、彼女?」
圭吾「は?んなわけねーだろ」
彩華M「何を話してるんだろ?肩組んで。いいなぁ、仲良しで」
圭吾「ただの後輩だよ。同じ中学だった、かな。それぐらいだよ」
陽平「ほー?ホントかよ、つまんねぇなぁ」
圭吾「別にお前を楽しませる為に、あいつがいる訳じゃないだろ?」
陽平「そりゃあそうだけど……」
陽平M「圭吾の奴……。全然彼女作る気配ねぇなぁ。仕方ない」
陽平「――ねぇ、君に質問いいかな?」
彩華「――え?あ、はい!な、何ですか?」
圭吾M「こいつ何を聞く気だ?」
陽平「えっと、まず名前は?何で俺のこと知ってるの?」
彩華「名前ですか?『あやか』です。彩華。何で先輩の事知ってるかっていうのは、圭吾先輩の周りの事は多少詳しいですよ?」
陽平「へぇ~、そうなのか!女子の情報網すげぇな!」
圭吾M「いや、女子の情報網じゃないからそれ!絶対俺の何か調べてるから!やべーよ!諜報員?いや、ストーカーみたいな恐怖があるよ!」
彩華「そうですかー?ありがとうございます!でも、そんなに凄い事はしてませんよ?私は、気になった事は最後まで調べる質なので」
陽平「勉強熱心って事かぁ!真面目だなぁ、圭吾と同じかよー」
圭吾M「違うからぁ!絶対勉強とは違う事身に付けてるから!何か別の事学んじゃってるから!」
圭吾「……はぁ、その辺にしとけよお前」
陽平「えー、なんでだよー。気になるじゃないかぁ!」
圭吾「ようへーいくーん?(怒)ちょっとこっちおいでー?」
陽平「おいおいおい、笑顔が怖いよー(汗)圭吾先生?」
圭吾「怒ってないよー?ただちょっと殴るだけだからさー?」
陽平「待って?落ちつこ?な、な?」
圭吾「大丈夫だよー?痛いのは、最初だけだ」
(走って逃げる陽平とそれを追いかける圭吾。その様子を笑ってみる彩華)
彩華「あーあ、あれが一つ上の先輩なんだもんなぁ。まるで小学生みたい。ふふ♪」
彩華M「確かに圭吾先輩の周りの事、結構知ってますけど……。」
彩華M「私だって、知らない事ありますよ?それはですね、圭吾先輩……」
彩華「……あなたは誰が好きですか?(呟くように)」
(次の日。朝の登校時間で、走る陽平)
陽平「はぁ、はぁ!やばい、まじでやばい!これは遅刻ギリギリだぁ(汗)」
美月「……~♪」
澪「美月ぃー?本読みながら歩くと危ないよー?」
美月「大丈夫。多分こんな遅刻ギリギリなの、私と澪ちゃんぐらいだから」
澪「いやいや、そういう問題じゃなくて」
美月「大丈夫だってばぁ……――って」
陽平「おわ!?」
美月「――きゃ!」
陽平「……おっとっと。大丈夫?怪我とかない?」
美月「あ、は、はい。だいじょうぶ、です」
澪「ちょっとアンタ!急に飛び出したら、危ないじゃない!」
陽平「ごめんって(汗)遅刻ギリギリで、急いでたから。って君たちも同じ学校じゃないか」
澪「そうだけど、アンタには関係ないでしょ?早くどっか行っちゃえ、しっしっ!」
陽平「まぁ、急ぐからすぐ離れるよ。君もごめんね?怪我とかなさそう、だな。」
美月「は、はい」
陽平「そっか、ならよかった。本当ごめんな?じゃあな!」
澪「……全く。大丈夫だった?美月」
美月「……う、うん(コクコク)」
澪「……美月?」
美月「あ、え、うん。何かな?」
澪「何かな?って。ボーっとしてるとまた電柱に頭ぶつけるよ?どうしたの?」
美月「ううん。なんでもないよ」
澪「……そっか。じゃあ行こう?」
美月「うん」
美月M「初めて男の人に触れられた。他の男の人は怖いのに、さっきの人だけは怖くなかった。」
美月M「……なんでだろう?こんな事、男嫌いの澪ちゃんには、言えないな。えへへ」
SE:キーンコーンカーンコーン
SE:ガヤガヤ
(午前中の授業が終わり、お昼休み。廊下を歩く陽平)
陽平「あー、腹減ったぁ」
陽平M「少し出遅れたなぁ、この時間学食とか購買も込むんだよなぁ」
陽平「はぁ……ん?」
美月「……ん、あ(おろおろ)」
陽平「どうしたんだ?あれ。おーい、大丈夫か?」
美月「!?……あ、はい。あ、朝の」
陽平「あ、朝振りか(笑)何してんだ?早くしないと売り切れちまうぜ?」
美月「人が……たくさんで、入れない」
陽平「ん?もしかして、人が苦手か?仕方ねぇな、ちょっと待ってろ?」
美月「え?あ、ちょっと」
(間を置く)
陽平「……よいしょっと。はいよ、パンとジュース。甘いものは好きか?」
美月「あ、ありがとうございます。」
陽平「これぐらいどうって事ないよ。適当に選んじまったけど、それでいいか?」
美月「はい、大丈夫です。あのお金を」
陽平「ああ、良いよ。気にすんな。困ったら、何でも言え(笑)」
美月「は、はい」
陽平「そうだ、俺。三年の神埼陽平っていうんだ。良かったら、君の名前教えてくれないかな?」
美月「あ、えっと。み、みつきです。香坂美月、です。」
美月M「あれ?何で私、名前を。しかも何で、下向いてるんだろ」
陽平「どうした?」
美月「――ひゃ!?」
陽平「おお、大丈夫か?顔赤いぞ?風邪か?保健室行くか?」
美月「あ、あのあの、大丈夫ですので……お気になさらず……」
澪「――な~にしてんじゃあああごらぁあぁあぁあぁ!!!!」
陽平「ごぶっ!?」
澪「アタシの美月に近寄らないでくれるかな?この変態!」
美月「あ~、澪ちゃ~ん、その人恩人だからぁ(汗)私の恩人だから(汗)」
澪「美月、大丈夫だった!?ドコか触られてない?……ん、美月顔真っ赤。さては何か言われたか、酷い事された?」
陽平「……いてて。」
美月「み、澪ちゃん、あのね?その人は」
澪「(遮るように)ちょっとアンタ!アタシの美月をよくも傷物にしてくれたわね!」
陽平「いやいやしてないから!逆に違う意味で、俺が傷物にされてるから(汗)」
澪「男は皆オオカミだって、パパが言ってたから!アタシの大好きな美月には近づけさせない!この変態!」
澪「行くよ、美月」
美月「あ、あ、え?澪ちゃ~ん(泣)」
陽平「……」
陽平「……何だったんだ今のは……」
(購買を出て、中庭を歩く美月と澪)
(その中庭で、昼食を取っている彩華と本を読む圭吾)
彩華「圭吾先輩!はい、あ~ん♪」
圭吾「まじでやめてくれ。」
澪「美月。駄目だよ~?男と絡んじゃ」
美月「あの人は、いい人だよ?澪ちゃん」
澪「ほんと~。男なんて下心丸出しなんだから、美月なんて食べられちゃうよ?」
美月「食べられる?」
澪「詮索しないで!美月はわからなくていいの!」
美月「ん?」
美月M「なんだろう?食べられるって……」
彩華「だーかーら!あ~んってば!」
圭吾「まじでやめてくれって!勘弁してくれ(汗)」
彩華「何でですか?さっきいい声で『何でもしてやる』って言ったじゃないですか?」
圭吾「言ってねぇ!」
彩華「またまたそんな事言って~……あ!澪ちゃんだぁ!やっほー♪」
圭吾「無視!?」
澪「あ、彩華先輩、やっほーです♪また男と絡んでるんですか?」
彩華「またって言わないでくれる?圭吾先輩は、特別!」
圭吾「……別に特別でもなんでもねぇって(ボソッ)」
彩華「良いじゃないですかぁ!もー、圭吾先輩照れちゃって♪」
圭吾「照れてないから(汗)マジで困惑してるから(汗)」
SE:キーンコーンカーンコーン
美月「あ、予鈴だよ、澪ちゃん」
澪「急がなきゃ!次数学だぁ(汗)」
圭吾「急げよー、お前らー」
彩華「早くしないと遅刻しちゃうよー?」
圭吾「お前も早く自分のクラスに戻れ!いつまで腕にくっついてるつもりだ!」
彩華「いやん////」
(ドタバタと急ぎ、ギリギリ間に合った?一年生コンビ)
澪「はぁ、はぁ、セーフ」
先生①「……」
美月「えっと、み、澪ちゃん?」
澪「なに?いやー良かったね!間に合って♪」
美月「澪ちゃーん(汗)後ろー」
先生①「ほう?何に間に合ったんだぁ?葛城ぃ~?」
澪「……うわ、もういたんですね~(汗)……(少し引く感じに)」
先生①「授業が終わるまで、廊下でも立ってろ」
澪「……はい」
先生①「お前もな?香坂」
美月「……はい」
美月M「その後私達は、廊下に立たされながら……一緒に笑ってしまいました」
澪「まぁいっか♪」
美月「うん。えへへ」
(そして、放課後。陽平が早く部活が終わり、初めて部室へ来た。)
(片づけ中に陽平が圭吾の肩へ)
陽平「あぁ~、今日も疲れたなぁ兄弟!」
圭吾「誰が兄弟だよ」
彩華「先輩たち、ホント仲良いですよね」
陽平「マブダチだからな!」
圭吾「ただの腐れ縁だろ。まぁ仲は悪くねぇな」
彩華「いいですねぇ、そういうの。私もそういう人欲しいでーす」
澪「彩華先輩には、アタシ達がいると思いますけど?」
陽平「…あれ?…君は」
美月「……あ、朝の」
澪「アンタ、何でここにいるのよ!」
圭吾「何だ?お前ら知り合いか?」
陽平「んー、知り合いっつうか、なんつうか……朝ちょっとな」
圭吾「お前、後輩になんかしたのか?」
陽平「……何もしてねぇよ(汗)」
澪「いや!しましたよね?美月の体触って……」
圭吾「おい~、まじかぁ?陽平。それは流石に……」
陽平「ちょっと待ってくれ!?俺の弁解の時間は?後、あれだから!体は体でも身体だから……って字にしねぇと伝わらねぇよ!ちくしょ!」
圭吾「なに自分でツッコミしてんだよ」
彩華「神埼先輩。そういう人だったんですね、ちょっと残念です」
美月「あ、えっと、えっと……」
澪「最低ですよ。ねー、彩華先輩♪」
陽平「俺の話を聞いてくれない!?何?この得体の知れない団結力!?部活の試合以上だよ!?」
圭吾「陽平?」
陽平「何だね、圭吾クン」
圭吾「ちょっとうるさい」
陽平「……はい」
美月「……くすくす」
澪「美月?」
彩華「お~、美月ちゃんが笑った♪グッジョブ、先輩」
陽平「何か褒められてる気がしねぇなぁ」
圭吾「良いんじゃね?こっちの方が、『何て話したらいい?』とか考えなくてもいいだろうしな」
陽平「……はぁ、だな(頷くように)」
陽平M「へぇ~。そうやって、笑うんだな。この子は」
圭吾「んじゃ、帰るか。下校時間、過ぎてるしな」
彩華「もう帰るんですか?少し寄り道ぐらいしましょうよー」
澪「彩華先輩となら、どこまでも行きますよ!ね、美月」
美月「うん!今日塾が無いから、何処か行きたいです」
圭吾「何処か、か。うーん」
陽平「うーん、俺はゲーセンしか行かないしな」
圭吾「じゃあ、ゲーセンにするか」
陽平「え?」
圭吾「何でそんな目で見るんだよ。俺だってゲーセンぐらい行くよ」
彩華「いや、なんか意外というか……」
陽平「珍しいなぁって思って(笑)なんかあったのか?」
圭吾「何もねぇよ!?何でそんな心配されなきゃいけないんだ!?」
澪「本城先輩は、あんまり行かないと思ってました」
陽平「俺は良く行くよ?」
澪「アンタには聞いてない」
美月「み、澪ちゃん。一応、その人、先輩だよ?」
澪「え?嘘!?」
美月「嘘じゃないよ(汗)ネクタイの色が違うでしょ?」
澪「あ、ホントだ。……あー、えっと……」
陽平「別に気にしなくていいぜ?敬語とか苦手だしな、そのままでいいよ」
澪「あ、う、うん」
圭吾「こいつに敬語を使うのは、自分のレベルが下がるからな。やめといたほうがいいぞ?」
陽平「酷くね?!俺、一応先輩だよね?」
彩華「神埼先輩は、脳筋ですからね。圭吾先輩と違って、お馬鹿ですから」
陽平「圭吾と比べるなよ!」
圭吾「偏差値チェックだな。はい、順番に(美月から促す)」
美月「え、えっと……63です」
澪「え、美月頭いいなぁ。アタシは、58です(汗)」
彩華「私、72でーす♪いぇいぇい」
圭吾「んで、だ。俺は75な。はい、陽平ね、最後」
陽平「……40(ボソ)」
圭吾「え?何だって?」
陽平「俺の偏差値は40だよ!!(泣)悪かったな!馬鹿で!」
(間を置く)
圭吾「久しぶりにゲーセンに来たんだけど、何やろうかな」
陽平「俺と久々にやるか?じゃあ、レースゲームで良いか!」
圭吾「ああ。前やった峠を走るレースゲームか?」
陽平「そう、それ。暇つぶしには、ちょうどいいだろ?」
圭吾「そうするか。少し解散する事にしよう、その方が女子陣もいいだろう?。一通り遊んだら、また集合って事で」
彩華「了解です!(敬礼)」
澪「じゃあ女の子は、女の子同士で遊びましょ☆」
美月「私も彩華さんと話したいです!」
圭吾「んじゃ、また後で」
(男性陣と女性陣に分かれる)
彩華「また後で、ですかー」
澪「まぁまぁ、アタシ達と遊びましょ♪」
美月「あのあの、私から一ついいですか?」
彩華「なに?」
美月「先輩は、どうしてあの人が好きなんですか?」
彩華「え、それを聞くの?」
澪「あ、ちょっと気になりますね。どうして、男を好きに慣れるのかも気になりますし」
美月「それは……澪ちゃんだけな、気が(汗)」
彩華「う~ん……」
美月「あの人を何で好きなのかじゃなくて、どうして好きになったのかな?って思いまして」
澪「あ、美月の追求モードに入った(汗)彩華先輩、こうなるともう教えなきゃ美月は、諦めませんよ?」
彩華「何?その『モード』って?」
澪「まぁまぁ☆細かい事は気にしないで下さい。それより、美月が目を輝かせてるんで……その、お願いしてもいいですか?」
美月「……(わくわく)」
彩華「じゃあ私の片思いのお話をしましょうか。簡単に……まとめるね?」
澪「美月、良かったね」
美月「……(コクコク)」
(間を置く)
彩華「……ご、ごほん。あれは4月の入学式の日。いつもの通学路が、桜の花びらが舞う季節の時。私はあの人に出会いました。(何かを朗読するように)」
澪M「あ、語りみたいになってる」
彩華「私が寝坊して、校門が閉まって『ああ、どうしよう』って思ったあの日。私はあの人に恋をしました」
澪「どうして、恋をしたんですか?」
美月「澪ちゃん。しー、だよ。しー」
澪「あ、うん」
彩華「あの人も遅刻したみたいで、焦ってたのにも関わらず……私に、声を掛けてくれたの。『もう少し頑張れば、ギリギリ間に合うから』ってあの人は手を伸ばしてくれたの。その時の私には、手を引っ張ってくれるあの人の手が暖かくて、背中が大きくて……」
澪「それで、恋に落ちたのですか?」
彩華「……えへへ♪一目惚れって奴かな、簡単に言うと」
美月「…………」
彩華「澪ちゃんも、美月ちゃんも。そういう事があるかもしれないよ?人生何が起きるか分からないし、色んな事があるから。
もしかしたら、うっかり恋に落ちちゃうかもよ?(そう言いながら美月を見る)」
美月「……(照れながら目を逸らす)」
澪「アタシは無いと思いますよ?今はまだ何かしたいですし、男子なんて皆変態だし……」
彩華「確かに男の子はそうかもしれないけど。でもね、澪ちゃん?」
澪「はい」
彩華「きっとこの先、自分がどうしようも出来ない時があるかもしれない。そういう時に、誰かが助けてくれたら、きっと……男の人を好きになっているかもよ?」
澪「…………」
澪M「アタシが、恋、かぁ。出来るのかな?ちゃんと……」
美月「あ、あの、先輩?」
彩華「ん?何かな、美月ちゃん」
美月「先輩は、本城先輩をどれくらい好き、なんですか?」
彩華「ふふふ♪……それは秘密。私だって、恥ずかしいから」
美月「はう。なんかごめんなさい(汗)」
彩華「別に大丈夫だから、気にしないで?それに私、もうすぐ告白するつもりだから」
澪「……」
美月「……」
澪「え?今なんて言いました?」
彩華「告白するって言ったんだよ?」
美月「なんか、さらっと言ってましたね」
彩華「そうしないと、恥ずかしいし……それに」
澪「先輩?」
彩華「ううん。なんでもないよ!じゃあそろそろ先輩達の所に戻ろうか♪」
美月「……」
澪「はーい!あ、先輩」
彩華「ん?」
澪「頑張ってくださいね!アタシ、応援してます!」
彩華「あはは。ありがとう、澪ちゃん!」
彩華M「そりゃあ頑張るよ。私には、もう先輩しか見えていないから。」
彩華M「誰にも……取られたくないから」
(圭吾と陽平に合流する3人)
彩華「(遠くから来るように)せんぱぁぁあぁあぁあぁあぁい!」
圭吾「痛ってぇ!?思いっきりぶつかってくるなよ!」
彩華「違いますよー。ハグですよ、ハグ」
圭吾「ハグじゃねぇ!これはもう突撃だぁ!」
陽平「まぁまぁ兄弟。いいじゃねぇか(笑)」
圭吾「何がだ!」
陽平「顔真っ赤だぞ」
圭吾「ほっとけ!」
彩華「あれれ~、先輩照れてますー?」
圭吾「ああ~もう!引っ付くな!全員集まったな!そろそろ帰るぞ!」
(圭吾は皆より先に、ゲーセンから出て行く)
(それを全員が笑みを浮かべながら、後ろへと着いていく)
彩華M「いつか伝えますね。……先輩」
【聖なる夜に、導かれて】前編END
圭吾「次回予告ー。と言いたいけど、なんか作者疲れてるけど、大丈夫か?」
陽平「どうなんだろうな?出ていない奴もいるんじゃないか?」
彩華「いいんじゃないですかぁ?私は圭吾先輩がいればいいですので♪」
澪「よくそんな事、平気で言えますねぇ。男子相手に~」
美月「ま、まぁ、彩華先輩ですから(苦笑)」
彩華「なに~?それって褒めてる~?」
圭吾「おいおい!全然次回予告になってねぇぞ!大丈夫か?」
陽平「良いんじゃね?俺ららしくて」
圭吾「お前はいつも気楽だな。それじゃ次回の後編が出来るまで!」
陽平「楽しみにしてくれると、俺達は嬉しいぜ!」
彩華「作者さんには、もっと圭吾先輩と一緒に居させてもらえるようにお願いしなくちゃ!」
澪「あ、どこ行くんですか!?彩華せんぱーい!?」
美月「あ、え、えっと、待ってよ!澪ちゃぁぁぁん(汗)」
圭吾「もうグダグダだな。それじゃあ【聖なる夜に、導かれて】前編も終わりだ。また会える日を楽しみにしてるよ!」
陽平「まったな~!」
ありがとうございました!
続きは近々更新いたします!
ではでは、また会える機会まで!
お疲れ様でした!