第92話 上を探ってみてくれない
きっと5階の大広間的なところを駆け回る、そこは魔術が飛び交い斬撃音が多く聞こえている空間だった。
「ああもうさっさっと見つけてどこか安全なところでちっちゃくなってたい」
だがこの大広間は障害物が少なく、あったところでやりあってる方々が簡単に壊していくので意味がないから走り回る。
「………タナカ」
「メリベルって」
そのまま前回り受け身、倒れ込んだまま撃ちまくる。
「ちっ」
「なんなんだよっ誰だよ」
敵である日本人っぽい女性とメリベルが斬り合い始める、こちらを気にする余裕はなくなったようだ。
「タナカ大丈夫なの」
「なんとか」
イリアが駆け寄ってくるので立ち上がるのだが、彼女はボロボロであった。
「何があったんだよ」
「あの吸血鬼強くて」
そう言ってメリベルの方を見ると、メリベルが押されている。
「強いな」
「ええそれにどっちも一流な魔術剣士何て始めてみた」
多分剣も魔術も使えるのに、どちらも達人級って言うチート的なものをもらったのだろう、じゃなければガチで強いだけかもしれないが。
「それでタナカ魔王は」
「アルフがやりあってる」
「ほっといていいの」
「あいつがそう望んだなら仕方ないだろう」
そう言い合いはするのだが、メリベルが圧されているのだ、支援しなければやらない。そう思い銃を構えようとするのだが
「タナカは上を探ってみてくれない」
「上って何で」
「上ならこの現状を変えられるなにかがあるかもしれないし」
「わかった」
ならばと全速力で上を目指した。




