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第87話 皆殺しにしろっ

「上がらない」

 日が昇ってくる。

「まだ時間じゃないんじゃないか、それかまだ敵に遭遇してないか」

「いやわざとらしく大きく音をたてて動いているんだ、その音すら聞こえない」

「奇襲されたとか」

「その時にはその時用ののろしがある」

 マイヤーたちが本隊のいる方向を眺めているなか、自分達は装備をまとめ出す、と言うよりアルフが。

「アル君」

「いや行くんだ」

「アルフ落ち着いてくれよ、ひとりで突っ込んだところで意味ないだろう」

 装備を固めていつでも行ける体勢だ。

「ひとりで何人相手にするつもりだよ」

「………無理はダメ、いくならみんなで」

「そうそうメリベルの言うと、おいっ」

 いつのまにかメリベルも装備をまとめていた。

「タナカは行かないの」

「イリアまで」

「タナカさんは無理しないで」

 エレナが頷く。

「おいおいおい、行くのかよ、マイヤー達を置いて」

「そうだもう少し待ってくれ」

「待てるかよ、仇があそこにいるんだ」

 そう言ってアルフが魔王城を指さす。

「まだダメだ、数で押されるぞ」

「一矢報いてやれば」

「いやおごってくれるんだろ、ちょっと待てよ」

「だけど」

 アルフは落ち着かず、のろしも上がらず、時間だけが過ぎて行こうとしていた。だが。

「マイヤー様、ここは彼の言う通りかもしれません」

「我々には時間がないのです」

「っ」

 全身鎧たちもマイヤーを急かす。それを見ながら自分には真似できないと思う。彼一人の判断ですべてが決まるのだ、活かすも殺すも彼次第。そんな責任重大な事はしたくない。だが彼はそれをしなければならない。彼は目を閉じると、少しの間だけ考え何かを決めたかのように目を開き口も開く。

「行こう、時間がないんだ。それに最大の戦力はここにある、一気に敵魔王の首をとって蹴りをつけよう」

 その言葉と共に全身鎧が動き出す、それに続いてマイヤーと少し遅れて自分達がついていく。

 そして全身鎧が裏口の扉に突入態勢をとった地点で待機。

「マイヤー様」

「わかった、味方以外は皆殺しにしろっ」

 その言葉と共に、全身鎧のひとりが扉を蹴破り、それに続いて更にもうひとりが手榴弾を投げ込んで戦闘が始まった。

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