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第83話 で俺の派閥

『さてと』

『殴りあいにまで発展するとは』

『ははは、ごめんねタナカさん』

 2人のケンカは殴りあいにまでなり、ユキさんがマウントを取ってフルボッコ開始直前になったところでさすがに止めた。ちょっと悲しそうだったマイヤーは置いとくとして。

「でさ装備とかここでもらえるって聞いたんだけど」

「通常装備でいいんだよな、立てるか」

「立てそうにないなら肩貸すよ」

 足に力を込める。

「おっ」

 いつのまにか痛みが収まっている、足に力が入る。腕に力を込める、バランスをとりつつ体を持ち上げることで立ち上がることに成功する。

「おおっ」

 なんだか感動した、今までたてないほど弱っていたのだが、もうそれすら感じない。ただ体の中がいじくられるような感じがするのだが。

「ポーションの作用だな、自然治癒力が高まるだけだから臓器の穴とかを無理矢理塞いでるんだろう」

 想像したらなんだか嫌になるが気にしないことにする。気にしたら敗けだろう。そう思いながら拠点を歩く。やはりほぼ女性だ。

「働き手は他のところにとられたからな、仕方ない側面もある」

「それにうちみたいな新しい貴族よりも古い貴族の方が箔がつきやすいので、優秀なのはそちらにいっちゃいますしね」

「あんまり聞きたくないな貴族の事情はさ」

 陰謀とか正直かかわり合いたくないので、そういった話は聞きたくない。まあ今ガッツリと関わっているのでもう遅いかもしれないが。ついでに歩く道先々で敬礼されたりするのが重苦しくていやだし、本当に貴族は嫌なもんだと再認識する。

「新しい貴族古い貴族ってなに」

「前回の魔王討伐の時以前からあるのが旧貴族、最中もしくは以降にあるのが新貴族だな。旧貴族は5つほどしかなくてユーリもその1人だぞ」

「へぇ」

「けどまあユーリも魔王討伐に失敗したりして旧貴族の権限が落ちてきてるから、権力的にはトントンぐらいか」

 権力闘争もあるようだ。

「で俺の派閥」

「そこから先はいい」

 派閥問題とかかなりの厄介事だろう、暗殺者とかに狙われる生活はいやだ。そんなこんなであまりかかわり合いたくない世界の話を聞いているうちにたどり着いたのが。

「装備庫だな、でこれだ」

 たどり着き即座に渡されたのは。

「タクティカルアーマー」

 何の事はない、よく見る防弾チョッキにマガジンポーチなどをくくりつけた装備だ。アーマーと言っても鉄などではなく布製なのだが。

「よく知ってるな」

 この布は元の世界では弾丸を防いだりするのだが剣と魔法の世界で役に立つのだろうか。一応は受け取っておく。

「布製だが糸状にしたオリハルコン等の貴金属を縫い込み、更に独自の魔力吸収機構によって重さを軽減する魔術を本人の魔力関係なく作動するようにしたタナカ専用だ、ついでにカラーリングは都市迷彩」

 役に立とうが立たなかろうが、めちゃくちゃな品だろう。と言うかあったのかオリハルコン。しがない冒険者ではお目にかかれない品だ。と言うか専用ってなんなんだろうか。

「魔力吸収機構って」

「タナカさんでも魔法が使えるようになるってことです」

「と言っても魔力量は獣人以下だがな」

「それって最低」

「最低以下ってことだ」

 魔力量の違いとか今さら聞いたが、今はそんなこと気にするわけにはいかず。要するに自分でも魔術が使えるのだ。この異世界に来て初だ。なんだかテンションが上がる。

「どの程度の魔術が」

「えっと、はい」

 そうマイヤーにと渡されたのは魔術陣が刻まれた杖、それに触れると。

「えっ」

 杖の先からライター以下の火が。

「これだけだな」

 なんだか知らないが悲しくなってしまった。

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