第7話 ええ見つかったわ
やっとこさギルドへと戻ってくる、なんだかんだで時間がかかった。ギルドの中は相変わらず閑散としていた。
「あっ、タナカ時間かかったわね」
「貴族の方々につかまってて」
「貴族」
「マイヤーとか」
「そうなんだ」
「それで仕事見つかったの」
大事なのはそこだ、仕事がなければ動きようがない。と言うかお金がないからどんな仕事でもやるしかない。
「ええ見つかったわ、護衛の仕事で明日からよ」
「明日って早くない」
「急に商品を運ぶ必要があるらしくて、人数に問わず報酬は一定だけどちょうどいい仕事だと思うわ。今リズが依頼内容まとめてる」
「そっか、なら待とうか」
「えぇそうね」
と言うわけでギルド内で待つ。
「それでマイヤーとはどんな話してきたの」
「話って言われても大事なことは、後で酒でも飲みながら話すって話だし」
「………あとユーリもいた」
「ユーリ…あの私たちを無理やり雇おうとした」
「あぁあいつか」
思い出した、確か彼は勇者であったはずだ。魔王であったササキを倒すためにこの町から北にある魔王城に派遣されたが失敗していたはずだ。
「………もしあの2人の行くところが一緒なら魔王に関してかも」
「魔王に関して」
「兵の派兵どうするのかじゃないかしら、魔王が復活したわけだし」
「………うんそう」
「けどあの2人の立場ってどうなってんのマイヤーの方が年上だったけど、敬語使ってたみたいだし」
「………ユーリは大貴族」
「マイヤーは地方貴族だと思うわ、地位は大貴族の方が上ね」
「なるほどそれでか」
貴族にあまり関わりなく過ごしてきていたので、こういった話は助かる。
「けどマイヤー様は大貴族に格上げされるのも地価と言われてますよ」
ミーヤさんだ。
「ミーヤさん仕事は」
「後はあなた方しか人がいなくて、リズさんと雇い主の1対1での話なので引っ込んできました」
「なるほど、で格上げっていうのは」
「いえ知らないんですか、マイヤー様は新たに出現した大型モンスターを見事な指揮で倒したそうです、で今日にでも格上げされるんじゃないかっていうのが市民の噂なんですがしらなかったんですか」
よくわからないが格が上がるならいいことなのだろう。
「貴族には詳しくなくて」
「まぁそうですよね、冒険者はなかなか関わりませんし」
と言う話をしているうちに、奥の方からリズが出てくる。
「イリアある程度話まとめておきました、ってタナカさん」
「終わったから戻ってきたんだが、仕事はどんな感じ」
「仕事は5人で馬車2台の警備だそうです、依頼料は1日500G」
「安いわよ、もう少しどうにかならなかったの」
「いえ、食事、武器などは向こうが持ち、持ち込んだ武器も終わったら向こうでできる限り修理、もしくは終了を払ってくれるそうです」
「………なら適正、と言うか高い」
「そうね、逆に怪しい」
「怪しいとはわかっているんですけどね」
さらに小太りの男が来る。
「えっとあなたは」
「タナカさんこの人は」
「いえリズさん私から説明しますよ、私はファクラーあなたの雇い主ですよ」




