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第76話 それがお前のチート武器か

 ナイフが勝手に動く、こんな経験は初めてだし、そんなナイフの練習もしてないので経験からとかそんなわけがない。そもそも目でも耳でもマイヤーを追えてないのだ直感でとかそんなものではないはずだ。

「くそっなんだよ、このナイフ」

 だがそれでも、マイヤーと戦えているのだ利用するしかない。

「それがお前のチート武器か」

 そう聞かれても知らないとしか言いようがなく、チート武器があるならもう少し異世界での生活が楽になったと思う。いやそれでもなんかの事件に巻き込まれやすくなって辛いかもしれないが。まあそこまで変わるかわからないが。

「答えろっタナカ」

「ゼハァ」

 戦えるのはいいのだが、正直に言うと話す余裕はなく、息をするだけでも辛く、目の前も見えにくい。それでもナイフに引っ張られ体が動く。

「マイヤー様そろそろやめた方が」

「ここで引き下がれるか、こいつはここで休んでいるべきなんだ」

「タナカさんもうやめましょうよ」

「そうよタナカ、タナカが行っても正直役に立たないし」

「…………………………邪魔なの」

 それでも声だけは聞こえる、仲間の声を聞いただけである程度は気持ちはわかる、どれだけともに戦ってきたか、共に過ごしてきたか。

「だからタナカさんは」

 休んでいてほしい、それはわかる体の調子がよくないことも、さっき吐き出したことで血が足りていないような感じがするのも、それでも。

「アルフも仲間だ」

 アルフも仲間だ、それだけのためにここにいる、ここで倒れるわけにはいけないと自分を励ます。

「くそっ鑑定」

 マイヤーがまた叫ぶ。

「神殺しのナイフ、対神用のナイフ、自動制御型、そんなことはどうでもいい」

 マイヤーが何かをしている内に体を動かさずに少しでも体力を回復させる。

「神の力を持つものに自動で、そんなことより発動条件はなんだ」

 体力を回復させる為に動かずいるが動かない方が意識が飛びそうだ。

「持ち主が魔力を供給することで発動する、ちっ輸血の血で」

 ナイフを握っていることすら辛くなる。

「なら供給分の魔力を使いきらせれば」

 だからナイフを手離してしまう、しまったのだが。

「浮いてる」

「………動いてる」

「今のうちに」

 そんな声が聞こえる、聞こえるのだが。もう立っていられない、目の前は真っ暗だ。

「「「タナカっ」」」

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