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第71話 見えない

 刀とクレイモアが高速でぶつかり合う。

「倒れろっ、倒れろよ」

 そんな叫び声が聞こえるなか、金属がぶつかり合う音がする度に火花が飛び散り、すごい戦闘なのだろうが。

「速すぎて何がなんだか」

 こういう場面で仲間が助けに入ったりするべきなのだろうが、何かの達人でもなければチートもないので見てるだけだ。まあこの隙に銃の回収は成功したのでやっと戦闘に参加できるんだが、戦闘の次元が越えすぎてて、もはや。

「うわっ」

「おーいまだ生きてるか」

「生きてるよ、なんだよあれ」

 折れた刀の刺さった木の影に隠れながらうかがうのだが、一進一退の攻防が続いていた。

「と言うか刀折れすぎじゃないか」

「アイテムボックスに刀大量に詰め込んであるんだろうよ」

 そこら中に折れた刀が刺さっていて幻想的ではあるのだが、見ている方は命懸けだ。

「この隙に救出できないか」

「いやこの中突き進むのはちょっとな」

 リズ達を助けにいけないかと考えるが、さすがのマイヤーも刀が降り注ぐなかを進みたくはないらしい。

「と言うかタナカ、お前の仲間どこにいるかわかるのか」

「いやあそこ、っていない」

 戦闘が始まるときまでいた場所にはおらず焦るのだが。

「逃げてはないな、さすがに向こうも隠れてるみたいだ」

「そっか」

「だが奇襲するには突っ切らないといけないから救出は無理そうだな」

「勝たないとダメなのか」

 正式な手段で取り戻すにしても、無理矢理取り戻すにしても、結局チート持ちをどうにかしないといけないので勝たないといけないのだが、いやまて。

「マイヤー鑑定あるよな」

「あるが」

「スポッター頼めるか」

 スポッター、訳すとそうなるのか詳しいことは分からないがスナイパーに敵の位置を知らせる兵科だ。

「できるのか」

「アイアンサイトで狙える距離なら」

 S2を構え伏せる、バイポット、要は伏せ撃ちの際使う銃用の足、はないからかなりふらつく。

「まあ、やってみるか」

 そう言ってマイヤーは辺りを見渡し始める、鑑定してくれているのだろう。少し緊張する。金属音はまだ響き渡る。

「いた」

「どっち」

「11時」

 要は今向いている方を12時して時計を思い浮かべる、今回は11時左だ。

「詳しいな」

 普通に生活してればあまり使わない、ミリタリー系の趣味があるならかっこつけて使うくらいだ。

「かっこいいからな、使ってみたかった、んっ」

「なにっ」

 11時の方向に銃を向ける。

「タナカの仲間にちっちゃい子いたろ」

「エレナ、って忘れてた、がどうした」

「いやナイフ構えて隠れてる、ターゲットの近距離」

「はぁっ」

 何をやってるんだエレナは、もしかしたら抵抗する気なのか、さすがに子供に殺しはさせたくない。だからこのショットは当てないといけない。いけないのだが。

「見えない」

 木々が邪魔して見えない、さすが鑑定スキルと言う訳か、これでは当たりようがない。要は狙撃できない。

「なら」

 近付けばいいだけだ。そう思い、匍匐前進を開始した。

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