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第70話 出来るか

「余興言うなよっ」

「だが本当に余興だぞこれ勝てるわけねぇ」

「わかってるよそんなこと」

 クレイモアを避けながら絶叫し合う、命がけを通り越してもうなんかほぼ死んでいるのに生き永らえてる状態だ。

「であのバカは」

「まだ動いてねぇよ」

「これだからチート持ちは」

「そうだよな覚悟が足りねぇよ」

「ちょっと武器拾いたいんだが」

「時間稼げってか」

「出来るか」

「無理って言うわけにもいかねえか」

「10秒」

「くそっ妹のために」

 戦線を一時離脱。とっさに回避。

「ふざけんな、離脱できねぇよ」

「離脱しろよ」

「出来るか、標的が、うおっ」

 とっさに伏せる、真上を斬撃が通る。だが剣の振りが起こした風だけで吹き飛びそうになる。

「勝てるかっ、あんなのっ」

 一応構えているナイフではぶつかっただけで折れ曲がってし。

「くそっ」

 立ち上がりかけたときに更に追撃で咄嗟にナイフが前に来る。折れるまでの隙を作る、みたいなことが出来ればいいのだが絶望。

「なんだよそのナイフ」

「なんだ、と」

 的だと思ったのだが、受け止めてって。

「重いっくそっ」

「隙ありっ」

 マイヤーが後ろから奇襲、だがそれは簡単に避けられる。

「隙つくのに叫ぶやつがあるか」

「叫びてぇんだからしかたねえだろ」

 仕切り直しだ、だが不利なのは変わらない。そもそも攻撃を出す余裕がない。

「でユーリは」

「まだ死んでる」

「くそっ気付け薬とかねぇのかよ」

「それでやったところであいつ戦わねぇぞ」

「ああ、くそっ使えねぇ」

 状況は最悪、味方はなし、捕虜はあり。勝ち目はない。けど諦められない、理由は簡単、死にたくない。死にたくはないだけだ。互いに警戒し合う。

「俺は勇者だ」

「そんなことぶつぶつ呟いてないでどうにかしろよ」

「タナカ本音が漏れてるぞ」

「命懸けなんだよ、自分達は」

「勇者なんだ」

「し」

「勇者なんだよおおぉぉぉぉぉ」

 降り下ろされクレイモアと刀がぶつかり合う、火花が飛び散る。そして風が吹いた。

「チート持ちはやっ」

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