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第69話 さてさて余興の始まりですね

「マイヤー」

「ようタナカ久しぶりだな」

「いやなんでここに」

「その話は後だ」

「囲め殺してしまえ」

 マイヤーの方を借りて立ち上がる、それと同じように吹き飛ばしただけといっても普通に起き上がってくる。

「捕虜は1人だけ何てカッコいいこと言ったんだからなんとかなるんだよな」

『…………なぁここに来て重大なこと言っていいか』

 急に日本語になる。

『なんだよ』

『チートはチートでもほとんど内政系なんだが』

『おいっ』

 だがまだなんとかなる、内政系なら彼ご自慢の軍隊があるはずだ。これは銃をメインにした軍団であり少し前に龍退治の時に共闘、と言うより勝手に参加したのだが連携もとれ強かった。

『先行してきたからそうそう来ないぞ』

『おいっ』

『仕方ないだろ妹にいいとこ見せたかったから鑑定ガンガン使いながら突き進んできたんだよ』

『あほかよ、能力把握した上でそれってあほだろ』

 終わった気がする。

『ならさっきのブーストは』

『クールタイムがきつい』

『身代わりになってしまえ』

『それにこの空間キツい、なんだこれ』

『前魔王のチート持ち対策』

『なるほど、こんな環境下で戦闘したら雑魚でもキツいな』

 なんか相当すごい追い詰められている。

『けどなんとかなるかもな』

「ここかぁっ」

 そして飛び込んでくる刀を持った少年。

「ユーリ様」

「よしこれで」

 少年ユーリも貴族でかつチート持ちだ、彼には魔王戦の時にともに戦った、といってもこっちも勝手に参加だが。

「様付けはいいよ、でどうなってるの」

「吸血鬼に囲まれて、手札なし、人質あり」

「そうか、ってここ魔力的にきつくないか」

 これで3人揃ったのだが敵の数も増える。

「はははっチート持ちどもが3人、しかも処理しにくかった3人ではないですか」

「1人は違うとって聞いてはくれないか」

「ちょっと待て処理しにくかったってことは、処理しやすかったやつが」

「ええいますよ、例えばあなた方の真後ろに」

 その言葉と共に突き飛ばし合う。そこに大剣、クレイモアと呼ばれているような剣が降り下ろされる。

「なんだよおい」

「あいつ誰だよ」

「知るか、俺は単独転生だ」

「自分も単独転移だよ」

「僕だって知るか」

 降り下ろしたのは細身の日本人、筋肉がなさそうで持ち上げることも不可能そうなのが襲いかかってくる。多分チート持ちだ。

「ふふっ彼はハナワとか言う男で、って聞かせる必要はないですねそれではここであなた方には退場していただきましょうか」

「どうするだよ相手は同じ日本人だぞ」

「普通に殺せばよくないか」

「死ぬわけにはいかないしな」

「おい」

「と言うかチート持ちなんて人外相手にするなんて聞いてないよ」

「まあだが敵の手札を少しばかり知れたな」

「それはそっちの都合だろ、はぁ」

「おい、なんだよお前ら殺すことにためらいないのかよ」

 ユーリがそう聞いてくる。

「いやもう慣れたし」

 なのでそう答える、まあ慣れたくはなかったのだが仕方ない。

「妹のためならなんだって」

 マイヤーもそう答える、彼は妹をここの世界に呼ぶために戦争すら起こそうとした男だ、もうためらいはないのだろう。

「おかしいだろ、そんなの」

 ユーリが剣を下ろす。多分だが彼は殺したことがないのだろう。

「なら殺さず止めてくれよ」

「無理だ、ここの空間だと全力が出せないし、それにあいつ強い」

「どんくらいだよ」

「鑑定的にはレベル78だな」

「平均がわからん」

「平均だと5とかの世界だ」

「その評価でこちらの戦力は」

「ユーリ75で俺が69、しかもこっちは弱体化つきだ」

 戦力的に負けていた、と言うかこんな人外魔境にいたくないと言う本音は漏らせない。

「さてさて余興の始まりですね」

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