第64話 俺が魔王を仕留める
「………やっと追い付いた」
「タナカ遅い」
「これでも…………走ってきたんだが」
アルフ達が出発したのは朝早く、遅れた自分達が出発したのはその少しあとだがまだ日は上りきっていないので午前中だったのだが、追い付いたのは夜遅かった。
「で武器はどれだけ持ってこれた」
アルフが聞いてくるので思い返すがアサルトライフルがマガジン10本分で300発、ショットガンが通常が150発の爆裂弾が50発、結構金がかかるのだが。
「1、2戦が限度かな」
「それだけか」
「けどまあ単独戦闘ならだからアルフ達がいるならもっともつはず」
「それならいいんだが」
「そう言うアルフ達はどうなんだよ」
「俺は安もんだが剣持ってこれるだけ持ってきたぞ」
「それでどんだけ戦えるんだよ」
「1、2戦くらいか」
「おんなじじゃないか」
ついでにリズ達の装備も聞いていくがリズはナイフにサブマシンガン、イリアが杖をいくつか、エレナはナイフのみ、そして。
「メリベルそれ」
「………新調したみたい」
例のパイルバンカーなのだが前回と違い、鉄のような黒い金属を使用している。
「アマンダイト製なの」
「………うん」
「すごいな」
それはおいておくとして、全員が全員戦闘するとしたら1戦か2戦が限界のようだ。そもそも戦闘する予定はそんなになかったから仕方ない。
「つまり作戦としては」
「誰かが、いやタナカ達が他の吸血鬼を集めておいてくれ。俺が魔王を仕留める」
「それは構わないんだが、魔王のところまで行けるのか」
「それは私が案内する、頑張ろうねアル君」
「本当はマリねぇには安全なところにいてほしかったんだが」
「まあそれはいいとして集めるってどうやって」
「………それにエレナも来てるから無理できない」
「そこら辺は正面から襲ってみるとか」
「正面門を襲ってみれば大勢集まってくると思うんですが」
「多すぎても処理できないからなぁ」
「タナカさん」
「ひとまず戦闘方法の関係で自分とイリア、メリベルで奇襲かけて、リズとエレナで回り込んでくるやつらがいないか確認、その上でアルフ達に潜入してもらうしかないかも」




