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第62話 人を蚊に

ここ最近は忙しく隔日すらできていませんがそれでも頑張って書いていってます

これからも応援よろしくお願いします

「………みんなおかえり」

 洞窟に戻ると借金を返しに行っていたイリアと遭遇し、そのまま全員集合と言う運びになった。

「戻ってきたのね」

「アル君怖かったよぅ」

「何してたんだよ」

 アルフがリズさんに詰め寄る。

「ひぃっ、ちょっと血を抜いただけ」

「血、血なんてなんに使うんだよ」

「研究に必要なのよ」

「要らねぇだろそんな」

「はいアルフは黙ろうか」

 話が進みそうにないので止めてリズさんの話を聞くことにした。

「ふぅ、これだから学のないのにかかわり合いたくないのよ。それはいいとして吸血鬼に関しての研究結果ね」

 そう言って洞窟が暗くなる、と共に壁に絵が写し出される。

「何よこの絵は」

「プロジェクター、要は絵を壁に映す道具かな」

「チートで無理やり作った特注のね」

 そんなきっと伝説級のプロジェクターを使い、講義のようなものが始まる。

「まず見てもらいたいのはメリベル、いえ健全な人の血ね」

「これが血なのかよ」

 映されたのは一面赤の光景、さらに拡大すればなにか見えるかもしれないがする気はないようで次の絵に切り替わる。

「うっ」

「なんなんですかあれ」

「次の絵はマリアさんからとった血なんだけど」

 その絵には一面赤なのは変わりないのだが、その中に黒い点が多数存在している、まるで光に集まる虫のようだ。

「でさらに次の絵が死体からとった血」

 また見せられたのは一面赤の絵、それを見せられるとプロジェクターの絵は消え、明かりが灯り直す。

「で見てもらったのは、それぞれの血の同じ拡大率の絵なんだけどマリアさんの血、いえ生きている人の血の中に黒い点があったのはわかったよね」

 全員が頷く。

「あれが吸血鬼の正体よ」

「あれが」

 早急に言われるがどうリアクションすればいいかわからない。のだがそんなことを意に介さず話はどんどんと進んでいく。

「あの黒い点は魔術生命体の新種で、今は適当に吸血虫とでも命名しておきましょうか」

「蚊みたいだな」

 吸血虫と命名されたされたそれを見てそう呟く。

「この吸血虫なんだけど簡単に言えば人を蚊のようにしてしまう生き物ね」

「人を蚊に」

「ってことはマリねぇは蚊なのかよ」

「そこら辺は詳しく話すね、まずこの生き物は母となる1匹と連動している生き物でその一匹が増えることで増える生き物ね」

「増えるって」

「本当にいくらでも勝手に増えるのよ」

 なんかすごい生き物のようだ。

「でこれの特性として1つはすべて母の命令に従い活動するってこと、要するは洗脳ね」

「えっ」

「この手の生き物は何種類かいたみたいだけどそれはおいておくとして、この生き物からはある1つの命令だけのようだけど、それ以外の命令は感染者の意思に従うみたい」

「それってどう言うことよ」

「簡単に言えばこれに最初に感染した人が人を襲えって思っていたら、それに感染した人は人を襲えって洗脳されるってことね」

「なんだよそれ」

「ってことはなんだ、マリねぇが誰かを襲うように洗脳されてんのかよ」

「ひどく簡単に言えば」

 そんなことを本人を前にして言っていいものだろうか、そう思いながらマリアさんの方を見るとわかりきった顔をしている。多分先に聞いていたのだろう。

「ならどうにかしろ、どうにかしてくれよ」

「アル君私は大丈夫だからね、ねっ」

「どうにかする前に話を続けるけどこの吸血虫餌は魔力、多分感染した人の血から奪い自己の増殖をはかっていて、その宿主を守るために身体機能のや治癒能力を向上させているようなの」

「………そこまでは聞いた」

「で、利点はそこまででいいとして弱点としてはそれに魔力の大半を持っていかれるから魔術が使えないことかしら」

 どうやら吸血鬼は肉弾戦が得意のようだ、だからと言ってどうだと言うことはないが。

「まあ、でマリアさんに関してだけど。彼女包丁で指を切った後逃げ出そうと思ったらしいのよ、多分このときに母体の吸血虫が外に出て死滅したのね、それで支配から抜け出したと言うところかしら」

「ならよもう大丈夫なのか」

「吸血虫の特性のひとつとして母体がいないままある程度増えるとその中の一体が母体になるようなの、だから新しく母体となった吸血虫から増えた吸血虫は死滅したけど他の母体から感染した吸血虫はまだ数を増やしている」

「ややこしいんだよ、簡潔にいってくれ」

「はぁここまで言えばわかると思ったんだけど、簡単に言うと彼女はいつ私たちを襲ってもおかしくないのよ」

「そんな」

「解決策は」

 チート持ちならどんな状況でも何かしらの解決策、と言うか力業があるかもしれないと期待をするが。

「あるわね、母体が生まれる前に数を減らす。要するに血を抜くってことね」

「死ぬだろ」

「いや向こうの世界の話だが透析って手段がある」

「何その手段」

「えっ、まあ要するに血を抜いて魔力を抜いて元の体に戻すって治療法」

 本当は治療法ではないのだが、まあ今回の場合は治療としてもいいだろう。

「そんな手段があるの」

「むしろなんで知らないんだよ」

「ちょっと私が来たところは文明が滅んでたらしいから」

 忘れていた。彼女は要は世紀末と呼ばれる世界から来ていたのだ。

「まああるんだよ」

「そうなの、後で作ってみようかな。それはおいておくとしてもうひとつは母体を殺す」

 ひどく簡単だ。

「でもどれかってわからないんじゃないでしょうか」

「だからすべての吸血虫の母体を持っているであろう魔王を殺せばいい」

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