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第51話 アルフってアルフ

「で吸血鬼だったわよね」

 ここに来た最大の理由である、吸血鬼に関しての情報はその言葉から始まった。

「吸血鬼に関しての基本的なことに関しては元いたところと変わらないわ」

「と言うと」

「闇に紛れ美女に近づき血を吸うとか、心臓に杭を打たないと死なないとか、にんにくが苦手とか」

「なら十字架は」

「あれは関係ないわね」

「だよね」

「まぁそれはいいとして、この世界にもこの手の話が2000年前ほどの本にも書かれて伝わっているわ」

「いやそんな本あるのか」

「魔術とかを組み合わせてどうにかしてある、魔道書って呼ばれる品だけど。別名禁書ね」

 色々と知らない知識が出てくるが、イリアたちは納得して話を聞いているのでそこら辺はおいておく。まぁ何となくであるが理解できているから深く聞くことはないだろう。

「けどまあ吸血鬼に関しての情報はそう言った基本的なことだけで、後は何人か有名な吸血鬼について書かれてあるだけよ」

「例えば」

「そうね、有名なのはケネット伯爵かしら」

「あの吸血伯爵の」

「イリア有名な人なの」

「ええ、子供の頃は彼の話は1度は聞くわね、寝ない子はケネット伯爵につれていかれるぞって」

 たぶん子供を寝かしつけるための話なのだろう。

「そのケネット伯爵、まあ1000年も前の人なんだけど彼の城に訪れた人の書記によるとケネット伯爵の家には大勢のメイドがいてその首元には首輪とそれに隠されるように噛まれた後があったようよ」

 そんな話を続ける。

「他にも夜な夜な出回り美女を襲っていたとか、まあ彼が吸血鬼の元ネタかしらね」

「実際のところは」

「色々な情報を組み合わせるとケネット伯爵はたらしだったそうよ、最低よね」

「ああそう」

「でもそんなエセ吸血鬼に混じって本物の吸血鬼集団もいるわね、750年程前にあったとある町の人が集団殺戮にあったそうよ、そのすべてが首元に傷がついていたとか684年前には王が吸血鬼として処分されているわね、表向きは過労ってことになってるみたいだけど」

「で」

「それ位だわ、吸血鬼を倒したって報告はない、いやちょっと待ってここ最近の事件になるのだけど15年ほど前にいくつかの村が襲われていたわね。死体は残らずその上村は焼かれていたけど生存者が1人いたはずだわ」

 生存者、それがいれば。

「えっとたしか、アルフね」

「「「「えっ」」」」

「もし会えたなら話を聞いてみたいわね」

 そんなことを言っているが、話を聞いている暇はない。

「アルフってアルフ」

「いえタナカさん、アルフと言う名前はそれなりにいます」

「そうよ、さすがにあのアルフが」

「………けど居なくなったのは吸血鬼の話を聞いてからだった」

「…………………………ってことはもしかすると」

「………リサ先輩、その村ってわかりますか」

「わかるけど行くの」

「………はい」

「そうなんだ、ならちょっと待ってほしいな。渡したいものがあるし、そこの男の怪我も治さないといけないわよね」

「それって」

「私の方は1日」

「なら1日待ってから行こう」

「タナカさん怪我は」

「早ければ早い方がいいよ、それにこれくらいなら問題ない」

 と言うわけで更に1日待ちアルフが住んでいたかもしれない村に向かうことになった。

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