第48話 ………ごめん
「こない」
待てど待てどメリベルは帰ってこない。
「こないですね」
「メリベルどうしたのかしら」
「さぁ」
イリアの両親が襲撃してからもう1晩過ぎていた、それでもメリベルは帰ってこない。
「もう一回見に行ってみようか」
「お願いできる」
「わかったわ」
イリアがもう一度見に行ってくる。
「タナカさん、メリベルさんどこ行ったんでしょうかね」
「行方不明か、アルフに続いてメリベルか」
「と言っても犯人は」
リサさんだろう、目的は友人であるメリベルを確保すること辺りだろう。そんな犯人がすることと言えば。
「タナカ、ごめん」
「………ここ」
「こっここね」
リサさんが入ってくる、イリアの頭に杖を押し付けメリベルに鎖つきの首輪を付けながら。
「そっそこの男」
「はい、なんですかね」
武器を手元に引き寄せる。
「どっどうしてもメリベルを連れてくの」
「仲間なので」
「ふざけないで、私のメリベルをそんな危険なことさせられない。あなたがメリベルを連れて危険なところにいった話は聞いたわ、またメリベルを危険にさらすつもりでしょ、そっそんなこと私がさせない」
「メリベルの意思は」
「わ、私のメリベルを疑うの、なら答えてあげて」
「………はい、私はタナカと一緒には…………」
「メリベル」
「………いっいっいっしょには、は、は、は」
メリベルは苦悶な表情だ。
「メリベルになにをした」
「何ってこの世界にはない奴隷用の首輪をつけただけだけど」
「おい」
「仕方ないじゃない、こうでもしないとメリベル逃げちゃうし」
「タナカさん取ってしまいましょう」
「むりだ」
「首輪が爆発しちゃうからしない方がいいよ」
ありきたりだが効果的だ。
「イリアは魔術的には」
「むり、というか魔術陣すら確認できない」
「むりだよ、首輪自体に魔術陣仕込んであるから」
「すごいな」
「へっへっへっ」
だがこれは困る、メリベルに付けられた首輪を外せない。
「………タナカ………………助けて」
「えっ」
メリベルは助けを求めている、だからリサに掴みかかろうとする。
「いやっこないで」
メリベルが割り込む。そして。
「うわっ」
軽々と投げ飛ばされる。壁に叩きつけられる。息ができなくなる。
「…………ごめん」
「で追撃」
そして魔術を発動され壁事吹き飛ばされる。
「うわぁぁぁぁ」




