第47話 あなたのライバルは多そうね
ボーイフレンド、要は彼氏だ。
「と言われても」
彼氏と言われてもイリア達に関してはそういった感情は薄い、どちらかと言えば共に苦楽を分かち合う仲間でありそこに男女の違いはない。ここら辺に鈍感とか言われる理由があるのかもしれないが、仲間は仲間だし、彼氏彼女はまた別の存在だ。
「違うのかしら、さっきあの子と話したときずっとあなたの事を話題にしてたから」
「えっと」
「タナカ何でもない、何でもないから」
「あらあら」
「タナカ何も聞いてないよね、聞いてないわよね」
イリアが必死に言い寄ってくる、正直怖いのでうなずく。
「そっ、ならいいわ」
「あらあら必死ね、それでそこの獣人の子」
「私ですか」
「あなたは彼の事どう思ってるのかしら」
「タナカさんの事ですか」
「ええそうよ」
「私の事を助けてくれた大切な人です」
「そう」
そういいながらにやにやしていた。
「あなたのライバルは多そうね」
「なんの事よ」
「まあこの様子だとあのドワーフの子もそうなんだけど」
「だから」
「それはいいとして、あなた本当に魔王のところを目指すの」
「目指しますよ、仲間がいると思うんで」
「その為に私の娘は必要」
「はい」
「本当に」
「はい」
目に少し力を込める。
「………………………そっならいいわ、私は許可するけど、あの人は」
そう言って座り込まされるハーフエルフを見る。イリアのお父さんだが、比較的エルフらしい長耳にイリアと同じ銀髪の美青年なのだが正座させられ、苦悶な表情なので正直見るに耐えない。
「許すかぁ」
その言葉を聞いてイリアが足をつつく。苦悶の表情がさらにひどくなる。
「なに」
「ゆる」
さらにつつく。
「で」
「許して」
さらにつつく。
「許可しますよ」
「本当よね」
そうして解放されていた。
「さてと後はメリベル待ってリサさんに聞くだけか」




