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第42話 男っ

「………ここで最後」

「ここは」

「………一般研究開発施設」

「なにそれ」

「………一般的な魔術の道具とかを研究する、これまでにないものを作るから危険」

「そっか」

「………他にも施設はあるけど、そっちは入れない」

「ならここ探そうか」

「………うん」

 そうして中に入る、中には他の人が着ているローブ、いや黒いローブではなく、白いローブ、いわゆる白衣を着ている金髪の女性がいた。

「あら、メリベルじゃない」

「………お久しぶりです」

「お久しぶり、あれ昨日あったばかりじゃ」

「………あったのは」

「けどあれ、メリベルに何か渡さないといけないものが、ってメリベルの横にいる男は誰」

 そう言ってその金髪女性が近寄ってくる。

「んんっええっとぉ」

 じろじろと自分を観察するかのように見てくる。

「えっとメリベルこの人は」

「………リサ先輩」

 そのリサ先輩が観察をやめると離れる。

「男っ」

 そう言うと飛ぶように離れ、物陰からこちらを見る。

「えっと」

「………リサ先輩は男が怖いんだけどじっくり見ないと判断できない」

「うわぁ」

「ひっメリベルが男と仲良くしてる」

「あのくらい怖がるなら生活できないんじゃ」

「………それは問題ない、あの人いろんなもの作ってるから日常生活を女性奴隷にやらせてる」

「なるほど」

「………けど研究以外でなにも考えてないから時々出てこらざるを得なくなる」

「でそれ以外は引きこもってると」

「………うん」

 多分頭がいいバカと言うやつなのだろう。

「どこでそんな人と」

「………ここに来て1年目に何回か助けて知り合った」

「なるほど」

 要はすごく恩を感じているのだろう、怖い男のそばにいるメリベルを救うために。

「離れろ~離れろ~離れろ~」

 と呟く声が聞こえ続ける。

「そういえば1年目に知り合ったならあの人の方が」

「………ここではちゃんとすべて受からないと卒業できないのを悪用してる」

「ああ」

 わざと卒業しないのだろう、ここにいるために。

「………タナカ離れてて」

「……タナカ」

 タナカと言う名前を聞きリサが反応する。

「あの、私のメリベルのそばにいる男の人、日本って知ってますか」

「知ってます、と言うかそこから」

「転生者」

 そう言って駆け寄ってくるとメリベルを掴むと。

「重いよ」

 引っ張ろうとするのだが、動く気配がない。

「えっと」

「ひっ」

 離れようとするのだが、メリベルを動かさないとと言う思いからかこちらを睨み付ける。

「転生者がなんのようよ」

「何のようといいましても」

「私の鑑定から逃れられるくらいなら、こんな古くさいところにいなくていいじゃない、出てってよ」

 そう言って涙を流す。

「出ていきなさいよ」

「分かりました」

 そう言われ出ていくことにする、あまり刺激しないようにするために、できる限り静かにゆっくりと後退する。そしてそのまま外に。

「エレナ」

 外に出るとちょうど、少し涙目になったエレナが。

「やっと見つけたよ」

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