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第35話 まぁしかたないよね

「さてと」

 明日まですることがなくなってしまう。

「どうしようか」

「食事でもしますか」

「それもいいかも」

 昨日はその牢屋での食事だった、はっきり言ってひどいものだった。

「ならいいお店探してみようか」

「………そうしよう」

「あのよろしいでしょうかイリア様」

「なに」

「いいお店があるので紹介を」

「そんなのであなたの評価は上がらないわよ」

「いえいえそのようなつもりは」

「ならいいんだけど」

 そんなこんなあり、魔術ギルド職員に紹介された冒険者、学生向けのレストランに向かう、その道中はのんびりと話しながらだ、と言ってもリズにはエレナを探しに行ってもらっているが。

「でさ」

「何タナカ」

「イリアお父さんのこと苦手」

「まぁね、あの人結構軟派だからよくお母さんとけんかしてて」

「そっか」

「………そうはいっても2人とも講師」

「サラブレット」

「あんまりうれしくないんだけどね、そんな2人のひいきでって思われるのが嫌で冒険者やってきたんだけど」

「頼るのはいや」

「まあね、今回は仕方ないわよ」

「………けどはたから見たらお似合いだったけど」

「家族だから嫌なところも見てるのよ」

「なるほどな」

 まあよくある話だろう。

「タナカの家族はどうだったのよ」

「それは」

 あんまり言いたくない、仲は悪くなく普通の家族であった。だがもう家族には会えないのだ、だから思い出すようなことはしたくない。だからこう答える。

「いい家族だったよ」

「………イリア」

「あっ、ごめんなさい」

「いやいいよ」

 すっかり忘れていたのだが、元の世界では行方不明だ。相当迷惑をかけているんだろうと思うのだがどうしようもない、手紙の1つでも送ってやれればとは思ったのだが変に手紙を出したりすると、余計にややこしくなってしまうだろう。と言うわけであきらめるしかない。

「はぁ、まぁしかたないよね」

 そうだ仕方がない、ここに来たのも自分の意志で、ここに残ったのも自分の意志だ。

「そんなことはいいとしてそこ何が美味しいんだっけ」

「えっとね」

「………たしか」

 そんな話でごまかしつつ、レストランへと歩いて行った。

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