第29話 あぁ眠い
「うぅぅぅぅぅ」
「タナカさん大丈夫ですか」
「いや結構きつい」
朝早くから村を出発したのだが正直眠い、一応十分寝たはずなのだが疲れがたまっていたのか眠かった。
「次は大都ですよ」
「あれ早くないですか」
眠い頭であるが、当初の予定では5日のはずだ。
「いえタナカさんたちが捕まったので」
「すいません」
自分たちのせいで早める必要がある出たらしい、本当に申し訳なくなる。
「いえいえそれもあるのですが、商品の売れ行きがよく手持ちの商品が大都向けの物だけになったんですよね」
「そうなんですか」
気を使われているような気になる。まぁ実際その通りなのだろう。
「ええですのでそれほど気を使う必要はございませんよ」
「はい、わかりました」
そう答えることしかできなかった。そんな話をしながらも頭が揺れる。
「………タナカ寝てたら」
「いやさすがに」
「盗賊ももう来ないだろうし、人も多いんだからいいんじゃないかしら」
「さすがに仕事中だし」
とはいうもののメリベルとイリアの寝たらいいという言葉が甘く重くのしかかる、それほど眠かったのだ。
「あぁ眠い」
アサルトライフルを抱え眠さと戦う、敵は強大で日差しは心地よく、馬車の揺れが眠気を誘う、正直よく眠れそうだった。それをこらえつつ周りを見るのだが、まわりは左右後ろは、視界を遮るものがないほどで、正面には大都の城壁だろうがまだまだ小さいが壁が見える。そして大都に向かうほかの人なんだろう、人種だけではあるが、歩いていたり、同じように馬車で向かう人がいたりと多くの人がいた。ここを襲うにはきっと無理だろう。だからたった1人で。
「うぅぅん」
ふと脇を見る。
「すぅ……すぅ」
リズがいつのまにか寝しまっていた、それもすごく気持ちよさそうに。
「うぅぅああぁぁぁぁ」
一緒に眠りそうになったのだが、気合で立て直す。
「タナカどうしたの」
「いや眠りそうで、けどもう大丈夫」
1人ならまだしも2人も寝るわけにはいかない。そう思い必死にこらえる。こらえるのだが。いつの間にか眠ってしまってしまった。




