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第12話 珍しいわね

 のどかと言っても仕事は仕事なので警戒を続けるが、正直暇であった。それに今回の旅は約5日間の旅路ではあるが、毎晩町、もしくは村に寄り何日かずつ時間をかけ、商売をして行くと言う形だ。なので積み込んでいる食料も最低限だし、武具だけではなく農具もつまれているらしい。

「………武具は町や村にいる警備に、農具は村人にうる」

「で対価は」

「農作物や肉、その他特産品を対価として受けとるそうですよタナカさん」

「金貨は」

「金貨だと村にある全財産を使っちゃう恐れがあるし、場所とっちゃうから」

「なるほどなぁ」

 納得できる理由であった。この世界には紙幣はなく金貨か宝石類だけだ。宝石にしても証明書がいるので数があるとどれがどれかわからなくなったり扱いが大変なのだろう。魔術がどれ程役に立つのかわからないので、そんな感想を持っていた。

「けどファクラーさん太っ腹よね、村に滞在中の食費も持ってくれるなんて」

「肥らせて食べる気だったりして」

「人を食べる人はいませんよタナカさん」

「冗談なんだが」

「………いないわけではない、けど滅んだ」

「いるんだ」

 驚いてメリベルを見たが、彼女は笑っていた、冗談のようだ。あたりはだんだんと暗くなる中村が見えてくる。

「あの村に行きます」

「わかりました」

 村へとだんだんと近づいていく、その途中には村人と思われる人たちが一緒の方向に向かって歩いていく。

「あんたらは」

「えっと自分たちは」

「彼らは護衛ですよ、商人である私の護衛をしてもらってるんです」

「そうなんかい、なら村長の所に行くといい」

「ええわかっております、それで彼らの宿は」

「それなら小っちゃいがジルさんところだな」

 と言うわけなので護衛もそこそこに、ファクラーさんと別れジルさんの宿屋を目指す。そのついでにこの村の様子を見るが、普通に小麦の栽培や狩りを行う村であるようで、かつ元冒険者と思われる警備がいたり、本当に普通の村であった。そんな中でジルさんがやっていると思われる2階建ての宿屋が見つかる、この村で大きい方の建物だ。

「いらっしゃい」

「あの」

「護衛さんだろう、料金の支払いはいいから2階に上がりな、食事は1階で出してやるけど容易に時間がかかるから少し待っときな」

「はい」

 と言うわけなので2階に上がる、2階は大広間で雑魚寝をするシステムのようだ。

「珍しいわね」

「そうなの」

「ええ大半は個室だから」

「………この部屋だと荷物の監視しないといけないかも」

「そっか」

「その前に寝れるところを用意しましょうタナカさん」

 と言うわけで寝る場所を用意していった。

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