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さて、ここまでが俺の呪印の話しの全部だ。次に話すのは、俺の種族の話しをしよう。
俺達鬼人と呼ばれる種族は、成長段階で呼ばれる呼称が違ってくる。
まず始めに生まれてきたばかりの赤ちゃん(人間で言えば大体2~3歳時の体格で生まれてくる)のことを小児と呼び、それから2年たち人間で言うところの5歳時の体格に成長した状態を小鬼といい、其れから更に5年の月日を掛けて身長165~170位の体格に成長した姿を中鬼身体的特徴は、やや胴長でがっちりとしていて、手は比較的に長く、代わりに足はやや短足で、鼻は少々豚鼻で肌の色は緑色をしているのが中鬼である。
そこから更に5年の月日を掛けて身長が180~2mぐらいの体格になり、身体的特徴としては、額に2本の角が生え、顔は美顔に整えられ、それ以外はふつうの成人男性のと変わらない体格に変化する。此の状態のことを大鬼と呼び、此の状態になって初めて俺達鬼人に一人前として認められる。
そして、これこそが2つ目の忌み子として奴隷に売り飛ばされた原因になる。
つまり、俺は本来大鬼になる年齢に到達しても中鬼から大鬼に達する事がなかったのだ。
そして、3つ目の原因は、鬼人の性質に由来する。
本来鬼人達は、接近戦を狩りの花形として考え、遠距離戦を卑怯者がやることと下に見ている風潮があった。たが、本来鬼人達は派手な戦いを好みにしていたので、魔法には憧れを抱いていたのだが、鬼人達の多くは、強化系統の呪印もしくは、生産系統の呪印しか刻まれることがなかった。
その憧れを形にした物が出てきたのが、今から約五百年前のことだ。その頃の魔導具は威力が余りにも低く戦闘用には向かないうえに、値段もべらぼうに高いため人気なく、直ぐに廃れるものだと考えられていた。
だが、この大陸の東南に位置するイタリス騎士小国を治めていた人族は、その北に広がる森から溢れだした魔物によって国の規模を削られていった。
その事態に焦ったイタリス騎士小国の王は、自国の奴隷2千人を犠牲にして、異世界よりガクセイと呼ばれる者2百人と、キョウシと呼ばれる者2十人が召還された。