the battlefield ~戦場~。
ロサンゼルスの北側の山の上にて...
「みんな、ロサンゼルスにいた日本本隊はほぼ全滅だって!」
そこには二百人ほどの少数だが、日本五大軍団の一つ、中二騎士団、その中の女子隊が潜んでいた。
「瓜様、われわれはロサンゼルスの北側、サクラメントという都市を攻めるよう指示されていたのですが...」
瓜さま、と呼ばれた女の子は黙って、剣の柄を握る。
「ねえ苺、あなたって先生の言うことなんだって聞くの?」
「え?」
突然の質問に苺は戸惑いつつも、答える。
「そう、ですね。おそらく先生のおっしゃられたことはほとんど従いますが...」
「たとえ、仲間がやられていたとしても?」
ああ、とそこで苺は気付き、軽く首肯する。
「では行きましょうか」
苺はそういうと、二百人の軍団に向かって指示を出し始めた。
中二騎士団、女子部。日本の軍団において最強と歌われる五大軍団の一つ、中二騎士団の女子部は、
よく言われる「箸が落ちても笑う」と言われるほどほがらかな面も持ちながら、いったんニュースで同世代の女性が自殺すると、連鎖的に死に向かう多感な年齢。その想いはことに日本文化の中ではぐくまれることによって、より強大なものとなり、この世界でもトップクラスの破壊力を持つとされる。
そんな騎士団の隊長を務める、瓜はそれぞれ精神を統一した者たちに向かって、号令する。
「はじめぇえええええええええええ!!」
どこからともなく、ポップなメロディが流れ始め、女子部を光が包む。なんてことはない、変身シーンだ。
「いやいや、噂には聞いていたが...きれいなものだ」
ほとんどの女の子が光に包まれたあたりで、そういいながらちかくの木陰から、数人の姿が現れた。
「!!」
「奴らが変身し終えるには二十秒ほどかかる。そんな時間あれば、」
そう言って、戦闘の男が小刀を構える。
「一瞬だ」
次の瞬間、突風とともに、変身中の女の子たちは首から血を流して簡単に倒れいていく。二百人といた、軍団が瞬く間に百、五十、十と減っていく。
「おいおい何者だてめえら」
そう瓜が怒鳴った途端、首が胴体から離れた。変身をちょうど終えた瞬間だった。
瓜はなんとか、うすら笑いを浮かべて瓜の顔を見下ろす奴らを見た。
そしてにやりと笑う。
「着替え中、のぞきやがって。そんなことしたら地獄息決定なんだよ!」
そういうと頭が消え、黒の点がそこに残った。徐々に大きくなっていくようにも見える。
見下ろす彼らは、不気味に思い、そのまま立ち去ろうとしたが、身体が動かない。
「?」
状況を理解できないまま、黒に飲み込まれていった。