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Alice、殺し屋


どれぐらい走っただろうか。


正確にはあたしは

お姫様抱っこされてるだけだけど。


みえてきたのは

木々に囲まれた開けた土地にある

小さくてかわいいピンク色の家。


チェシャ猫の家だ、絶対。



…ぱたん


チェシャ猫が家に入って

あたしをピンクのカウチにおろす。


アルフもなんとかつかまって

これたみたいで

あたしのいるカウチの横の

ピンクの椅子に腰をおろす。


「ねぇ…説明して。」


息切れしてるチェシャ猫のかわりに

アルフが応える。


「…らい」

何かをいいかけた

アルフにチェシャ猫の手が伸びる


「…もう大丈夫。」


「アドルフの帽子の色はみた?」


説明してっていったのに

質問されるなんてね、


「みたよ。すごい…ひど…カラフルだった」


アドルフの弟子の手前ひどいと

いいかけ慌てて言い直す。


「だよね、アドルフの帽子がカラフルになってるとき、それは」



「師匠が誰かを殺したときだよ」


チェシャ猫のかわりに

アルフがこたえる


「どういうこと?」



「師匠はね、帽子屋だけど殺し屋なんだ。ターゲットはわからない。でもね、師匠は人を殺した後は、傍にいる人を殺そうとするんだ。しかも師匠は中々のてだれだから気づいた時には死んじゃう」


…だいぶアルフの口調がくらい。


「じゃあ、アルフは、殺し屋の弟子?」


きいていいか迷ったけど質問する。


「いや、俺は帽子屋の弟子だよ。でも、俺以外の弟子は師匠にみんな殺されちゃって」


徐々に暗さが増していく。

チェシャ猫が口を挟む。


「だから俺が毎回助けるんだ。今回もアドルフは俺かアルフを殺そうと…いや。」


チェシャ猫がジャケットを脱いで

腕を組む。


「アリスを殺そうとしてたな」



急に背筋に寒気が走る。


「じゃあなんであたしをアドルフのところに…」



「俺は" アリス"をアドルフにあわせなくてはならないんだよ」


「あたしはアリスじゃない」


「その服を見ろ」


そう言われて初めて自分の

服をみる。


薔薇の刺による傷はあるものの

水色のエプロンドレスを着ていた。


「不思議な格好」


「それはアリスがきるものなんだ」



…そういえば


「アリスって、誰?」


あたしのお姉ちゃんの名前。



…沈黙。


教えて欲しい。

なぜあたしがこんな世界にいるのか。

あたしをアリスと呼ぶのか。

お姉ちゃんとの関係はあるのか。

アドルフがなぜ人を殺すのか。


あなたがなぜ、本名を教えないのか。




…「アルフを送ってくるよ」


チェシャ猫は質問から逃げた。


「…大丈夫なの?アドルフ」


「ああ。もう大丈夫なはずだ。紅茶をプレゼントするんだったな。」

「アリス。…待っててくれ。」


彼はなぜ、隠すの?


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