Alice、帽子屋、怯え
中に入ると
壁に高く積まれたカラフルな
帽子…
まるでペンキをそのまま
こぼしたようなカラフルな床、壁、天井
なんだか、変。
今更変とはいえないか。
……
アルフが
お茶をとりに他の部屋にいった。
…空気が重い。
なんだか妙に不安になって
チェシャ猫をみると
青ざめて汗をかいてるチェシャ猫。
「ねぇ…どうしたの?」
「ちょっと…ヤバイよね。ほんとに離れないでよ」
さっきまで余裕な態度を
とってたチェシャ猫の急な
変化がちょっと怖い。
アルフが戻ってきた。
「師匠…今日はやめときません?」
「いや、私は今日がいい」
よくわからない会話だなぁ…
「まあ座ったまえ」
離れないで、といった
チェシャ猫の言葉が気になる。
急に怖くなった。
と、同時にチェシャ猫が
「お…俺、帰ります。アドルフ、また後で出直すよ。アルフ、俺の家にきてくれないか。アドルフの好きそうな紅茶があるんだ」
何かに怯えてる…?
チェシャ猫はあたしをお姫様抱っこすると人…人なのか定かではないが…とは思えない速さで走った。
風が妙に心地よい。
チェシャ猫の揺れる髪から香る
薔薇の匂いにドキッとするけど
さっきの怯えてるチェシャ猫に
不安…
…?!
チェシャ猫の首元に
…アルフ。
必死でつかまってる。
…アルフ、どうしたの
なんかかわいいよ