俺と屍と鉄パイプ。あと、救援物資。
超説明回。ストーリー進行?何それ美味しいの?
「・・・寝すぎた。」
ふと、目を覚まし時計を見ればなんとPM1:00だった。12時間以上寝てるじゃねぇか。
「遅よう。社長になんか頼まれてない?」
「いや、なんでわかるし?」
「うわー当たってて欲しくなかった。」
「諦めろ。」
紗那に貰った水を一息に飲み干し、起き上がる。
「飯は?」
「余り物なら。食べたら屋上ね。」
「了解。」
さて、内容は・・・?
ふむ。オムライスにスープか。スープ・・・。
・・・しょっぱっ。野郎またやったな。
食事を終え屋上に上がり、見知った面に文句を言う。
「おー。みんないるか~?つか灰斗、スープ飲めたもんじゃ無かったぞ?」
「仕様だ。」
「とりあえずお前そっから墜ちとけ。」
「だが断る。」
「あーはいはい。二人ともこっち。」
「ういー」
「おー」
声を掛けられたのでさっさと移動する。
「お、無事だったか。」
「お前もな。どうだった?」
「下を通ったが、思ったより障害は無かったな。」
「そうか。上は酷かった。チャリなら抜けれるが、スクーターすら通れんな。」
「ドンマイだな。こっちは車に乗り切らなくてバスを持ってきた。今はバリケードになってる。」
「あ、そこまで考えてなかった。」
当初、指示した台数はかなり少なかった。どう考えても全員乗り切れる数ではない。
「自己紹介とかも昨日したから、本題に入るよ。」
「了解。」
返事と共に皆が集まっているコンテナに近づく。所謂、貨物コンテナがそこにあった。
「中身は昨日見た感じだと、武器少しに大量の弾薬、携帯食料とかサバイバル関連が一通りだったよ。他にも色々あったしリストも入ってたけど暗号にしか見えない。」
「見してみ。」
「はい。」
リストを受け取る。
「とりあえず武器は、
アサルトライフルが6
ショットガンが6
マシンガンが3
スナイパーライフルが3
ハンドガンが18
手榴弾が120
だな。三分隊ってとこか。十分。」
「弾は?」
「あー、
アサルトライフル・マシンガンが78000
ショットガンが9600
スナイパーライフルが4500
ハンドガンが54000
だな。練習出来るくらいの量だ。」
言いながらリストの最後のページを捲る。
「で、俺たちは黒いアタッシュケースに入ってる分だとさ。」
紗那と灰斗を見るとニヤリと笑っている。間違い無く俺も同じ顔をしているだろう。
「お前らは別なのか?」
「そ。あいつは俺たちの武器適性を把握してるからな。何故か。」
「紗那が何になるかが楽しみ。私らはほぼ確定してるし。」
「だな。開けてからのお楽しみっと。」
「運ぶの手伝え!」
「すまんすまん。直人、お前を入れて二十人見繕ってくれ。あと、荷物運びを十二人。」
「あいよ。」
武器の配分は直人に丸投げだ。メンドくさいし。
三つ並んだアタッシュケースからRと書かれた物を手に取る。それはズッシリと重く中身が手一杯に詰められていることを容易に想像出来た。
「よし。じゃあ私から。」
「どぞどぞ~。」
「はいはーい。」
まず、灰斗がアタッシュケースを開ける。
開けてまず目に入ったのは白い紙にでかでかと書かれた。「貸出!」という文字だった。
「えーー。人のかい。」
灰斗が渋い顔をしながら紙を捲る。ソレを見た瞬間、龍人は食いついた。
「おぉ!?バランスちげぇけどVSSじゃねぇか!これならココから撃ってもバレねぇぞ?動作音以外はほぼ無くなるからな。撃っても大まかな方角が辛うじて判るくらいだ。300も離れれば人の耳には聞こえない。あまり遠くまで狙撃出来るモデルじゃないが中距離以下の狙撃ならかなり優秀だ。お前の腕の見せ所だ・・・ぞ?」
一気に捲し立て、ふと周りを見ると一歩引いた状態で固まっていた。これは・・・やらかした?
「おぉ・・・そうか・・・とりあえず、ありがたく使わせてもらうか・・・?」
龍人の奇行は見慣れたつもりの灰斗すら顔が引きつっている。
とゆうか!紗那が可哀想なモノを見る目でこっち見てるし!そんな目でみんな!
「あーうん。次うちね。」
「おういえ、ブラザー・・・。」
「突っ込む気もおこらんわ。」
「ぐはっ」バタっ
棒読みで倒れた龍人を無視する形でアタッシュケースが開けられた。
「MP7?であってる?」
「正解。正確にはMP7A1だな。取説によると、セミオート重視で作ったモデルみたいだ。最大有効射程は260mだと。」
「へぇー。こっちは?」
紗那はアタッシュケースに入ったもう一つの銃を指差した。
「それは・・・XM25 IAWSだな。25mm榴弾をセミオートで撃てる。装弾数は6発だったか。最低20mは離れて撃たないとこっちにも被害出るぞ。気を付けろ。デジタルリーフサイトか。火器管制装置が載ってないな。まぁ使えないだろうし嵩張るからいいと思うぞ。」
「ふぅん。後半よくわかんないけど了解。」
よくわからん発言に苦笑しつつ、自分のアタッシュケースを開ける。
中には社長の言った通りに、ブレードと思われる長さ違いの二本の直刀と黒いハンドガンが二丁入っていた。
「二丁か。ご丁寧にタクティカルウェアまで。」
「龍人、こっちの銃何?」
「ん?説明してなかったか。それはH&K USPの9パラモデルだな。セーフティがガバと同じになってるな。まあ気にしなくていい。装弾数は15発、反動はそれなりだ。要は慣れろ。」
「はいよ。槍は?」
「無い。」
「チェっ」
あからさまな舌打ちをしつつも灰斗はニヤケ顔だ。やべぇ、俺ら皆こんな顔かw
「龍人、終わったぞ。」
直人が親指で後ろを指しながらいってくる。見れば、基本は前回の探索班からの引継ぎみたいだな。
「じゃあ、使い方を説明する。一応全員使えるように聞いておけ。」
「わかった。みんなこっちに来てくれ。」
まばらな返事と共に集まってくる。かなりの人数になるため自然と囲む形になる。
「あー、これじゃ見えづらいか。とりあえず直人もっとこっち来い。お前が覚えろ。」
「ん?まぁいいが。めんどくさがると信用無くすぞ。」
「元より信用されとらん。気にするな。」
「そうか。説明頼む。」
「おー。」
答え、まず一丁手に取る。
「まずはコイツ。SIG SG550 だ。ストックがこうゆう風に折り畳めるのと二脚がココに付いてる。」
実際動かして見せながら説明を続ける。
「コイツはいわゆるアサルトライフルだ。見りゃ分かるな。セイフティはここ。これがマグキャッチ。トリガーを引けば弾が出るわけじゃないぞ。まず、これ。弾倉ってやつだ。これを付ける。まず、弾倉を外す。さっき言ったマグキャッチを押すと重力に従って落ちる。が、数に限りがあるから必ず回収してくれ。で、新しいマガジン・・・っと弾倉のことな、を入れる。まだ弾は出ない。このレバーが下がっていたら、このボタンを押す。そしたら勝手に装填されて撃てる状態になる。下がってない時は引いて、放す。必ず放すこと。じゃないと装填不良、いわいるジャムが起きやすくなる。あとは、セイフティをAに合わせる。わかりやすく言えば真ん中に合わせればいい。三つしか合わせるとこ無いから。あとはトリガーを引けば弾が出る。とりあえず打ち方は分かったか?」
装填した弾を抜いてマガジンに詰め直しながら聞く。
「使い方は分かったが説明書と大分違うな。」
「正確に覚えてるわけじゃないし。要はそれぞれの役割さえ覚えてくれればいいぞ。」
「咄嗟に言われたら対応できん。」
「はいはい覚えなおすよ。他は任す。」
「あいよ。」
SG550を置いて次を手に取る。
「はい次。ショットガンね。イズマッシュ・サイガ12ってやつだ。」
「普通のショットガンじゃないのか?」
「普通の基準がわからん。お前らが想像してる、ポンプアクションとは違うぞ。これはセミオートだからな。使い方はSG550と変わらん。配置はセイフティはここ。マグキャッチ。ボルトレバー。ボルトストップだ。ちょっと動かしてみるか。」
サクサクと動作確認を行う。問題なく動いた。とても動きが滑らかだ。そこらへんのモデルガンとはわけが違う。
「大体分かった。」
「んじゃ次。ミニミ SAW。いわゆるマシンガンだ。こいつは装填の仕方が違う。まず、ココ。フィードカバーを開ける。で、このベルトリンクをこう置いて、閉じる。あとはボルトレバーを引くと。お?セミオートで撃てるな。普段はAに合わせて撃て。敵が多い時はFだ。Fはフルオート・・・ようはトリガー引いてる間は弾が無くなるまで撃つ。勿体無いからあまりやらないで欲しいが。」
サイガ12と一緒に弾を抜いて置く。
「数によりけりか。難しいな。」
「大丈夫だ。フルで撃つときは逃げる時になる。深く考えんでいい。」
「了解。次は?」
置いてあった銃の中から一番長い物を手に取る。
「長物はこれで最後。AWMだ。セイフティ。マグキャッチ。ボルトレバーがこれ。で、ボルトアクションっていって、まず弾倉を付ける。で、ボルトレバーを上げて、引いて戻して、下げる。これで撃てる。こいつは毎回これをやらないといけないからな。焦らず確実にやること。」
「了解。次頼む。」
最後に拳銃を手に取る。
「いわいるハンドガンだな。グロック17ってヤツだ。まさかのサプレッサー対応だが・・・まぁ気にせんでいい。セイフティは無い。装弾して、スライドを引く。これで装填完了。いつでも撃てるぞって具合だ。でこれがマグキャッチ。これで弾倉を外すっと。で、もう一回スライドを引いて弾を抜く。ボルトストップの代わりにスライドストップがある。これは撃ち尽くすとスライドを後退位置で止めてくれる。こんなふうに。で装弾してスライドストップを下げると・・・装填される。以上。」
グロックも弾を抜いて置く。
「わかった。注意事項は?」
「簡単。銃口はどんな時でも仲間には向けない。敵に向けた時以外引き金に指を掛けない。あ、引き金ってトリガーの事な?わかってると思うが。」
「どれも当然のことか。あとは任せろ。」
「うし。頼んだ。ある程度扱えるようになったら声を掛けてくれ。これからの行動を話す。」
「分かった。」
銃を片付けて、コンテナの中身を確かめるために移動する。
「じゃあ、もう一度説明するぞ。まず・・・」
直人が説明し出すのを聞きながらコンテナの中に入った。
コンテナの仲は整然と物が並べてある。
サイズ別のタクティカルウェアにサバイバル関係の携帯食料や道具一式などに加え、コンテナ内に発電機と配電盤があり、数人であればかなりの期間生活出来るであろう装備など、過剰なほどのサービス精神だ。工具類や鋼板等も入っている辺り徹底している。
調べると、浄化槽がついていた。水に困らないな。簡易トイレに折りたたみの風呂だと・・・?何考えてるんだ?これは・・・農耕セット?土は自前かよ!
刃物にしても、20本以上あるな。砥石・・・誰が手入れすんだよ。俺か?奥さん連中に手伝わせるか。直人経由で。
リストと見比べながら調べると俺らだけなら数ヶ月暮らせるほどだった。完全に人数が多いと仮定した量だ。俺は多いぞとしか言ってないんだが。この人数でも一週間以上余裕で暮らせるな。
さらにリストを精査するとヤバげな物が目に付いた。それは、トラップキットと書かれていた。
表記に従い探せば確かにあった。かなりの量が。これは・・・西條囲っても余るぞ。てか、生存者引っかかるだろう。
中身は・・・クレイモアか。逃げる時に設置しろと。突っ込めと。ぶん殴りてぇ。
こっちは・・・なんだこれ。爆破セット?C4とか頭可笑しいだろ!素人に何やらせようとしてんだ!?
「あぁ・・・もう止めよう。吐くわ・・・。」
思わず呟いて、コンテナから出ることにした。
あはははは!
さぁ!次は皆殺しだ!