表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と屍と鉄パイプ。  作者: 橘月 蛍
第1部 悪夢の始まり、日常の終わり。
14/47

仮称:空(ウツロ)に関する報告


 報告者:特務隊Valiantヴァリアント/副長Myriad(ミリアド)Brazenブレイズン

 協力者:一般人/無月龍人ムツキリュウト

     狙撃一科/Carl(カール)Craftクラフト

     狙撃二科/Arusheアルシェ

     歩兵一科/Eleanor(エレノア

     歩兵二科/Grayグレイ

     本社正面受付/Maltaマルタ

     騎鋼整備科/Riraiza(リライザ)Ritanaリタナー 他237名


 発覚時刻 AM03:09

 位置   第二空港3Fエントランス

 発見者  警備科/第二空港警備員Nicholasニコラス


 状況

 AM3:07.警備室監視カメラNo.19に不審者発見。念のため付近にいた警備員佐野昭人サノアキトが確認へ向かう。

 AM3:09.佐野警備員が不審者から3mほどへ近づいたところ、不審者が間近にいた観光客の首に噛み付き、首を食い千切って殺害。

 AM3:10.佐野警備員が不審者を拘束。手足の自由を奪って他の警備員の到着を待つ。

 AM3:11.監視カメラに観光客が動いているのが映っていた。ニコラス警備員は偶々他のモニターを見ていたため判らなかった。

 AM3:12.三名の警備員が到着。二名が不審者を連行。

 AM3:14.観光客の遺体の検分をしようと近づいた佐野警備員が突然起き上がった環境客に左腕を食い千切られる。佐野警備員は観光客の膝を撃ち離れるが観光客は怯んだだけで再び襲いかかって来た為、やむ終えず心臓へ二発、頭部へ一発発砲した。この判断は早急過ぎるがここでは言及しない。

 AM3:17.不審者を取り調べる。意味のある反応無し。

 AM3:20.総合医療科Cleaセレア医が到着。

 AM3:23.不審者の自我が無い事が確認される。留置室へ連行。

 AM3:24.手当てをし待機していた佐野警備員が苦しみだす。

 AM3:28.佐野警備員の死亡を確認。すぐに手足を拘束。

 AM3:29.佐野警備員の遺体が動き出す。留置所へ連行。

 AM3:30.各所で似たような事が起きているのを確認。現場の判断で第二空港を閉鎖開始。

 AM3:33.全科へ概要を伝達。同時に各所の閉鎖指示が出る。

 AM3:35.簡易閉鎖完了。観光客を診断し第二空港付属ホテルへ移動させる。

 AM3:48.状況悪化。予想を上回る速度で拡大。社長へ情報が届く。


以上が社長へ初期報告が届くまでの流れである。

傷害発生から39分経過しており体制の見直しが必要と思われるがここでは言及しない。


 仮称:ウツロのデータ


不審者を取り調べたニコラス警備員及び診断を行なったセレア医からの報告。

 ・自我が失われている。

 ・匂い及び音に敏感。

 ・他の感覚は著しく低下。

 ・おそらくウィルス性。血液感染。(セレア医としては断定はできないとのこと。)

 ・脳機能の低下がみられる。運動野の働きが活発なのに対し、他の働きが弱い。

 ・三半規管に障害あり。ウィルスとの関連は不明。

 

 このことから歩く死者をウツロと仮称。

 また、稀に確認される黒いウツロを襲撃者/Marauderマローダーと呼称する。


一般人/無月氏からのメール。

 [本文]

 名寄市で歩く死者と遭遇した。早急に詳細を調べてくれ。

 弱点と思われるものを送る。

 ・頭部(おそらく脳か)

 ・熱(火に寄ってくる)


 細かいことはまだわからないが、もはや周りはほぼ歩く死者しかいない。

 西條屋上駐車場を空けておく。細かい対応は任せる。


 生きていればまた連絡する。


狙撃二科/アルシェ及び歩兵一科/エレノアからの報告。

 現在施設の68%を制圧。一般人の立ち入れる区画全てに侵入されているため時間がかかる。

 戦死者は3名。いずれも不意に扉を開けたため死者に飲まれていった。現在は対策済み。ほか死者無し。

 東北支部は回線切断のみで被害は無し。第四格納庫および第七社員宿舎は現在も捜索中。戦闘音がするため皆生きていると思われる。


狙撃一科/カール及び歩兵二科/グレイからの報告。

 ウツロの身体能力には個体差があるようだ。個々の身体能力は高いが三半規管が機能していないため何もないところで転ぶ、起き上がれない、長く走れない等がみられる。思考能力絶無。

 稀に三半規管のまともなやつがいる。そいつは肌が黒く変色(黒人というよりも炭に近い光沢のある黒)しており非常に速いため苦戦を強いられた。ただし頭が悪い。猿以下。

 今のところ、人以外への拡大は見られない。


本社正面受付/マルタからの報告。

 AM3:38.本社正面入り口より社員及び観光客の受け入れ負傷者の隔離の開始。

 AM3:51.本社正面入り口にウツロが到達。受け入れ箇所を縮小し掃討のため7名の職員を外へ。

 AM4:26.空と観光客の数の増加により、已む無く本社正面入り口を封鎖。

 AM4:39.弾薬が不足。職員を全てビル内へ退避させ、本社出入り口を全て封鎖。

 AM4:57.特務隊/ミリアド到着。指揮を譲渡。本社周辺の掃討を開始。


以上が本社の事件発生時の動きである。職員による掃討時4名の死者が出た。


騎鋼整備科/リライザからの報告。

 無線等により情報が入った時点で、HハードSスキンLライトAアーマー以下の全車両の暖気運転と装備の積載を開始。

 AM4:03.特務隊/ミリアド以下4名が到着。6輪高機動車2台に乗り本社へ向かった。その後、各部隊が訪れ車両に搭乗している。

 AM5:11.整備区画を封鎖。時点での負傷者無し。

 AM5:30.6台の車両を率い第一空港へ向かう。整備区画は完全に封鎖。

 AM5:14.第一空港へ到着。敵の掃討及び空港内の安全確保を開始。

 AM5:30.27名の空港職員を救出。他の職員はすでに退避済み。

 AM5:33.無線からの指示により第二空港へ生存者を救出しつつ向かう。

 AM5:48.第二空港到着。


以上が騎鋼整備科含む整備科の動きになる。


以上が現在挙がっている報告書になる。

今のところ社員の死者は19名だが、今後襲撃者マローダーのようなモノが現れる可能性は否定できないため、警戒を惰ることはできない。

また、観光客等一般人の被害は空港及びホテルのスケジュールから3万人程度と思われる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ