私の瞳
『私の瞳』
私はきっと、上手く愛せた事があっただろうか。高校二年でそう思った。もてる方だとは自覚していたが、でも、私の瞳は欠伸ぐらいしか潤んだことはない。
必ず恋に陥るのは相手だから、恋する状態に至るまで時間が少々かかる。でも、真剣に愛した人たちであり、でも終ってみればどうでもいい存在である。
私はきっと、高校を出たら、お見合いをしようと思う。恋愛結婚の夢も捨てがたいが、見合いの方が結構良かったりする。
今からの夢が婚約して、結婚する事が夢なんて、高校生では珍しいのは、間違いないはずだ。多分だけど。30才の会社員と今付き合っている。
そこから、結婚しようと言ってくれた。
お見合いで既に知り合っていた。高校で最後の恋愛を楽しんだ後に、大人の恋をする。今はお見合いで出逢えていい感じだ。
腕の傷さえ隠さない。興味半分で切った傷跡だけど。私は色んな所で、彼氏と遊んでいた。彼氏は安月給だと言っているが、結構貰っている。
「私はいつも、一緒にいられるまで、一緒にいたいな」
そう本音を漏らした。私は学校に通いながら、恋人の事を考えている。今は仕事中かななんて思ったりする。
最高の瞬間は過去にも数回あった。でも、こんな恋愛を知っておくと、後々便利になるかもしれない。
そして、高校三年になり、私は二人で祖母夫婦の空き部屋を借りて、生活するようになった。私は高校生で、婚約をしている。友人には教えていない。二人だけの愛はきっと上手く行く。私はずっと前から憧れていた。幻想が壊れてもいい。私は真剣に愛するだけだから。
高校生活もこれで最後か。そう思うと、彼氏だった人たちの事を考える。皆、きっと新しく彼女と仲が成就しているのかなと、時折考えるようになった。
遊びはバーでカクテルを呑んでいる。ほろ酔い気分で、タクシーで帰る。そうしてホテルで揺らめくようにそっと絡み合う。永遠に離れないために。
こんな気持ちになったのは初めてだ。初恋より初恋らしい感情になったから、もうこの婚約者と離れられないと思った。
そして、学校を卒業した。取り立てて楽しい思い出はない。後はきっと、このアルバムに刻んだ過去を振り返る気はない。ずっと、私は考えていた。
結婚式を必要とするか、どうかで迷ったけど。
「別にいいよ。一緒にいられたら」
そう言って、私は結婚式反対をした。でも、私は意見を珍しく押し通した。私のいない生活は堪えられないと婚約者は言った。桜を観てから、区役所で出すものを出してすっきりしたい。私はきっと愛されている。だから、こんなに楽しいんだ。夫といる時が。
私はきちんと家事もこなし、そろそろ子供も欲しいけど、養育費が大変だから、パートに出る事にした。でも、役立たずで、すぐにクビになった。ま、いっか。
パートがダメでも、いいや。家事に専念して行こうと思った。
冬になって、私たち夫婦は、まだ愛情が冷めなかった。お互いをお互いが必要とする。夫婦にとってこれ以上の重大な事はないだろう。そう思った。