表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/102

(14)

 

「高彩さん」


 夢丘の声で目が覚めた。

 喉が渇いたという。

 急いで冷蔵庫からイオン飲料を取り出して、それをコップに入れ、ストローをさして、寝ている夢丘に渡した。


「おいしい」


 今日初めて笑みがこぼれた。

 でも、額に手を当てると、燃えるように熱かった。

 まだ高熱が続いているようだった。


「何か食べる?」


 フルーツゼリーやバナナがあることを伝えたが、首を横に振った。

 食欲はないらしい。


「ところで、」


 彼女の目は寝袋に注がれていた。


「うつるから帰れと言われても、帰らないからね」


 機先を制した。


「でも、」


「余計なことを気にしないの!」


 とにかく寝て治すしかないのだから、目をつむってしっかり休むようにと命令口調で言って、話を終わらせた。


        *


 日が暮れたので、幕の内弁当を食べ始めた。

 鮭、海老天、唐揚げ、野菜の煮物、佃煮(つくだに)、かまぼこ、ショウガ、卵焼き、どれもおいしくいただけた。

 食後のお供は音なしテレビだった。ニュース番組で女性アナウンサーが口をパクパクさせているのを見ながら缶コーヒーをすすった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ