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✂ 第2章 ✂ 経営大学院(1)

 

 両耳の上の部分の色が落ち始めて少し茶色くなってきたので、ヘアマニキュアとカットをしてもらうために美容室を再訪した。


 カットが終わったあと、店長は前回のように「よしの!」と呼び、夢丘愛乃がやってきた。


「いらっしゃいませ、高彩様。今回もヘアマニキュアでよろしいですか」


 眩しいほどの笑顔が目の前にあった。

 嬉しさを隠すのは難しかったが、ニヤニヤしないように必死になって平静を装った。


 ヘアマニキュアを施しながら彼女が話しかけてきたので、〈あの事を訊かれるかな?〉と一瞬、焦ったが、当たり障りのない会話が続き、ホッとした。


 15分が経ち、シャンプー台へ移動した時だった。

 他に誰もいないことを確認するようにしたあと、遠慮がちに「美容室の経営者になるって本当ですか?」と囁いた。

 わたしは頷き、「そのために2年間、経営大学院で勉強します」と小さな声で返した。


「大学院⁉」


 思わず大きな声が出たらしい彼女は慌てて自分の口を両手で塞いだ。そして、〈ごめんなさい〉というように眉尻(まゆじり)が下がった。

 わたしは〈大丈夫〉と小さく手を振った。 



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