第24話
研究棟の1階へと着いた。実験室では、麻友達が俺を待っているはずだ。事の真相を知らない、知るはずもないので、不安な気持ちになっているであろう、そう予想するのは簡単だった。例え、俺がその立場に置かれても、そう思うと考えられるからだ。いや、不安にならない方がおかしいと言うべきか。
貧乏神の奴といえば、相変わらず、俺の肩の辺りにふわふわと浮遊していやがる。何か、楽しそうな雰囲気を感じるのは、俺の気のせいだろうか。
実験室の前、ドアの前だが、そこに着き一呼吸してドアを横に開ける。ドアは静かにスライドし、俺を中へと招き入れた。
実験室の中に入ると、麻友、そして、仲間の姿が飛び込んで来た。俺を待っていたのだろう。不安気な顔に、戸惑ったような思案顔。それぞれがそれぞれの思惑を顔に出していた。
「お待たせ、麻友」
真っ先に彼女に声を掛ける。彼女の表情からは、安堵の顔が窺えた。俺の表情から、何かを読み取り、安心したのだと思われる。
「隼人、あのね。私達ね、色々と考えたの」
皆を代表するように、麻友が応える。
「どうした? 俺なら大丈夫だぞ。考え、いや、決心が固まった。後はこの案を理事長に提案し、それからだ」
「本当? 信頼して良いの?」
聞かれるまでもない。俺は即答した。
「ああ、これ仕方ないからな。後は、理事長の判断に任せよう。皆、行こう、一緒に理事長室に。俺の考えは、その時に話すよ」
俺は、それを強く心に決めていた。




