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50話 気になる子

朝早くに出かけていった歩夢を2階の窓から見送

ると両親と一緒に美咲の学校へと向かった。


同じ時期にやらなくてもいいだろうに…。


美咲はメイド喫茶をやると言っていた。

お菓子とジュースだけの軽いもので、休憩処と

しても活用してくれと言っていた。


一番最初に美咲を見にいくと張り切って接客し

ていた。


「郁也お兄ちゃーーーん!来てくれて嬉しーー、

 もうすぐ休憩だから一緒に回ろう!」


クラスのみんなに自慢するかのように郁也の腕

にしがみつくと仲良さげなアピールをする。


「美咲ちゃん、その人は?」


「めっちゃかっこいいんだけど…紹介してよ」


「いーや!お兄ちゃんは私だけのお兄ちゃんなん

 だもん」


母親のまどかさんも父親の幸樹さんもいるなかで

はっきり言ったのだった。


「郁也くん?」


「違いますからね?俺、何も手を出してないです

 から……母さんも誤解しないでよ?」


「そうね、貴方はいつも誰にでも手が早いもの

 ね」


「違うって……それに俺は今気になってる子いる

 し」


「……」


その言葉に一斉に視線が向いた。

美咲ですらショックを隠し切れない。


「でも、家族は一番近い関係よね〜、切っても切

 り離せないような……」


美咲の言い訳が苦しい。


「あのさ、俺ちょっと好きな子に会いに行きたい

 からここで帰っていい?」


「そうね、勝手にしなさい。どーせ、何を言って

 も行くんでしょ?」


まどかさんは郁也の行動を一番理解していた。

妹に対して義理は果たした。


一緒に見に来たし、頑張っているところも見れた。

これで満足だろう。


やっぱり一番気になる方へと急いで向かうのだっ

た。


台本の横に舞台の開始時間は乗っていた。

公演は11時から始まり、12時30分に終わる。


今から行けば間に合う時間だった。


見にこなくていいと、あれだけ言われたが、家族

なのに一人だけ放置はできない。


「ちゃんと見ておかないとな……。」


急いで電車に乗り込むと歩夢の学校へと向かった。


美咲の学校から2区間離れた駅で降りると、走って

向かう。


途中で何度も声をかけられたが、全部断って向か

った先で、体育館の人混みを見て、うんざりしそ

うになった。


人が多ければ、その分郁也の外見は目立つ。

そこで近くの射的でお面を取るとお面を被ったまま

体育館へと入った。

中は薄暗く、ちょうど劇が始まるところだった。



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