表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/75

24話 どうしてここに?

今日は図書館の自習室でなら落ち着いて勉強に取

り組めそうだった。


メインホールには多くの人でいくら図書館の中で

は静かにと書いてあっても守る人も少ないせいで、

話し声が耳に届く。


歩夢にはそれ以外の声も届くせいで集中力を欠き

やすかった。


でも、ここは部屋の中には自分しかいないせいか

落ちける気がしたのだった。


すると、いきなりドアが開いたので、振り向きか

ける。


「あっ、やっぱりここにいたか。」


「なんでここに……」


「ここの事教えたの俺だろ?歩夢、どうだ捗って

 るか?」


「……」


郁也がいなければもっと捗っていたと言いそうに

なる。

これでも兄だし、いつも勉強を見てくれるので文

句も我慢する。


勝手に部屋に入ると真横に座ってきた。

他にも椅子は空いているし、わざわざ横に座らな

くてもいい気がする。


「他にも席は空いてますけど…?」


「なんで?歩夢の隣はここしかないじゃん」

『お、照れちゃって…可愛いなぁ〜』


「何しに来たんですか?」


「家に帰って来ねーから迎えにきたかな〜」

『家にいると美咲ちゃんが付き纏って来るしなぁ

 〜歩夢が迫って来てくれた方が好みなんだけど

 な〜』


「………」


「歩夢?どうした?気分でも悪いか?」


「いえ……なんでもない……です」


「気分悪いなら、家に帰ろう。ゆっくり休んだ方

 がいいぞ?勉強なら、明日からでもいいしな」

『なんか体調悪いのか?熱でもあるのかな?触っ

 てもいいよな?これって触っても嫌がられない

 よな?』


心の中で慌てているのがわかる。

すると、額を触ると顔を近づけてきた。


ピタリと額がくっつくと、目の前に郁也の顔が来

たのだった。

ここまで近いと余計に恥ずかしくなる。


「ん〜、やっぱり少し熱いか……」

『うわぁ〜、こんな間近で見ると意外とまつ毛長

 いじゃん。それに、唇も小さいし……キス出来

 そうな距離……』


「……!!」


一瞬、歩夢は郁也を突き飛ばすと、顔が熱くなる。

近すぎるせい。

多分、こんなに整った顔が近くにあったせいだと

考え直したのだった。


「あ、ごめん。嫌だったか?」

『あぁ、もうちょっとだったのになぁ〜。歩夢肌

 白いしキスマーク付けたら残るかな〜』


慌てるように歩夢が教科書を片付け出すので慌て

だした。


「逃げるなよ。家に帰るんだったら送ってくよ」


「いえ……別の場所に行こうかと……」


「行かなくてもいいじゃん。俺がなんでも教える

 って言ってるんだし。それじゃ〜不服か?」

『やばい、やばい、変な想像してたら余計に顔に

 出てたかな?逃すわけにはいかないな〜』


「…」


「ほらほら、座って。ね?」


そう言うと、落ち着かせるように肩に手を置くと、

椅子に無理矢理座らせたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ