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14話 偶然?

最近ではため息しか出ない。

なぜなら、目の前の人物のせいだった。


「ねぇ〜、手が止まってるよ?わからない?」


「別に……気が散るのであっちに行ってもらえま

 すか?」


「なんで?いいじゃん。嫌だった?俺はこのまま

 がいいな」

『ヘ〜、苦手な教科かな?あぁ〜どうしよう…す

 っげ〜触りてぇ〜な〜。しこりてぇ〜、トレイ

 行くのもな〜。』


「そんなに落ち着きがないなら、トイレにでも

 行けば?」


「ん?なんで?一人じゃ寂しいだろ?お兄ちゃ

 んが付いててやるって」

『歩夢を一人に置いてくなんてできるわけない

 しな〜、おっ、上から見ると首元開きすぎじ

 ゃね?乳首見えてるっ!』


「……!?」


一瞬、手が止まった。

さっきからこの人は何をいっているんだ?


周りを見ても図書館には少し離れた場所に数人

いるだけだった。


気のせいにしては、あまりに言い方がおかしい。


せっかく静かに勉強出来ると思って来た図書館

だったが、なぜか郁也がすでにいたのだった。


教科書をしまうと鞄に突っ込む。

そして席を立つと出て行こうとした。


「待てって、本当に邪魔しないって……」


「そこにいるだけで気が散るんで…」


「なら、奥ならもっと静かでいいよ?ここには

 個人の自習室があるんだよ。ほら、おいで」


「ちょっと、僕は帰るって……」


「いいから、いいから」


そういって奥の部屋に案内された。

鍵もかえるし何より、個室のせいか落ち着く。


ただ、横にいる男さえいなければだった。


「俺が邪魔だった?」


「はい……そうですね」


「なら、こういうのはどう?さっきの苦手な科

 目でしょ?俺が教えるよ。代わりに明日から

 俺の弁当も作ってよ?」


「弁当ですか?それならまどかさんに頼めば…」


「歩夢のが食べたいって言ってんの。どう?」

『うんといてくれよ……マジで頼む……』


「ぷっ……なんなんですか、そのお願いは…、

 たかが弁当って……」


「食べたかったからいいだろ?別に……」

『笑った…やっぱり可愛い。抱きしめたらどん

 な顔するかな……』


「あ……あの………ここからお願い…します」


「うん。どんどん聞いてよ。」

『あの時も思ったけど、やっぱり歩夢が欲しい

 なぁ〜』


どういう意味だろう。

欲しい?

家族に欲しいという意味ならもうかなっている

のではないだろうか?


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