表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/75

1話 いつもの日常

朝はいつも慌ただしくなってしまう。

弁当を作っておかずを詰めると3人分を机の上に

置く。


朝食は質素で簡単に、昨日の残りとパンを焼いて

卵とベーコンを炒める。


野菜を添えればあとはコーヒーを入れて置く。

起きて来た順に席に着くと食べ始める。


「父さん、ネクタイ曲がってる…」


「あぁ、すまんな……美咲はまだ寝てるのか?」


「あぁ、昨日も夜まで電話してたみたいだからね…

 起こしてくるから食べ終わったら弁当持って行っ

 て」


「いつも悪いな……歩夢もしっかり勉強頑張れよ」


「はいはい、それはいいから時間大丈夫なの?」


「あ、そうだった。」

『いつも悪いな……俺がもっとしっかりしてれば…

 …いや、あいつが亡くなった時に弱音は吐かない

 って誓ったんだ、歩夢ばかりに迷惑はかけられん

 よな……』


「余計な事増やさないでいいよ、父さんは会社言っ

 て」


「あ、はい」

『皿洗いくらいはできるんだけどな……この前は数

 枚皿割ったけど』



この家は家族3人で構成されている。

父親の水城幸樹と、家事全般をこなす水城歩夢。妹

の水城美咲の3人だ。

母親は5年ほど前に病気で亡くなって以来、女手が

足りない。


妹の美咲は父親譲りで手先が不器用なせいかすぐに

皿を割ったり、掃除しようと掃除機をかけると、カ

ーペットまで巻き込んで余計に散らかった事があっ

た。


それ以来、家の事はほとんどが兄の歩夢がやってき

たのだった。


コンコンッ……コンコンッ……


ガチャ……


最初はノックしてみるが、返事はない。次第にいら

つくと思いっきりドアを開けると部屋の中に入って

布団をひ っぺがす。


「美咲、いつまで寝てるつもりだ!起きろ!」


「ん〜〜〜、もう少しいいじゃん……ケチっ……」


「煩い、片付かないだろう?それに今日は日直だ

 から早く行かなきゃいけないって昨日言ったよ

 な?」


あらかじめ言っておいたのに、この始末だ。


「はぁ〜、早く起きろ!そして飯を食って学校行

 けよ」


「ん〜〜〜、鬼ッ……悪魔っ!」


「はいはい、鬼でも悪魔でもいいから早く起きろ

 よ」


それだけ言うと、自分の分の朝食を平らげ父親の

食器を一緒に洗う。

その間にかけておいた洗濯物をかごに入れて2階

へと干しに行く。


「今日はいい天気、しっかり乾きそうだな……」


天気がいい日は気分がいいのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ