なんでもいいが1番困るかもしれない。
ドラゴンの名前が『シエル』に決まった。
「さて、シエル。お前のご飯を模索しよう。」
俺は最初の目的を思い出した。
世話のかかるドラゴンになるか、世話のかからないドラゴンになるか。
ここからである。
とりあえず、冷蔵庫にある物を…食べさせてみようのコーナー。
うん。チーズとカルパスとハムと割引のサラダしかない。
冷蔵庫におつまみしかない。
それはそう。
24歳のほぼ一人暮らしの飯なんて、大体外食かテイクアウトだ。
一旦サラダを食べさせることにした。
「キャーン!」鳴き声と共に嬉しそうに食べている。
ドレッシング無しで食べても、ドレッシングかけてもなんら美味しそうにパクパク食べてる。
タマネギとかも食ってるな。犬さんや猫さんと違うよな。
チーズもカルパスも美味しそうにモリモリ食ってる。
俺の朝食にしようとしてた、ハムエッグもご飯もいくつかよそって分けると目を輝かせながらガツガツ食ってる。
なるほど。なんでも食う。
しかも、成人男性の1食分いかないくらいで満足らしい。
親父から貰った棒アイスも、食べている親父の真似をして爪に挟んで飛びながら器用に舐めて食べていた。
なるほどねぇ。味もわかると。塩味も甘味も。うん。
今日食べたものが全て美味しいとの事。
栄養バランスとかわかんねぇよ…このドラゴン。
特に気に入ったものとかもなく、全然今食べた物レベルの美味しさはオールオッケーとの事。
言うなれば、俺たちの食べたものの余り物でむしろ理想。
色々なものを食べてみたいとの事。
なるほどね〜。すっごい楽なドラゴン。
なんでこんなことがスっと分かるかって言うと、名前を付けた辺りから、かなり詳細にシエルの考えている事が伝わって来るようになった。
『辰が楽な方でいいよ。』みたいなニュアンスが、悩んでいると思考が飛んできた。
気を使ってくれる世話のかからないドラゴンであった。