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フッくんの贈り物  作者: とととと
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第4話 葬儀・告別式

 葬儀会場に着くと、


 キク「福配雄さん、葬儀・告別式の全日程終了する頃に冥界からお迎えの牛車を連れて再びここに来ます」


 キクは冥界へ戻っていった


午前10時に俺の葬儀・告別式は始まった。サンディーと恵多の他に、サンディーの付き添いとしてサンディーの入院してる病棟の看護師、今日の8時~16時の恵多の担当ベビーシッター、12球団の1軍と2軍と3軍の選手と指導者と職員と役員合わせて2000人前後が出席してる。名前は分かるが今更言う事でもない。会場ではいろんな人がいろんな事を言ってたが、人が多すぎてはっきりとは覚えてない。そして弔辞を話したのはサンディーで、こんな事を言っていた。


 サンディー「私が初めてフッくんに会ったのは、私が東京のテレビ局のアナウンサーになって1年も経ってない2025年2月のライオンズの春季キャンプ。あの日のフッくんの楽しそうな顔は今でも鮮明に覚えてます。その年の12月には私は過去に傷害事件で名を変えてた事が拡散されテレビ局のコールセンターがパンクし、東京のテレビ局を辞める事になり、フッくんは違法カジノに出入りしてた事がバレて2030年シーズンまでNPB公式戦出場停止処分を受けて解雇された」


 サンディー「そして私が次に会ったのは2029年4月、私の再就職先になった岩手のテレビ局のアナウンサーの仕事で社会人野球東北リーグのクラブチーム、盛岡オーロックスの取材に行った時、今日の出場登録選手が1人来てないという事が分かった為急遽捜索する事になり、その選手はギャンブル好きだという事を聞いて、恐らく盛岡競馬場にいると思ってそこにいくとフッくんがいたから無理矢理試合会場に連れ戻す事になった」


 サンディー「それでもフッくんは『今日は寒いから投げたくない』とか抵抗するけど、チームメイト達から試合に出てくれとしつこく頼まれて3回裏から渋々出たら投手で7回無失点、DHでは3打席3ホーマーの大活躍。その年は東北リーグ優勝して日本独立リーグ・地域リーグ入れ替え戦進出球団決定トーナメントを勝ち抜いて、入れ替え戦も勝って盛岡オーロックスの日本独立リーグ入りを決めた˩


 サンディー「その年の年末に偶然会った時にいきなりフッくんは『サンディー、俺と結婚してくれ、俺の様な無茶苦茶な奴は家族がいないと変わらんと思う、サンディーが俺を変えてくれ』て言われて、私は『会った事があるだけの人に恋人という段階を通り越していきなり求婚するとか何考えてるの?有り得ない』と言ったけど、フッくんは『下手な言葉ですまん。でもサンディーがいれば楽しく真面目に野球が出来る気がする。だから頼む』と言ってきたから、私はフッくんと結婚する事を決めた」


 サンディー「2030年のフッくんは日本独立リーグ入りした盛岡オーロックスで、所属地区の打者個人タイトル6冠と投手個人タイトル3冠を達成して、盛岡オーロックスも地区優勝してその後の独立リーグ日本選手権で優勝して、北海道ファイターズからドラフト指名されてNPB復帰を達成した。それから私はフッくんをサポートをする為その年の10月にアナウンサーを引退した。そして去年は2月に恵多が生まれた」


 サンディー「そして去年のフッくんは投手では最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・ベストナイン・ゴールデングラブを獲得し、打者では首位打者・本塁打王・打点王・盗塁王・最多安打・最高出塁率・指名打者でもベストナイン選出と圧倒的な大活躍をして来季年俸10億という凄い契約まで決まった。だけど今年2月に私が突然体調が悪くなって病院で検査したらステージⅣの膵臓がんで治せない段階まで進行してると告げられた。そして私はフッくんの活躍を1日でも長く見る為病院で薬を投与する入院生活をする事を選んだ˩


 サンディー「そして昨日、フッくんは打球が当たって死んだ。私がフッくんと過ごした時間はたった2年、恵多が生まれて家族3人で過ごした時間はたった1年しかなかったけど、とても楽しい日々でした。死後の世界があるとしたら、もう一度逢いたいです。他にも話したい事沢山あるけど、フッくんは長く話したら大雑把にしか覚えないから弔辞はこの辺で終ります」


 その後、出棺の時刻になると俺の遺体が入った棺は霊柩車に乗せられて火葬場へ行く。出棺の時に流れた曲は、スピッツ 魔法のコトバ。この曲は俺が赤ん坊の頃夜泣きをしてた時にラジオから偶然流れて夜泣きが止まったから、夜泣きした時はいつもこの曲をかけてたらしい。偶然にもこの曲の発売日は俺が生まれた2006年7月12日だ。そして葬儀・告別式の日程が全て終わり、サンディーが病院に帰っていったところで、冥界からお迎えの牛車が来た。


 第5話へ続く

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