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フッくんの贈り物  作者: とととと
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第2話 サンディー

 福配雄「サンディーはステージⅣの膵臓がんで入院中や」


 キク「え…妻が重い病気で入院中という時に、福配雄さんは死んだのね。次は福配雄さんの妻のサンディーがいる病院へ行きます」


 ここでキクはスマホの様な物を出し、


 キク「サンディーのいる病院はどこ?」


 福配雄「ここや!」


 キク「では行きます」


 と言ってキクが指を鳴らすと病院の入口に瞬間移動し、サンディーの病室へ向かった。しかし、サンディーの病室に入るとサンディーが突然話し始めた。サンディーの身長は175㎝で体重は40㎏だが病気になる前は60㎏台はあった。


 サンディー「フッくん…死んだんじゃなかったの?それに何でキクまでいるの?」


 キク「貴方、もしかして、私が小6の時にクラスメイトだった伊波(いは)シビルさん?名前変えたの?」


 サンディー「進学や就職をするにはそうするしかなかったの」


 福配雄「なあ、キク、通夜に来てた奴には俺の幽体が見えなかったのに、何でサンディーにはみえるんや?」


 キク「霊感の強い人や死期が近い人には見える事がある」


 福配雄「ちょっと待て!死期が近い人は見えるって、ここで言うのはあかんやろ!」


 キク「質問したのは福配雄さんです」


 サンディー「フッくん落ち着いて。キクがフッくんといるって事はキクも死んだ人なんでしょ」


 キク「そうよ。私は警察学校を主席で卒業して、潜入捜査官に抜擢されたんだけど、武器密売組織のアジトのを特定をする任務中に、捜査官だという事ががバレて殺されたの」


 サンディー「それとキク、フッくんはこれからどうなるの?」


 キク「葬儀・告別式の後、冥界の人生検査場で人生検査を受けて転生する迄の間天国で暮らすか地獄で暮らすかが決まるけど、冥界での行いによっては天国から地獄に降ろされたり、地獄から天国に昇れる事もある」


 福配雄「サンディー、体は大丈夫なんか?」


 サンディー「大丈夫、それと恵多は?」


 福配雄「寝てるよ。明日は俺の葬儀・告別式やから今日はしっかり休むんや」


 サンディー「分かった」


 キク「他に福配雄さんの親族は?」


 福配雄「俺は生まれた直後に捨てられたとこを保護された孤児やから親はいない。サンディーも中1の時に起こした傷害事件で一家離散して元の家族から接触拒否されているから、家族は俺とサンディーと恵多の3人や。恵多が中学卒業する迄に俺とサンディーの両方が死んだ場合は江頭さんに託す事は決めとる。俺は中2の頃学校の1年上の先輩だった江頭さんに『野球やってみるか?』と誘われて野球を始めた」


 ここでナースステーションにいる看護師がインターホンで、サンディーにこう呼びかけた。


 看護師「丸投サンディーさん、20時過ぎたので電気消しますよー」


 病棟は消灯時間になり病室の主電灯が消えると、


 キク「もう家に戻るわ。暗い所に長居すると危ないから」


 キクが指を鳴らすと俺は再び家に戻った


 福配雄「暗い所に長居すると危ないってどういう事や?」


 キク「死者の幽体は灯りのない場所では人間から出る悪意のエネルギーを引き込むから、一定量を超える悪意のエネルギーに侵されて悪霊化する前に冥界へ連れていく必要があるの」


 福配雄「悪霊化したらどうなるん?」


 キク「悪霊化した幽体は生界の物理法則を歪めて悪事を行う様になる。悪霊化した幽体は冥界憲兵隊生界部隊が捕まえて強制的に地獄に送る」


 福配雄「冥界とか人生検査場とか冥界憲兵隊って何や?」


 キク「冥界は死者が転生する迄の間過ごす場所で、天国16区、地獄16区、冥界特別区の計33区に分かれる。特別区は天国最下層の第十六天国区と地獄最上層の第一地獄区の間にあり、冥界の様々な公的機関の本部と、公的機関職員用の住宅や、公的機関職員向けの店や住宅等がある。人生検査場は特別区に約10万か所あり、人生検査は被験者が生きた各日の行いの良し悪しに1~32の点数をつけて、1日あたりの平均点でどの地区で過ごすかが決まる˩


 キク「第八天国区以上の地区に730日以上過ごせた者は公的機関の採用試験を受けられる。冥界憲兵隊は冥界の治安維持や、死者の幽体を冥界に連れていくのが仕事。冥界では法に触れる悪事をすると下位の区に降区になる。良い行いをすると昇区評価点数が貯まって昇区に必要な点数を貯めると上位の区に昇区できる。貴方の今迄の行いからすると、良くて下層天国あたりね。言い忘れてたけど、冥界では肉体の老化はしないし、死んでも体内に生きた細胞が残っている段階なら蘇生できる」


 福配雄「天国と地獄は何が違うんや?」


 キク「天国は労働義務がなく、7日に1回一定の金額が支給される。上層の天国に行く程支給金額が多くなるけど、その金額では買えない程高額な物もあるから、それを買う為に働く人も多い。一方で地獄では第一~第十五地獄区は一週間のうちの5日の8時間有給労働義務があり、作った物を冥界専売公社に卸して得た収入で生活をする。卸した物は冥界専売公社を通して天国や特別区の業者が買う。そして余った物は地獄で再販される˩


 キク「第十六地獄区は最も過酷で、お金というシステムは無く、植物や茸や海藻を採集したり、動物や悪霊を狩ったり、地面や山や洞窟を掘って得た鉱物等から、食べ物や薬や装備品や住居や道具を自ら加工して作るか、物々交換しか物資を入手する方法はない。転区に必要な条件はこうなっている」


 第3話へ続く 

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