表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/38

華と夢22

暖かな日差しの中、翠明は庭で草をむしりながら草木の手入れをしていた。いつの間にか水仙の花は終わり、木々は新緑の季節を迎えている。

清爛はそんな翠明を眺めながら長椅子に座っていた。

何をする訳でもなく自分を見ている清爛に、翠明は一息ついて立ち上がると、清爛の横に腰を下ろした。

【見張らなくても大丈夫ですよ】

翠明が清爛の手のひらに文字を書いて、笑った。

「仕方ないだろ、吏志もいないし、雅陵が来るかもしれないし。」

【お気になさらず】

「気にするだろ・・・」

少し照れたような、いじけたような顔をしている清爛に翠明が笑いかける。

「なぁ、翠明?」

「?」

「お前は、本当に何も知らないのか?」

翠明は清爛の言葉に首をかしげる。

「お前は、本当に、自分の事を知らないのか・・・?」

清爛の問いに、翠明は言われている意味が分からず再び首を傾げた。

「親の事とか、自分の事とか・・・本当に知らないのか?俺に言えないだけか?」

じっと自分を見つめて来る清爛に、翠明はなぜそんなことを聞くのだろうかと思った。

そして翠明は首を振って、清爛の手を取った。

【あなたに伝えられない事などありません】

そう書いて、一度清爛を見上げ、再び書き出した。

【以前お話しした通り、自分の事はほとんど知りません。母の事も、父の事も。母がどこにいるのかも知りません】

「そうか、」

【何か不安にさせてしまう様なことでもありましたか】

「いや、そう言う訳じゃないんだ・・・」

清爛は嘘が下手だと翠明は理解している。何か聞き出したい事があると言うのはすぐにわかった。それは自分の勘が鋭いのではなく清爛があまりに隠し事が下手なのだと翠明は思った。

【何か私に不都合がありましたか】

「いや!違う、本当にそうじゃないんだ、ただ、聞いただけだ、気にしないでくれ。」

慌てる清爛に、翠明は微笑む。

【お答えできる様な事があればいいのですが、何も知らないので、申し訳ありません】

「いや、お前が謝る事じゃない。」

清爛は翠明の肩にもたれる。

「・・・お前の出所など、俺にはどうでもいいんだ。」

翠明は微笑んで頭を下げた。


窓からそんな二人の光景をそっと見ていた吏志はため息をついた。

仲睦まじい二人、この間にやましい想いがあるなど吏志は想像したくもなかった。清爛が皇族でなければ全く問題のない二人の関係、皇位に付けない形だけの皇族ならばいっそ、町人の方が幸せなのかもしれないとさえ吏志は思ってしまった。

吏志はあらかじめ清爛から翠明のいた花街の事を聞かされていた。そして過去の話から翠明がいたであろう妓楼も突き止めていた。しかしその妓楼はすでに主人が変わっており、当時の事情を知っている者は誰もいなかった。

妓女もまた美を売る仕事、二十年も妓女を務められるような女などいるわけがない。

吏志もまた行き詰っていた。

身分を隠し、足で情報を探した。そして時には使者を使って情報を集めた。

その日吏志は一人の老女の元を訪ねた。

古い長屋、老女はそこで数人の同じ年くらいの老女達と暮らしていた。

「吏千と申します。楼蘭さんにお会いしたいのですが。」

玄関に出てきた老婆は屋敷の中に向かい大きな声で楼蘭を呼んだ。中から出てきた楼蘭は小奇麗にしている老婆だった。

「あんたが吏千かね、聞いてるよ。」

そう言うと老婆は外に出てきて、通りに置かれている長椅子に腰を下ろした。

吏志はその横に腰を下ろす。

「ちゃんと持ってきたかい。」

「えぇ、持っています。お話が聞けましたらお渡しします。」

「いや、前金だよ。長い事商売をしていたせいかあんまり人を信じちゃいないんでね。」

「わかりました。」

吏志は包みを渡した。

楼蘭はその中身を確認することなく袖にしまう。

「さてぇ、昔話が聞きたいとか言ってたかね。記憶がある限り話してやるよ。」

楼蘭は煙管に火をつけ、煙を吐いた。

「以前の桜薇楼について教えてほしいんです。」

「どこまで以前の話だい。」

「そうですね、二十年くらい前の話です。」

「二十年前か、覚えているかもしれないね。」

楼蘭は改めて吏志を見た。しっかりとした体にきちんとした身なり、町の物じゃないことはすぐにわかる。

「あんた、どっかの役人かい?それとも役人に雇われた情報屋。」

「素性についてはお答えできませんが、咎めるような立場ではありませんのでご安心を。」

「あたり前だよ、こっちは咎められるような事はしてないよ。もっとも、私の代の話だけどね、今は知らんよ。」

楼蘭は煙をふかした。

「で、二十年前の何を知りたいんだい、探している女でもいるんかね?」

「えぇ、その当時、耳が聞こえない娘がいたと思うのですが、その娘について情報を探しています。」

「あぁ、翠明の事かい?」

翠明の名前は案外にもすぐに出てきた。

楼蘭は少し懐かしむように空を見上げた。

「ちょうどその時だね、店を明け渡すことになったのは。翠明は母親に似て端正な顔立ちをしていて、すぐにこの子は売れるって思ったよ。耳が聞こえなくとも芸事が出来りゃ妓女としてはやっていける。私らはあの子にいろんなことを教えたよ。高く売れるようにね。あの時はまだ景気が良かった、思えばあの宴が最後だったかね、国の軍が妓楼界隈を貸切って、そりゃぁ大騒ぎをしたもんさ。」

その時の宴とは、高蓬の戦に勝利した宴であり、そこで清爛と翠明は出会った。

「賢い子だったよ、翠明は。字を覚え、読唇術を覚え、将棋や碁を覚え、教えれば教えるほど覚えたよ。店の子達も我が子のようにかわいがっていたよ。」

「母親の名前は?」

「璃林と言ったよ、本名かは知らないがね。」

吏志は話の内容を事細かくメモをした。携帯用の小さな墨壺に筆、あまり上質だと怪しまれると思い雑紙をまとめていた。

「父親は?」

「さぁね、璃林が店に来た時はもう腹に入っていたからね。相手がどこの男かまでは知らないよ。」

「母親はなぜ店に?」

「なんか、訳ありな感じがしたけどね。うちじゃ出所なんて気にしちゃないさ、珍しい事じゃないしね。妓女になるのに必要なのは知的な容姿と芸事だよ、うちは滅多な事じゃ体を売らせなかったからね。その分芸事に対しては厳しかったよ。璃林は容姿も良かったし、何より高い教養があった。あれはきっと、どこかのしっかりとした身分だったと思うよ。じゃなきゃあんなに多くの楽器や踊りをたしなめるわけがないからね。」

「楽器や踊り・・・」

「何人もの男が見受けを申し出てきたが、あの子は全部断ってたんだよ。それがある日あんなにかわいがっていた娘を置いて蒸発しちまうんだから、女ってのはわからないもんだよ。」

「母親はどこに?」

「知らないよ、翠明を置いて突然いなくなっちまってたんだよ。男に連れられて行ったって証言した子もいたけど、この仕事じゃたまにある事だからね、気にも留めないさ。ただまぁ、見受けだったらたんまりと金がとれたのに、それが悔しいねぇ。」

楼蘭は煙管の中身を捨て、新しく火を付けた。

「困っちまったのは翠明の処遇、稼いでもらおうと思ってもまだ子供だったし・・・そりゃぁ子供でもいいと言うのはいるだろうがそれじゃいつ縄に着くかわからないからね、そんな危ない橋は渡らないよ。母親の失踪以降表情がなくなっちまって、笑いもしなくなっちまったんだよあの子。」

「母親に何か特徴はありませんでしたか?なんでもいい。」

「特徴ねぇ・・・字が大層綺麗だったねぇ、それ以外何かあったかねぇ。」

楼蘭は幾度と煙管をふかしながら昔を思い出していた。

「・・・歌・・・」

「歌?」

楼蘭は思い出したようにつぶやいた。

「歌を、歌ってたよ。子守歌。聞いたことのない子守歌だったよ。耳の聞こえない娘に歌ってたねぇ。そういや、ここは雪が少ないとも言ってたよ。今思うと、この国の娘じゃなかったんだろうねぇ。そういやうちに来た時も、いい着物を着ていたのに随分とボロボロだったねぇ。」

楼蘭は二回目の煙管の中身を捨て、息を吐いた。

「華凛の所に行きな。あの子が一番仲が良かったと思うよ。見受けされていて、()の旦那の妾になっているはずさ。翠明の事もかわいがっていたからねぇ。」

「蘆さんとは、どちらの?」

「この先の通りにある大旅館の旦那だよ、うちから何人か連れて行っていたはずさ。」

楼蘭は立ち上がった。

「さぁ、もう知っていることは全部話したよ。後はもう忘れちまった。もっといろいろ思い出してほしきゃ追加で持ってきな、そしたら思い出すかもしんないね。」

楼蘭は吏志にそう言うと長屋へと帰って行った。

吏志は城へと戻り情報の整理をした。

もし、翠明が異国の高貴な身分の血を引く娘であった場合、その国名によっては少々面倒な事になるかもしれないと吏志は思った。

敵対国の皇族の血でも引いていようものなら、政治的に使われるぐらいならまだいいと思った。場合によっては本当に首を弾かれる可能性が出てきた。

吏志は部屋の窓を開けて外を見上げた。

考えたくないことが増えた気がして、吏志は深くため息をついた。そして、現実とは案外と無情なのかもしれないと思った。

もし、非常な結果が出た時、自分はどうすべきなのだろうかと考えた。

国に仕える身として、知り得た内容を全て正直に報告すべきか。

主清爛のために、虚偽報告を上げるか。

吏志は今、人生で一番重い判断をしなければならなくなっていた。

翌日から吏志は華凛の元へ使者を張り付かせてその行動を終始監視させていた。そしてその間の吏志は、いつも通り書斎で清爛と翠明と仕事を行っていた。

「結構さぼりましたか?」

「違う、量が多かったんだ。」

思いのほか多く残っている文に吏志は首を傾げた。

「残っているの、孫文様の物ばかりじゃないですか。」

「だから、量が多かったんだって。」

「すみませんねぇ翠明様、私が最近席を外していたために、ご迷惑をおかけしていませんでしたか?」

翠明は笑って首を振った。

玉連が食事の準備を始めると、翠明も席を外した。

それを見計らって、清爛は吏志に声をかける。

「何かわかったか?」

「・・・いえ、なかなか・・・」

「そうか、」

吏志は笑顔で清爛の問いかけに答えた。

清爛が自分の回答に疑惑を抱いているだろう事は容易に想像できた。それでも吏志は、今現段階で何かを伝えるわけにはいかなかった。まだ、自分の中でも回答が出ていない以上、うかつに事を口にすべきではないと思った。

清爛もまた、吏志が何かを掴んでいるのにあえて言わないことを察した。その理由は絞れなかったが、吏志のまじめな性格上、兄に気を使っているのだろうと思った。

吏志に翠明の調査を依頼したのが高蓬である以上、吏志が最初に伝えなければならない相手は高蓬だからだった。

「吏志?」

「はい。」

「もしどんな結果であったとしても、俺は翠明を手放す気はない。」

「そう、でしょうね。」

吏志は清爛に再び微笑んだ。

「もし、何らかの背景で、翠明をここから出さなければならないのであれば、その時は俺も出る。」

その台詞は、吏志には容易に想像つく内容だった。

「お前はもともと兄貴に就いていた、だからこそ、兄貴の命には背けないだろう。それはわかっている。だから、俺の先の事など気にしなくていい。」

笑顔で言う清爛。それは吏志には重く、辛い言葉だった。

吏志は清爛に就く前に高蓬に就いていた。だからこそ、高蓬の表も裏も知っていた。

高蓬が実は清爛を利用していると知った時、清爛は本当の意味でこの城で一人になるのだろうと吏志は思った。そして翠明までも奪われた時、清爛の孤独はもはや抱えきれるものではないだろうと思った。

それはあまりにも無慈悲であり、絶望的であり、残酷であり、見たくない光景だった。

吏志は、清爛の前に膝をつき、頭を下げた。

「私の主は清爛様です。例え高蓬様の命であったとしても、私にとってはあなたこそが最も大切な存在です。それだけはどうか、忘れないで下さい。」

吏志は顔を上げ、清爛を見つめた。

「お前を信じているよ、吏志。」

清爛は笑った。

吏志の中の迷いはなくなった。

吏志は、清爛と翠明を守ることを選んだ。

例えその結果、自分の首が飛ぶことになろうとも、この二人がこの城でもこの国でもないどこかに行くとしても、幸せであれるのならばそれでいいと。


華凛に付けていた使者から吏志に連絡が来た。

華凛は今女将業を行っていると言う連絡だった。

旦那の方はやり手で商いに対してもしばしば強引なところがあるようだが、華凛の評判は良かった。

吏志は、華凜に会うことにした。

「吏千様ですね、どうぞこちらへ。」

吏志は宿泊客になって宿へと入った。

大宿なだけに使用人も客も多く、中はせわしなく動き回っていた。

通された部屋は小さいが綺麗にされていると吏志は思った。吏志は部屋の前を歩く使用人に声をかけた。

「女将さんは今日いるかな。」

「はい、おりますが・・・?」

不思議がる女に吏志は笑顔で声をかけ続ける。

「古い知り合いでね、少し話がしたくて。楼蘭と伝えてくれたらわかると思うよ。呼んでくれるかな。」

吏志はいくらかを使用人に渡した。

使用人の女は手に握らされた貨幣に驚き吏志を見る。吏志は黙って、笑顔のままだった。

「わ、わかりました!お待ちください!」

女は慌てて去って行った。

そしてその後、血相を変えてやって来たのは華凛だった。

華凜はきれいな身なりをした女将だった。吏志を見るや静かに戸を閉め、中に入ると頭を下げた。

「お呼び立てしてしまいすみません。」

吏志が声をかけた。

「吏千様と、伺っております。以前お会いしたことがありましたでしょうか。」

「いいえ、あなたとは初めてだと思います。」

「ではなぜ、お母さんの名前を・・・」

華凛の目は、疑っている様な、怯えている様な、そんな目だと吏志は思った。

「ある人を探しています、それで楼蘭さんにあなたの事をうかがいました。お話を聞かせていただけませんか?」

華凜は眉間にしわを寄せて、未だに疑ったように吏志を見ていた。

「大丈夫、あなたの過去について問う気も口外する気もありません。ただ人を探しているだけです。ご協力いただけませんか?」

「・・・どなたを、お探しですか?」

「璃林と翠明母子についてです。」

「璃林と、翠明・・・」

その名前を聞いて、華凛は身を起こし、表情を緩めた。

「あなたが一番仲が良かったと聞きました。璃林さんについて、何かご存知な事を教えていただけませんか?」

「なぜ二人をお探しに?」

「実は、私の主が当時店に通っておりまして、現在の状況を調べてくるように頼まれたのです。」

事態を理解し落ち着いてきた華凛は大きく息を吐いた。

「あなたがお母さんの名前を出してきたので驚きました。ここでは以前の事は主人と数人しか知らないもので、失礼しました。」

「脅かしてしまい申し訳ありませんでした。」

「お母さんは、お元気ですか?」

「えぇ、元気でした。たぶん以前と変わりないと思います。」

「と言う事は、あなたもいくらか取られたのね。」

「よくご存じで。」

華凜が笑い、吏志も笑った。

その後、華凛は以前の事を話し始めた。璃林が来た時の事、店で翠明が生まれた事、幼かった翠明の事、女達が翠明を可愛がっていた事、目を細め懐かしげに話した。

「お母さんは私たちに体を売らなくていいといつも言っていました、体を売れば値が下がるからと。高値の花だからこそ妓女は売れるのだと。璃林はその点では素晴らしかった、教養があり芸事が出来て、男達はこぞって璃林の見受けを申し出た。でも璃林は翠明の事を何より大切にしていたから、全部断っていたのよ。」

「璃林さんは、どこのご出身とか、聞いたことありますか?」

「備国って、聞いたわ。」

「・・・・・」

吏志の中で、最悪の結末が過った。

「嫁ぐ先が決まっていたそうよ、でもその時には翠明がお腹にいたそうなの。それで、逃げて来たみたい。」

「男性については?」

「それだけは絶対に言わなかったわね・・・なんか、あまりいい思い出ではないみたいだったし。嫁ぎ先を蹴って妓女に身を落とすぐらいだもの、望んだ相手ではなかったのかもしれないわね。」

吏志にはなんとなく、璃林と言う母親がどのような流れで店にやって来たのか読めた気がした。

「璃林さんは娘を置いていなくなったと聞きました、どこに行ったかご存じありませんか?」

「わからないわ。でも、私は璃林が翠明を置いて男と逃げるなんてありえないと未だに思っているの。璃林が数人の男に連れて行かれるところを見たと言っていた子がいたんだけど、その子も外で男と会っている最中で、咎められる可能性があったから、あまり強く訴え出る事もできなかったのよ。私は、璃林は連れ去られたのだと、思っているわ・・・」

華凜は切なそうな顔をした。

「私はその後すぐ見受けされてここに来て、その後の翠明の事はよくわからないの。でもしばらくしてお母さんが隠居してお店が変わって、翠明が花街に売られたと聞いたわ。どうしているかしらね、翠明。」

吏志は華凛に翠明の事を伝えてやりたかった。しかし、それをしてしまえばいつかは清爛の所にたどり着く可能性があった。吏志は、耐えるしかなかった。

「お母さんの時の桜薇楼は良かったけどね、今は表向きは妓楼だけど中は遊郭と同じよ。」

華凛は深いため息をついた。

「璃林、綺麗な子だったわ、色が白くて。翠明も同じ、璃林に似て、きっと美しく成長するんだろうなって思った。賢くて、幼いのに美しい字を書いていた。あれで耳が聞こえていたらね。」

「耳は、生まれた時から聞こえていなかったのですか?」

「えぇ、そうよ、翠明は病気をしたことはないわ。血縁が近い者同士との子は耳が聞こえないとか言うけど、まさか親兄弟の子だったりしてね。」

「失礼します、おかみさん、旦那様がお戻りです!」

「あら、すぐ行くわ!」

華凜はあからさまに慌てた様子だった。

「ごめんなさ、お迎えに行かないと。ごゆっくりされてください。」

華凜はそう言うと頭を下げ、吏志の元を去って行った。

吏志は、頭を抱えた。

めまいと吐き気がした気がした。備国と言う国名を聞いただけでも頭が痛かったのに、最後の言葉はもっと酷いと思った。

吏志はどこかで、最後の言葉が妓女の迷信であってほしいと思った。吏志は宿を出て、城へと戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ