覚え書き(第一章)
第二部開始前に、設定集という名の覚え書きを公開します。
ほんの少しですが、この世界の設定というか覚え書きです。
あくまで覚え書きですので、もしかしたら物語中との整合性が合わないかも知れません。
●物語の舞台
地球で言えば、十六~十八世紀くらいの中世ヨーロッパ。
後述してますが、ファンタジー世界ですが魔法はありません。
魔法によく似た石は出てきますがそれが生活の中心でもなく、あくまで便利な道具として使われるだけです。
この世界の人は、力と知恵でこの世界を生きています。
●暦について
太陽暦ではなく独自の暦を使用してます。
新年は春分から始まります。夏至が過ぎれば夏、秋分からは秋、冬至を過ぎると冬となり、太陽暦に比べると三カ月ほどずれてます。
四季もあります。
なぜこうなったかといえば、この方が自然だから。
●アルテミラ暦
この国にはアルテミラ建国時に設けられたアルテミラ歴というものがあります。
ちなみにトゥーレの生年は、アルテミラ歴でいえば三一五年です。
一応プロット的な年表はあるので、そのうち年表を公開するかも知れません。
●支配体制について
アルテミラは封建国家ですが設立時は絶対王政に近く、国力が衰えるにつれて地方の領主が次第に力を持ち各地で領土拡張のため戦乱が起こっている。
またサザン以外は徴税をギルドに依存しているため、領主といえどギルドの意思は無碍にできない。
●トゥーレとの年齢差
オリヤン +五十一歳
シルベストル +四十六歳
ザオラル +三十六歳
テオドーラ +二十二歳
オレク +四歳
ユーリ +三歳
ルーベルト -二歳
リーディア -四歳
エステル -六歳
●ミラーの騎士
アルテミラにおいてミラーは、騎士を超える存在として位置付けられており、戦時下では王の全権代理人として行動する。任命は王のみがおこなえ、唯一王のみの命令に従う。
アルテミラ建国に功績のあった十七名を任命したことが始まりとなる。国内が安定するにつれその数は減少し、一時は三十二年間不在だった時期もあるなど、アルテミラ治世三〇〇年で僅か六八名しか存在しない。
その騎士を超越した力は王国にとっても諸刃の剣といってよく、歴代の王といえども任命をためらわせる程であり、在任中に一名も任命しなかった王の方が多い。
国の安定によりその数を増減させることから、ミラーという名も相まって王国を写す鏡といわれている。
●紋章
その家を表す紋章。もともと戦中においての敵味方の識別のために使用され始めた。
それが軍団および騎士団を表す印となり、アルテミラの統一を経て、それぞれの家の紋章として広まった。(第一部未登場の者もあり)
・トルスター家 :白地に朱の船と交差した櫂
・ストランド家 :深い青地に黄の麦穂
・アルテミラ王家 :獅子(現王家は朱地に白で獅子が天に吼える図)
・ミラー騎士団 :黒字に睨みあう二頭の白い獅子(王家を写す鏡だといわれる所以)
・ストール家 :濃紺に白または朱の獅子(王家に繋がる家系をあらわす)
・ゼメク家 :緑地に黒の鷲
●ギルド
商人たちが、自分たちの利益を守るために作った組織。
商業組合みたいなもの。職業ごとに乱立している。
初めこそその理念に基づいた運営が為されていたが今では当初の理念は見る影もなく、一部の商人たちに牛耳られ莫大な利益を得ている。彼らの影響力は強大で、その資金力により領主の首を挿げ替えることもある。
多くの領主にとっての悩みの種だが、国王ですら制御できない権力を握っている。
●魔法石
ファンタジー世界ですが魔法は使えません。
魔力を含有した石(魔法石)を使用することで、それに近い効果を得ることができる。
しかし、あくまでも便利な道具として使用するのみで決して主役ではない。
魔法石にも種類があり、もたらす効果によって魔光石や魔水石など呼び名が変わる。
魔法石に軽く衝撃を加えると内包された魔力が放出され、魔光石なら光を放ち、魔炎石なら爪の先ほどの大きさで竈に火を起こし、魔水石は親指の先ほどで大きな瓶一杯分の水を出せる。
火石(魔炎石):赤色に黒のマーブル模様
水石(魔水石):水色に黒のマーブル模様
光石(魔光石):淡い金色
屑石(魔弾石):橙色に白い斑点
●サザン
ハスキ川の中州に建つ城塞都市
街の規模はさほど大きくはなく、いびつな楕円形をした街の直径は最も広いところで八〇〇メートル、狭いところで五〇〇メートル程。その中におよそ一〇〇〇〇人程の住民が暮らし、街に入りきれない人々が周辺に寄生するように身を寄せている。
●ネアン
サザン以上の大きな街。タステ街道の始点に位置しサザンから出荷された岩塩の中継地として栄える。
この町を起点としてエンを越えて東へ向かえばトノイ。セラーナ川を下って北へ向かうとフォレスヘと通じる。
●カモフ地方
かつての氷河が削り取った巨大なU字谷の景観が美しい。
氷河が永い時を掛けて削り取ったこの地は、痩せた大地を残した代わりに岩塩という宝を残し、周りから隔離するかのような厳しい地形は、岩塩坑が見つかるまでは辺境の地として人々から忘れられたような存在だった。




