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第九十五話 ドゴラン王国

「すごいです。これがドゴランの国なのですね」


 男の娘バニーガールのワイトが目の前の風景を見て、感動の声を上げた。

 町並みは奇麗に整っており、いろどりの建物が並んでいる。樹木が立ち並び、人間だけでなく亜人たちも一緒に歩いていた。さらに魔獣もおとなしくしている。

 様々な民族衣装が並んでおり、モコロシ王国よりとは思えないほど異国情緒が溢れていた。


「ふん、相変わらず活気があふれているなここは!! まったく忌々しいったらないぜ!!」


「ケダン。あなたは褒めるかけなすかどちらかにしなさい」


 銀色の犬耳少年が悪態をつくと、同じく銀色の犬耳少女が窘めた。

 二人は双子の姉弟なのだ。

 姉のナイメヌは素直にドゴラン王国を褒めているが、ケダンは複雑な心境である。何しろ恋敵の国なのだ。その一方で花級フラワークラスという上位に位置する冒険者としては、けなしっぱなしにすることもできず、イライラしているのだ。


「駄犬よ。お前がいくら吠えようとも、俺の心はなびかない。俺には常にやっかみの声がまとわりつくが、王である俺には構う暇などないのだ」


 カラスの羽根のように美しい黒髪の美少年が答えた。ドゴランを5歳で作った国王ドゴランその人である。

 彼はひさしぶりに故郷の土を踏んだ。だが懐かしさなどない。ここは彼の家だからだ。常にドゴランの心には国を想っているので懐かしむ必要はないのだ。


「おお、ドゴラン様だ!!」


「ドゴラン様が帰ってきた!!」


「ドゴランッ! ドゴランッ!! ドゴランッ!!」


 民衆はドゴランを見ると一斉に集まって、ドゴランコールを始めた。老若男女はもとより、高貴そうな人物や野蛮そうな人物もいっしょくただ。ドゴランがこの国において国民に愛されているあかしである。


「皆の者!! 我は帰ってきた!! だが戻ってきたわけではない、あくまで割れの問題を解決するための一時帰国だ!! だが我はお主たちの事を一時も忘れたわけではないぞ!!」


 ドゴランが銅鑼のように響く声で答えた。すると国民も歓喜の声を上げる。

 

「あら、帰ってきたのねドゴラン」


 声をかけたのは一人の美女だった。癖のある栗毛に群青色の襦袢を着ている。丸眼鏡をかけており、すらっとした長身だ。何より胸はスイカほどの大きさがある。


「おお、サーパンか。出迎えご苦労」


「サーパン……。スコイデ王国一番の学者だったそうですね。今はドゴランの宰相を務めているとか」


「あらワイト・サマドゾ様ですね。ドゴランが嫁にすると手紙をよこしたときは正気を疑いましたが、さすがはドゴランの眼にかなったと言えますね」


 サーパンと呼ばれた美女が答えた。彼女は眼鏡をくいっとあげながら、ワイトの身体をじろじろ見た。胸は大胸筋が膨らんでいるがぺったんこである。だが腰つきはきゅっとしまっており、臀部も大きい。胸のない美少女と呼んでも差し支えなかった。


「……やれやれ、さすがはドゴランの好みと言ったところでしょうか。私たちに飽き飽きしたというわけですね」


「どういう意味でしょうか?」


「別に。では改めまして。わたくしはドゴラン王国の宰相、サーパンと申します。元はスコイデ王国の学者一族の一員でしたが、ドゴランに惚れて国を捨てました。では皆様、ドゴラン城へお越しください」


 そう言ってサーパンは数台の馬車を用意していた。彼女はワイトたちが来るのを事前に知っていたのだ。国民もあらかじめドゴランの帰国を通知されていたが、彼が帰国するまで黙っていたのである。

 下手に情報をばら撒けば敵対国がそれを利用して、国に嫌がらせをするからだ。


「しかし見事な胸でござるな。たゆんたゆんでござるよ。一回でいいから揉んでみたいでござるな!!」


 ワイトの双子の妹パルホが歓喜の声を上げた。それをワイトが窘める。


「パルホ。女の子がそんなことを言っちゃだめよ」


「ではワイトは揉みたくないでござるか?」


「うーん、興味ないな。揉むなら自分のお嫁さんしか揉まないね」


「それならガベリン殿でござるな。あの方は男装の麗人でござるが、割とボリュームがあったでござるよ。腹筋も割れていたでござるがな」


 二人は談笑しながら馬車に乗り込んだ。ケダンはその様子を見て複雑そうな顔をしている。


「こらケダン。あなたワイト様の性癖を疑っているわね?」


「うっ、疑ってないよ!! そもそも俺なら自分の股間をワイトに幾らでも揉ませてやるぜ!!」


 ナイメヌはケダンの頭にチョップを決めた。あまりの痛さにケダンは目から涙がこぼれる。


「いてぇな!! 何しやがるんだ!!」


「もう少し心を落ち着けなさい。私たちは花級の冒険者としてこの国に来ているのですよ? 花びらペドルクラスのお父様たちが恥をかくではありませんか」


 そう言ってナイメヌは父親であるサリョドを見た。足元には銀色の狼の魔獣アルジサマが横にいる。彼は一流の冒険者なのだ。


 ケダンは姉に言われて黙り込んだ。その後馬車に乗り込む。


 ドゴラン場は豪華絢爛な作りであった。まるで龍のあぎとのような形だ。金細工をふんだんに施しており、珍しい宝石や美術品が立ち並んでいる。

 城の周囲は甲冑を着た猪の亜人の兵士たちが巡回している。空はハーピーたちが、深く広い堀の水には人魚たちが見張っていた。ドゴラン曰く、人を襲うので自分が抑え込み、仕事を与えたそうだ。


 さて城内には美女たちが立ち並んでいた。サーパンはもとより、スコイデの女商人や、サゴンクの美妃、見目麗しい女将軍など様々な美女がいた。

 その美女たちは全員巨乳であった。ワイトはドゴランの姉であるエスロギを見た。彼女の胸もメロン並みに大きい。


「別に弟は巨乳好きではないデス。ですが昔から巨乳に好かれてイマシタ。母性本能をくすぐるのかもしれませんネ」


 エスロギがため息をついた。ワイトはそれを見てなるほどと思った。

 サーパンは水滸伝の豹子頭林冲がモデルです。名前だけですが。

 モコロシは唐土もろこしといい、昔の中国の呼び方です。

 スコイデは水滸伝。サゴンクは三国志がモデルですね。

 なろうのテンプレは巨乳のハーレムだろうと思いました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 恋愛関係複雑ですね。
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