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第七十一話 冒険者ギルドに 行ってみよう!!

「さぁ、今日から冒険者ギルドに登録しますよ~」


 波打つ白髪の美少女が答えた。着ているのは赤いぴっちりしたスーツにタイトスカートを履いている。キャコタ王立学園教諭ワイト・サマドゾだ。

 ここはキャコタ王国に東区にある冒険者ギルドだ。キャコタには東西南北で区域が分かれている。

 北区は王族や貴族の住む区域であり、西区は一般人が多く住む。

 南区は商人が多く住んでいた。東区は外国人が多く住む地域だ。様々な国から冒険者だけでなく、海外からの観光客や労働者も多い。

 ただ労働者の中には犯罪者になり、盗みや殺人、密輸などが横行している。それゆえにキャコタ王国軍はこの地区に特別、兵力を割いていた。


 今回ワイトは木組ウッドクラスの生徒達を引き連れて、冒険者ギルドに来ていた。

 ギルドは石造りの三階建てだ。他国に比べればかなり立派である。

 生徒達は気おくれしていた。ギルドの作りは自国の城より立派という生徒も多い。入学当初は傲慢だった彼等もワイトの指導ですっかり牙を抜かれた狂犬となっていた。今では治療を受け、正常な状態になっているといえる。


「はっはっは。この国のギルドが立派なのは、訪れる冒険者の数が多いからでござる!! キャコタは先進国でござるが、それ故にモンスター娘や魔獣の被害も馬鹿にできんのでござるよ!!」


 日焼け肌が眩しい、黒髪を短く刈り揃えた黒いスーツを着た美少年が答えた。ワイトの双子、パルホ・サマドゾである。笑うと眩しい白い歯が光った。


 ワイトは美少女に見えるが、実は男だ。

 逆にパルホは美少年に見えるが女である。


「おっ、王国軍がいれば、もんしゅたーむしゅめや、まじゅうなんか、目じゃないのではないれすか?」


 訊ねたのは背が低い、丸刈りの少年だ。垂れ目で団子鼻に鼻水を垂らしている。でっぱだ。

 名前はマルデ・ダ・メナコといい、北方にあるナーロッパ諸国のひとつ、メナコ王国の第一王子だ。

 何をやらせてもダメ。勉強も運動も最低で、周囲からだめな人間と馬鹿にされていた。

 キャコタ王立学園に入学させたのも、マルデが問題を起こして退学になることを期待してのことであった。


 ところがワイトの教育のおかげで彼は魔法を覚えてしまった。その力で苦手な運動や勉強ができるようになったのだ。舌足らずなしゃべり方は治らないが、一般人以上の実力をつけている。しかも一般人に魔法を教えられるようになったのだ。


「王国軍が魔獣を倒してもすぐに増えます。そもそもモンスター娘と魔獣は普通の獣や植物に人間が生み出す邪気によって生まれ変わるのです」


「そうでござる!! キャコタ王国は豊かな国でござるが、それ故に生み出される邪気の濃度は他国より上なのでござるよ!! 拙者らの住んでいたサマドゾ王国では大魔王エロガスキーの影響が強い故に、魔獣たちも強かったでござるな!!」


 ワイトとパルホが説明した。生徒たちはモンスター娘や魔獣の事を知っていたが、直で見た者はすくない。


「確かモコロシ王国やピロッキ王国のように国土の広い国では、邪気が薄い故にモンスター娘は強くないという話を聞いたことがあるな。実際にドゴランと他国のモンスター娘の強さはけた外れだ」


 次に女性のように美しい男が答えた。カラスの羽根のように美しい髪が女性のように長い。

 ドゴランである。彼は王立学園の人組ヒューマンクラスの生徒だったが、ワイトとパルホの助手になったのだ。


「あー、王国軍はようしぇいしゅるのに、時間がかかるのれすね? だかりゃからだがかりゅい冒険者たちをやとうのでしゅね?」


 マルデが答えた。その通りとワイトが肯定する。入学当初はまともなやり取りすら困難であったが、ワイトが頭に魔力を流したおかげで脳が活性化し、真っ当なやり取りができるようになったのだ。家臣の一部は苦い顔になっていたが。


「でも王国軍がいっきにつぶしたほうがよいとおもうけど、ここのもんしゅたーむしゅめはちがうのれすか?」


「正解です。キャコタ王国のモンスター娘と魔獣は外国人が生み出す邪気を吸い取っています。本来外国でしか見かけないモンスター娘もここでは珍しくありません。魔獣も然りです」


 ワイトが説明する。そしてギルドの中に入るよう促した。広いロビーには剥製が飾られてあった。

 虎の身体に猿の顔、蛇のしっぽを持つ怪物がいた。天井を軽く頭に触れる巨人もいた。カエル頭の人間もいた。あらゆる異形が揃っており、生徒たちは怖気づいていた。


「猿顔に虎の身体を持つ魔獣は鵺と言い、使熊荷シグマニ王国の魔獣です。巨人はナーロッパ諸国で有名な巨大化した猿の魔獣です。カエル頭の人間はキャコタより海を南に下った国、クレオパネコ王国の魔獣ヘカテです。他にも他国の魔獣のはく製が揃っておりますが、全部キャコタで倒されたのですよ」


 ワイトの説明に全員が驚いた。多種多様の魔獣のはく製。中には自国で見た者もいるだろう。それがキャコタに一斉に集まってきている。


「うーん、僕の祖国カモネチ王国で見かけた蛇の魔獣ヴリトラまでいる……。本当に多種多様なのですねこの国は……」


 黒っぽいハムスターのような少年がつぶやいた。カモネチ王国の王子、キョワナ・カモネチである。


 よく見ると冒険者たちも外国人が多い。受付嬢も同じだ。人種のるつぼ。それは良くも悪くもごちゃまぜの世界であった。

 鵺は日本、巨人は北欧、ヘカテはエジプト神話、ヴリトラはヒンドゥー教の怪物です。

 そもそも今回の設定は最初から決めてませんでした。適当です。

 多種多様だからいいことばかりとは限らないので、負の面を出すのにちょうどいいと思いました。

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[一言] 新しい風が吹いてきたようにも見えます。
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