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男の娘バニーガールは 最強の魔法使いで 学校で男だけのハーレムを築きます。  作者: 江保場狂壱
第十章 ドゴランは ワイトより トラブルメーカー
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第六十七話 憑依傀儡

生霊いきりょう……、ですか?」


 ワイトはエスロギに尋ねた。千の魔法は知っていても生霊の事は知らなかった。

 ドゴランの事も気になるが、とりあえずエスロギの話を聞くことにする。


「生霊とは生きている人間から抜け出た魂の事デスネ。私の死霊は本来死んだ身体から抜け出た魂の事で、彼等の無念を晴らすことで使役しているのデス」


 そう言ってエスロギはドレスの裾を上げた。薄紫色の下着が見える。いや見せるための下着であった。ワイトは見たが、特に慌てなかった。ドゴランは、はしたないとつぶやいている。

 股間の部分には六芒星が描かれている。


「女のアソコは命を生みだす、生者の門。この下着は死霊を呼び込むための死者の門なのデス」


 エスロギが説明する。彼女の死霊降臨は活殺自在に使えるわけではない。その大地に染み込む死霊の声を聞くことで死霊の無念を晴らすのだ。

 1年前にキャコタ王国ではキャコタ海軍が革命を起こそうとした。首謀者はイコクド司令官で国の最高指導者になるという私怨で動いたのだ。

 エスロギは革命を阻止するために召集された冒険者だ。彼女は船に染み付いた死者の声を聴く。イコクドによって殺された兵士は数多く、死んだ兵士たちの無念の声が蜂が大群で羽ばたく如く、頭に響いた。

 

 エスロギは死者たちの無念を晴らすべく、死者の門からイコクドの部下たちに恨みを抱く死霊たちを呼び出したのだ。


「そもそも霊を扱う秘術はスキスノ聖国から伝えられたものデス。魔女の子孫が知らないのは当然デスネ」


 エスロギの説明にワイトは納得した。魔女は数多い呪文を生み出したが、スキスノ聖国の法皇は魔法に頼らない魔道具を生み出した。その中には魔法とは違う技術も含まれている。カハワギ王国に伝わる精霊魔法も、魔法と名が付いているが、実際は法皇が作り出したのだ。


「今回使われた秘術は特定の人間の生霊を、特定の人間に憑依させるものデス。憑依傀儡と言い、何も知らない素人を、熟練の戦士に変えてしまうのデス。もっとも憑依された身体は酷使されてボロボロにされてしまいマス」


 エスロギの言葉を聞いてパルホの顔が曇った。箆血翁へらちおう泥鎌嵐でいかまらん六九ろくきゅう兄妹など数々の生徒達が暗殺者と化した。その後、憑依が解けた生徒たちは激しい筋肉痛に悩まされ、神経がズタボロになった。

 ろくに体を動かさなければ、身体が悲鳴を上げるのは自明の理だ。パルホは生徒たちの健康を顧みないやり方に対して、敵に怒りを覚えていた。


「ふん。話が長いな姉上。さっさと犯人の名を挙げたらどうだ? 時間の無駄だ」


 今まで黙っていたドゴランがしゃべった。彼にとって自分の命を狙う相手など鼻にもかけないだろう。敵がいるならさっさと倒せばいい。自分の邪魔をするものは例外を除いて排除する。それがドゴランであった。


「ドゴランは気が短いでござるな。敵がどのようなものか考えるのも拙者とワイトの仕事でござるぞ。相手が何でこんなことをするかをな」


 パルホが言った。ワイトもうんうんと頷く。


「パルホの言う通りですよ。今回の事件はドボチョン・ロックブマータとは関係なさそうですが、なんで学園内でドゴランさんを狙うかが問題なのですよ」


「この場合、ドゴランが暗殺者に狙われて何が起きたかが大事でござるな」


「そうですね。学園長先生から聞いたのですけど、ドゴランさんを退学にするべきだと声が上がっています。そもそもドゴランさんは協調性がまったくありませんし、やりたい放題ですからね」


 ワイトは呆れていた。ドゴランは確かに強いし頭がいい。しかしすべてがずば抜けているのだ。他の生徒達はドゴランを異形の怪物と見ているし、教師たちも腫れものとして扱っていた。


「ふん。こんな学校はやめてもいいが、キャコタ王国はそれなりに見るものが多いからな」


 ドゴランが不機嫌そうに答えた。天才の彼はなんでもかんでも覚えてしまい、物にしてしまうのだ。

 ワイトも同じようなものだが、彼は覚えたものを研鑽することを好む。そこがドゴランとの違いだろう。


「ですが学園長先生はドゴランさんを退学にしません。ですがモコロシ王国や、サゴンク王国、スコイデ王国の大使が毎日のように抗議に来ているそうです。犠牲になった生徒たちは全員今挙げた三国出身ですからね」


「おや、エスロギ様も抗議していたでござるか?」


「当然デス。私は冒険者であり、大使なのデスヨ。父上からは全権を預かっておりますが、他の二カ国からつるし上げられてマス。ウシワカたちが対処してくれなかったら、私死んでマシタ」


 パルホの問いにエスロギは腹をさすりながら答えた。彼女は割と苦労人のようである。


「相手の狙いはわかりマシタ。三国の生徒達を片っ端からドゴランに始末させるためデスネ。そもそも相手は暗殺者に豹変しておりマス。ドゴランの行為は正当防衛デス。我が弟は利用されているだけデスネ」


 エスロギがあっさりと答えた。一体犯人は誰だろうか?


「生霊の憑依は憑依される人間の顔と名前を知っていればいいのデス。後は特定の生徒達にしるしを刻めばイイ。それが出来るのは王立学園の教師たちだけ。その中で一番を得をするのはキリョイ・カウゲスただ一人。かつてドゴランが国を興す前に先住していた民族の末裔デス」


 意外な名前にワイトとパルホは目を丸くするのだった。

 キリョイの名前は生霊のアナグラムです。実際は幽霊のように不気味な人間にするつもりでしたが、今回こちらに出しました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 姉、優秀ですね。
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