ぽー
ぼくは花丸成人。小学生。
お父さんとお母さんがお出かけしたから留守番していたら、突然お父さんのパソコンから高くてうるさい音が鳴り響いた。
ぼくは耳を塞いで近寄ったら、画面に不気味な顔が映っていた。それは、最近発売された『心霊』ってゲームの敵キャラだったんだ。充血した目をギョロリと動かしてぼくを睨みつけると、手を伸ばしてきた。
あれ?と思ったよ。だって、画面に映っているだけのキャラが、画面から手を出してきたんだから。手が体に触れてから、ようやく危ないと気づいて、手を振り払って逃げ出そうとした。
でも、そこでこけてしまった。お父さんが置きっぱなしの酒ビンに。敵キャラは、画面からとうとう上半身を乗り出して、倒れているぼくを見て
ニヤリと笑った。平面で見たときの顔よりずっと恐ろしくて、僕は腰が抜けてしまった。
もうおしまいだと思ったその時、窓を破って忍者が飛び込んできた!そして敵キャラをかっこいい刀で一刀両断したんだ!そして立て続けにお父さんのパソコンに左ストレートを叩き込んで壊してしまった。
「君、これは弁償代替わりだ。親が来ても、私のことは話してはいけないよ」
と言って、僕に汚いお守りのようなものを押し付けてきた。そのまま、割った窓から出ていっちゃった。帰ってきたお父さんにはすごく怒られた。
あれから僕はゲーム機でゲームを遊ぶことが無くなった。ホラーゲームなんか特にだ。あの『心霊』の敵キャラの顔が浮かんできて、楽しむことなんて出来なくてね。