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夜道  作者: 猫乃つづり
7/8

番外編 山田(仮名)はラジオとゲームが趣味でした 前編

深夜というのは幽霊にとって、活発になる時間だとは言われているが、最近知ったことなのだが、そうではないことを知る。


実際は、まぁ確かにその常識は、正しいっちゃ、正しいのだが、

全ての幽霊に当てはまるとは思いなさんな!


事実、昼の時間も幽霊とは活発なものであり、お化けは暗いところが好きっていうのも、正解!とは言えないものだ。


結論、お化けも実際は人間に朝型、夜型があるようにお化けにも朝型、夜型があるわけで、お化けと人間には似ているとこが多いわけだが、そんなことよりも、なんでそんなことが言えるかは、実際、俺は幽霊であるから身を持って言えるのだ。

もっとも、この場合の身というものはないのだがな


とりあえず、事故紹介しておこう、俺の名前は山田(仮名)と名乗っておこう、もう別に幽霊だからいいじゃん本名でと思う人もいるが、もとは人間、プライバシーに関わる情報は言いたくないものだ。


ちなみに、俺が何故、事故紹介としたのかというと、急性心筋梗塞というのをまだ、30才であるというのに、発祥してしまって、このまま、人生からおさらばしてしまうという、無念な思いをこめて、自己を事故という言葉にしたのだ。

しかも、ゲーム会社で、シナリオ作成をして、自分の担当箇所のところが終盤に差し掛かったところで倒れてしまった。

これは本当に無念、例えるなら、アニメの盛り上がりで、突然、報告もなく、打ちきりになったような、そんな感じの気分、


まさしく、


絶望、


超弩級の絶望ですよ!


なんてたって、念願のシナリオライターとして、大好きのゲームに携わり、最高のゲームを作るという、俺の信念が、こんな、こんな、志半ばでなんて、


悲しすぎるよ!


ってなって、悲しみにうちひしがれてるから、お墓には入れてもらって、定期的にお墓参りに来てもらって二年なってるけど、すまないが未だ、捨てきれない未練があるから、この世にとどまってんのかなぁなんて、思う。


なんか、駄目だなぁ、でも、自分の担当してたゲームの一部のシナリオがどうなったのかとかなんて、知るよしもないし、幽霊だから、自分の力で物とかつかめないし、ドアとかはすり抜けられるけど、やっぱり、コンピューターは使えないとか、

不便なことだらけだ。


今、頭の中でか?魂の中でか?浮かぶものと言えば、暇だなぁと、シナリオ書きてぇーな、の内で、暇だなぁ~が割合として多くなって、このままだとボォーっとするだけの自分になってしまう。

だから、コンビニの駐車場にいるかもななんて思う。

居場所がないから、とりあえずここで休もうとか、それを許されてるような気がするから。


かといって、ボォーっとしてると電信柱とほぼ同義じゃねぇーか!

って、なるから、できるだけ工夫はしている。


もし、中にいたら、気味悪がられるのは嫌だし、ただでさえ、大変な店員の迷惑かけちゃうかもしれないから。


他人(なんか、寒いんだよなぁここの駐車場)


また、休んでばかりじゃつまらないので、人の役には立とうと試みた


たまに、来た人に暑い日は、少しゾワッとさせて、涼んでもらったり


他人(うわっ!?ゾクッてきた、えっ!?気のせい?気のせい?だよな、嫌だなぁー)


ゴミをポイッと捨てる人にたいして、全力で肩にのしかかったり


他人(肩重いなぁ~つらい、あれ、買うか、栄養ドリンク)


というように、なんだろう、自宅警備員ならぬ、コンビニ警備員的な立ち位置で活躍してるようなものなんだろうと思ってもらってよい。


そして、今は深夜、人は少ないが、基本的に悪質な客もいるかもしれないので、警戒しつつ、パトロールしてる、と言っても、ボォーとしてるのと何も変わらない気がするのだが、念のため、見守っておくことにする。


もし、来た場合、俺が取りついて、怖がらせてやればいいのだから、


今の所、異常はない、ですよ!店長!と、軽くお店の方を向いて、敬礼する、なんか、ゲームみたいに衣装チェンジできないかなぁ、自宅警備員の衣装にチェンジしたいなぁなんて望みは叶いませんけどね!


すると、車の音が聞こえ、その車の方に視線を向ける。


軽自動車、男が一人、深夜のコンビニを訪れてきた。


外見は普通、至って、怪しいところはないのだが……


俺(普通の人ほど実際は犯人だったていうのは、推理物で定番だからな)


一応マーキングしておく、そして、なんだか、顔はにやけてるし、気持ち悪いぞ、人前では辞めとけよと年押ししておく。

でも、なんか、楽しみがあると人って、理性よりも心の働きが強くなっちまうのかもなぁなんて、思うし、分かる気もする。


そして、暫くしてコンビニから帰ってくると、すぐには立ち去らず、買ってきたものを食べているのが見える。


中々、いい臭いがさっきしたのだが、恐らく、チキンだろう。

うんうん、あそこのチキンは美味しいもんな、ちょっと嗅ぎたくなってきた。


俺は少し、気になって、懐かしさと、味わうことができないがその懐かしさに魂がキュルルとお腹なんて減らないはずなのに、気になって、捜査対象としてこじつけて、車の中に入ってしまった。

好奇心恐るべし!幽霊になっても性格とかって変わらないもんですね、変わったのは魂となっただけ


入ってみると、車の中の空間がコンビニ食の宝物庫と化していた。

肉の上手さ、ジューシーさ、どれをとっても、匂いで分かる。

俺的チキンランキングは、三位ではあるが、順位は変動する可能性はある。

フレチキと同等の戦闘力を持ってる、

コーチキは神レベル、身勝手すぎる極意身につけてるのでは?なんて思ってる。

かつ、肉まんの上手そうな匂い、食べたい!食べたいぞ!


そして、フランスのオレンジ炭酸水ののど越しといったら、最高だよなぁ!

あれだけでも、ホロ酔い気分になれるもんだから、俺なんて、チーズ鱈とか、エイトイレブンのあげ豆腐とか、いろんな、おつまみさんの良き相棒だったなぁ、なんか、ドラマ見てるみたいだよね~


ほんわか~ってしてると、その人も同じような目をしていた。

いいなぁー生きてるって宝なんだと俺はその人を見て、感じた。


加えて、その人はラジオを聞いている、なんだか、楽しそうに聞いている。


俺にも分かる、だって、このラジオ、面白いもんな、確か、名前は今晩大学だったか、あれって中高生をメインとしたらものなんだけど、懐かしさなのか、いつ聞いても、心のバイブルになるようなものだし、俺も苦しかった時代あったもんなぁ、そんなときに、俺みたいに創作活動、その子は漫画だったっけ、13歳から書き続けていて中々採用してもらえず、気づけば18歳でもう諦めようかとしたときに、その相談にのっていた、兼田学長と芹沢教授と呼ばれてるパーソナリティーの二人そして、ゲストの人が、その相談に真剣に答えてたというのを覚えてる。


その言葉が、俺にもなんだか、響いていて、涙さえ出てきたっけなっと思わず、照れ笑いしてしまう。


ちょっとなんだか、居心地いいなぁーって思ってると、車が発進した。










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